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2023年3月28日火曜日

東京・春・音楽祭2023 シューマンの室内楽

2023-03-28 @東京文化会館



バイオリン:金川真弓、山本翔平*
ビオラ:佐々木亮*
チェロ:横坂源
ピアノ:三浦謙司

シューマン:幻想小曲集 op.88
シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番ニ短調 op.63
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44*



25日にミューザでコルンゴルトを好演したばかりの金川真弓が中2日でシューマン室内楽に登板!三重奏はピアノ:三浦謙司、チェロ:横坂源。五重奏は加えて第2バイオリン:山本翔平、ビオラ:佐々木亮という今が旬の面子。全曲金川が第1バイオリンでリードした。

この日の彼女は黒地に金糸?が織り込まれた?ような衣装に時々見せるアルカイック・スマイルで、いよいよ弥勒菩薩ぽい。

22日に同じ会場でN響メンバーによる室内楽(弦楽五〜六重奏)を聴いたが、この時は文化会館小ホールとも思えないような乾いた響に大いにがっかりしたので、今日はどうか、と心配しながら第一声を待ったが、何の!横坂源のブンブン鳴るチェロであっさりと不安は吹き飛んだ。
かぶりつきだったこともあるが、弦は生々しくピアノは煌めいている。こうでなくちゃ!

全3曲は、どれもシューマンらしい感情表出に溢れてゾクゾクさせるが、やはり、一番面白いのは五重奏だ。
同編成の五重奏曲の中ではブラームスと並んで最高傑作だと思っている(シューベルトの「鱒」も大好き!だが、こちらは、第2バイオリン無しでコントラバスが入る変わった編成だ。)。
欲を言えば、全員が元気なので、聴いていて心地良いのだけど、アンサンブルの妙という点では、更に彫琢する余地があったような気もした。

五重奏になって加わった佐々木の存在感に比べ山本はやや影が薄かったのは、そもそもそういう音楽なのかもしれないけど。

ともあれ、25日から始まった6連投中の4日目。それが全部素晴らしいコンサートが続いて4戦全勝とは嬉や。

♪2023-054/♪東京文化会館-04

2016年3月20日日曜日

東京春祭チェンバー・オーケストラ 《室内楽特別コンサート》 ~トップ奏者たちによる極上の室内楽

2016-03-20 @東京文化会館

東京春祭チェンバー・オーケストラ
バイオリン:漆原啓子、川田知子、小林美恵、島田真千子、玉井菜採
ビオラ:佐々木亮、篠﨑友美
チェロ:銅銀久弥、藤村俊介
コントラバス:池松宏

テレマン:
 4つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ長調
 4つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調
ドボルザーク:
 三重奏曲 ハ長調 作品74
 弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 作品77
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20 
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アンコール
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲から第3楽章


バイオリンが5人、ビオラ、チェロが各2人、コンバス1人が登場し、当然弦楽合奏で三重奏、四重奏、五重奏、八重奏を聴かせる。
でもフツーの弦楽四重奏はなかった。

ドボルザークの五重奏曲もテレマンの4つのバイオリンのための協奏曲も初聴きだった。聴いたことがあるのはドボルザークの弦楽三重奏曲とメンデルスゾーンの八重奏曲だけ。それもCDで数回聴いただけ。

つまり、楽器自体は珍しくないのに組合せが珍しい作品ばかりでそういう意味ではどれも面白かった。

テレマンの「4つのバイオリンのための協奏曲」というのは「協奏曲」の意味がバロックの合奏協奏曲とも古典派以降の器楽協奏曲とも意味が違うのだろう。
バイオリンだけ4本というのは、多分、弾く側の楽しみのために作曲されたのではないか。聴く側としては妙味に欠けるな。

ドボルザークの弦楽五重奏曲はフツーの弦楽四重奏の編成にコントラバスが加わったものだ。これも変わった編成だ。弦楽五重奏の編成で多いのフツーの弦楽四重奏にビオラがもう1本加わった形が圧倒的に多い。チェロがもう1本というのも少ないけどある(ボッケリーニはこの形式で100曲ほど書いているらしいから少ないとはいえないかもしれないが。余談だが、彼の膨大な弦楽五重奏曲集から4曲を収めたCDを持っていながらほとんど聴いたことがなかったが、今回の演奏会で刺激されて聴いてみたらホ長調作品13(11)の5というのがあって、その第3楽章メヌエットに驚いた。
FMの音楽番組か学習番組だったか料理番組?のテーマ曲だったよ。さらにハ短調作品37の第2楽章もFM放送のテーマ曲だったような気がする。ボッケリーニの弦楽五重奏曲って案外メジャーなんだと認識を新たにした。)。

ともかく、コンバスが加わった形は、このドボルザークが3曲書いたという弦楽五重奏曲のうちの今回演奏された第2番しか見当たらない。ドボルザークの近辺にコンバスの名手がいたのかもしれない。確かにコンバスの重低音を活かした曲作りになっていたような記憶…も怪しいが。

やはり、聴き応えがあるのはメンデルスゾーンの八重奏曲で、手持ちのCDだと33分を要する大曲だ。
もっとも、この曲は、メンデルスゾーンが16歳の秋に僅かな期間で書いたそうだ。その7年後に改訂をしたそうだが、それでも23歳の若さだ。第2楽章を除けば全篇疾走する勢いで、明るくて元気なのがいい。

顔見知り?は漆原啓子、川田知子、小林美恵だけ。漆原敬子がいわばコンマスの役割を担っていたようだが、それにしても彼女のバイオリンが飛び抜けてよく聴こえたなあ。小ホール5列目で方向が彼女の方を向いていたからだろうか?まさかね。


♪2016-32/♪東京文化会館-03