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2018年7月16日月曜日

国立演芸場7月中席

2018-07-16@国立演芸場


落語          鈴々舎八ゑ馬⇒桃太郎
落語    鈴々舎馬るこ⇒ハングル寿限無
漫才          すず風にゃん子・金魚
落語          古今亭菊春⇒代り目
落語          柳家小はん⇒船徳
   ― 仲入り ―
奇術          アサダ二世
落語          橘家蔵之助⇒猫と電車
曲芸          鏡味仙三郎社中
落語          柳家小さん⇒ちりとてちん

本日の最大の収穫は鈴々舎馬るこの「ハングル寿限無」だ。
馬るこは初めてで、最初のうちはあまりうまそうではなかったのでどんなものかと思っていた。噺の枕がハングルの話になって、一体どういうことになるのか、と思っていたら、
なんと「寿限無」なのだが、ここに来て枕で披露したハングル(擬)が功を奏してくる。「寿限無」を非常な早口で話す噺家は少なくないが、馬るこの場合は、これをハングル擬でやるのだ。そして「寿限無」少年は長じて歌舞伎町のホストになっているという設定がおかしい。指名の際も、その取次も、自己紹介も、延々とハングル擬の寿限無なので、自己紹介が終わるともう「お時間で〜す」と落ちを付けてこれは笑えた。

菊春の「代り目」も小はんの「船徳」もそこそこに面白かったが、小はんが初めてで、あるきかたも座り方も危なっかしいし、手は震えている。大丈夫かいなと思ったが、噺が始まると大きな声で滑舌も悪くない。しかし、ほとんど表情を変えずおおかしい話を演ずるのはなかなか乗りにくかった。

鏡味仙三郎社中の曲芸は、馴れた進行で芸が堂に入っているという感じで感心した。

トリの小さんの「ちりとてちん」はイマイチ。やはり、この話は知ったかぶりをして「ちりとてちん」を食べる煉獄の苦しみを演じてこそだが、腹がよじれるまでには至らなかったな。

♪2018-084/♪国立演芸場-11

2016年8月1日月曜日

国立演芸場8月上席

2016-08-01 @国立演芸場


落語 柳亭市丸(前座)⇒狸札
落語 柳亭市楽⇒売り声
落語 入船亭扇蔵⇒子ほめ
曲芸 翁家社中
落語 川柳川柳⇒ガーコン
落語 三遊亭圓窓⇒枯木屋
―仲入り―
音曲漫才 めおと楽団ジキジキ
落語 橘家蔵之助⇒ぜんざい公社
奇術 花島世津子
落語 柳亭市馬⇒船徳

川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)という噺家がいたとは知らなかった。そもそも亭号に「川柳」(かわやなぎ)が存在するのも知らなかった。
彼は6代目三遊亭圓生の弟子(その時の名前は「さん生」)だが、自身の失敗や落語界のいざこざなどが原因して破門され、芸名を返せと求められたために、独自の(多少の謂れはあるらしいが)芸名を名乗ることになったそうだ。
ほとんど古典落語は演らない。今日の「ガーコン」も新作だ。新作と言っても10年以上は演じているはず。そして、ほとんどこの作品しか演らないという話も聞いたが。なので、1年に100回以上「ガーコン」を演じた時期があるそうだ。
昔は相当の売れっ子だったらしい。
噺は落語というより歌謡漫談みたいだ。軍歌~歌謡曲~ジャズを口ずさみながら(うまい。藤山一郎ふうだ)、面白おかしく世相を語る。ジャズはアフタービートだという実演をついには立ち上がって演る。その格好が足踏み脱穀機を稼働する姿に似ているところからその操作の擬音ガーコンが噺の題になったそうだ。
まあ、噺家の生き様には時に「落語」みたいなのを見聞するが、この人はまさに落語、いや漫談か。

面白いのだけど、なんだか、調子が狂ってしまう。

トリが柳亭市馬の「船徳」。これはまっとうな?な古典だ。
主人公の若旦那の設定にはいろいろバリエーションがあるようだけど、要するにド素人が渡し船の船頭になってお客を載せたはいいがなかなか船が進まないという話だ。その様子がおかしい。
舟は揺れてぐるぐる回り岸をこすりながら往くのでお客も前後左右に揺られっぱなしになるので、演ずる方もなかなか体力が必要だ。こういう噺はCDやラジオではおかしさが十分伝わらない。やはり、高座で<観る>のがおかしい。


♪2016-109/♪国立演芸場-08