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2024年12月15日日曜日

読売日本交響楽団第138回横浜マチネー名曲シリーズ 「第九」④

2024-12-15 @みなとみらいホール



フランチェスコ・アンジェリコ:指揮
読売日本交響楽団
新国立劇場合唱団

ソプラノ=中村恵理
メゾ・ソプラノ=清水華澄
テノール=ダヴィデ・ジュスティ
バス=エギルス・シリンス

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125







Vn1の高域とSpの高域が軋んで美しくない…という残念さを孕みつつ、しかし、元気な「第九」だった。やたら疾走するばかりではなく、歌心もヨシ。

低弦のレシタは良いテンポ感だったが、まだ全員の息が合っていない感じだった。これからもっと良くなる?

♪2024-174/♪みなとみらいホール-43

2024年3月29日金曜日

新国立劇場オペラ「トリスタンとイゾルデ」

2024-03-29 @新国立劇場



指揮:大野和士
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
美術/衣裳:ロバート・ジョーンズ
照明:ポール・コンスタブル
振付:アンドリュー・ジョージ

管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

トリスタン:ゾルターン・ニャリ
(←トルステン・ケールの代役)
マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
イゾルデ:リエネ・キンチャ
(←エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)
クルヴェナール:エギルス・シリンス
メロート:秋谷直之
ブランゲーネ:藤村実穂子
牧童:青地英幸
舵取り:駒田敏章
若い船乗りの声:村上公太
ほか

ワーグナー:歌劇「トリスタンとイゾルデ」
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約5時間25分
第Ⅰ幕
 85分
 --休憩45分--
第Ⅱ幕
 40分
 --休憩45分--
第Ⅲ幕
 80分






思いつくままに記せば、大野ちゃん、あまり大きくないので僕の席からは目半分から上しか見えなかった。

その都響の演奏。これがびっくりするほど良かった。
ピットゆえの穏やかな響が奏功して、上野やサントリーで聴くようなキンキラの音ではなく、同じコンビの「マイスター〜」も良かったが、あの時以上に音が練れていた。
最初が良かったので、もうオケに関してはその後も大船に乗って聴いた。

歌唱陣もトリスタン以外は全員新国で経験済み。可もなく不可もなく。抜きんでた人はいなかったが、クルヴェナールを歌ったEシリンスって、この役で得をしたなと思った。好感。

御大、藤村美穂子。イゾルデのリエネ・キンチャに比べると質量1/2くらいなのに、出すべきところは出して存在感あり。しかし、プロンプターを気にし過ぎで、演技に不満。

今回、生舞台は初めてだったが、Discで何度も観ているので馴染んでいるつもりだったが、2幕終盤の<マルケの嘆き>に、しみじみとした。物語の深さがここによく現れている。

ラストの「愛の死」。「愛」が死ぬ訳ではなく、「愛によって死ぬ」の意味だが、この演出ではイゾルデが愛の力で死ぬことがはっきりしないなあと思って見ていたところ、明らかに気分ぶち壊しのフライング拍手。
残念無念。

♪2024-045/♪新国立劇場-06

2023年3月21日火曜日

新国立劇場オペラ:オッフェンバック「ホフマン物語」

2023-03-21 @新国立劇場



【指揮】マルコ・レトーニャ
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣裳】アンドレア・ウーマン
【振付】上田遙
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】須藤清香

【管弦楽】東京交響楽団
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団

【ホフマン】レオナルド・カパルボ
【ニクラウス/ミューズ】小林由佳
【オランピア】安井陽子
【アントニア】木下美穂子
【ジュリエッタ】大隅智佳子
【リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット】エギルス・シリンス
【アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ】青地英幸
【ルーテル/クレスペル】伊藤貴之
【ヘルマン】安東玄人
【ナタナエル】村上敏明
【スパランツァーニ】晴 雅彦
【シュレーミル】須藤慎吾
【アントニアの母の声/ステッラ】谷口睦美


ジャック・オッフェンバック「ホフマン物語」
全5幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間45分
第1幕・第2幕   75分
 休憩       30分
第3幕                50分
 休憩       30分
第4幕・第5幕   40分




5年前にやはり新国立劇場で同じ演出・美術で観た。オランピア役は今回も同じく安井陽子だった。砂川涼子が出ない代わりに木下美穂子が同じアントニアの役だった。

舞台美術や衣装は派手で、綺麗だ。
音楽も悪くない。オランピアの歌う「クマシデ並木の鳥たちから」やニクラウスとジュリエッタの二重唱「舟唄」など耳馴染みもいくつかあるし、全体として不満はない。

しかし、物語がさっぱり分からない。18年の時も同じ感想を持った。MET版の録画ディスクを回してみてもやはりよく分からない。

未完の大作らしいが、物語としても未完成ではないかと思うよ。

♪2023-049/♪新国立劇場-05

2022年3月30日水曜日

東京・春・音楽祭 ワーグナー・シリーズ vol.13 《ローエングリン》

2022-03-30 @東京文化会館


マレク・ヤノフスキ:指揮

NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン 

ローエングリンTn:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー
エルザSp:ヨハンニ・ファン・オーストラム
テルラムントBsBr:エギルス・シリンス
オルトルートMs:アンナ・マリア・キウリ(エレーナ・ツィトコーワの代役)
ハインリヒ王Bs:タレク・ナズミ
王の伝令Br:リヴュー・ホレンダー

ワーグナー:歌劇《ローエングリン》
(全3幕)<演奏会形式/ドイツ語上演/字幕付>

予定上演時間:約4時間20分
 第Ⅰ幕   60分
  休憩  30分
 第Ⅱ幕   80分
  休憩  30分
 第Ⅲ幕   60分

ワーグナーなら何でも好き!という訳ではなく、昔から、この作品は苦手。話に深みがなく子供っぽい。饒舌なのに進行は遅い。魅力的な音楽に乏しい。


で、今回はパスするつもりいたところ、発売日をだいぶ過ぎてから気が変わって参戦。

なので、良い席が取れなかった。


オケはピットではない分、ストレートに響く。

歌手たちは、Eシリンス以外初聴きばかりだった。


急遽交代したAMキウリは完璧ではなかったようだが、それにしてもみんな巧い。

オペラパレスより500席も広い空間で背中にオケを背負っても朗々たる歌唱。


騎士役(ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー)とエルザ姫(ヨハンニ・ファン・オーストラム)の2人は特に美声だった。


あまり気が進まないまま買ったチケットは、1階〜3階の中央が売切れで3階壁際バルコニーだった。

知ってはいたけど、椅子は舞台を向いていない。

字幕を見るには30度、指揮者を見るには45度、歌手全員見るには90度は身体を捻らなくてはならない。

正味200分。どれほど苦痛であったか!

もう、金輪際壁際は買わない。


♪2022-045/♪東京文化会館-07

2015年12月6日日曜日

N響第1823回 定期公演 Aプログラム

2015-12-06 @NHKホール


シャルル・デュトワ:指揮
ヘロデ:キム・ベグリー(テノール)
ヘロディアス:ジェーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)
サロメ:グン・ブリット・バークミン(ソプラノ)
ヨカナーン:エギルス・シリンス(バス・バリトン)
ナラボート:望月哲也(テノール)
ヘロディアスの小姓/どれい:中島郁子(メゾ・ソプラノ)
5人のユダヤ人 1:大野光彦(テノール)
5人のユダヤ人 2:村上公太(テノール)
5人のユダヤ人 3:与儀 巧(テノール)
5人のユダヤ人 4:加茂下 稔(テノール)
5人のユダヤ人 5:畠山 茂(バス・バリトン)
2人のナザレ人 1:駒田敏章(バリトン)
2人のナザレ人 2:秋谷直之(テノール)
2人の兵士 1:井上雅人(バリトン)
2人の兵士 2:斉木健詞(バス)
カッパドキア人:岡 昭宏(バリトン)

NHK交響楽団

R.シュトラウス:楽劇「サロメ」(演奏会形式)


サロメの話を知ったのは、多分、映画が一番先だったろう。
長じて聖書も読んだし、別の映画でも観ている。サロメが主人公というより聖書物語の一部として登場したような気がする。
あらためて映画のデーターベースで「サロメ」を探すと5本もあったが、ほかにも「サロメ」を含むタイトルがあれこれ出てくる。とにかく、映画や芝居には格好の題材なのだ。

イエスに洗礼を施したヨハネ(=ヨカナーン)はヘロデ王にとっては邪魔な存在であったが、ヨハネが多くの信奉者を集めている以上、また彼自身もヨハネに絶対的な存在の陰を感じていたようで、捕縛したまま処刑には及んでいなかったが、ヘロデの妻によってそそのかされた娘サロメの希望を叶えるため、やむなく首を切り落とした、というショッキングな話のせいか、あるいはそこに何か象徴的な深い意味を汲みとったのか、後世の多くの芸術家がサロメの話を絵画や芝居などに翻案している。

R.シュトラウスは、オスカー・ワイルドが書いた戯曲(1891年)をベースに作り上げた一幕物のオペラを作曲した(1905年完成)。

ワイルドの戯曲が既に聖書の記述を大幅に改変しており、サロメこそこの残酷物語の主人公で、その美貌で誰をも従わせることができるのに唯一関心すら持ってくれないヨカナーンに激しい恋心を抱くと同時に叶えられない苦しさが凶行へと走らせるとんでもない聖書劇で、だからこそ、スランプ状態にあったR.シュトラウスのやる気を刺激したらしい。

オーケストラの規模が100人を超える大編成で、登場する歌手は16人だが、主要な役はヘロデ王、その妻ヘロディアス、その連れ子(ヘロデの兄とヘロディアスの子)であるサロメ、そしてヨハネ(ここではヨカナーンと呼ばれている)だ。

一応4場構成のようだが、序曲もなければ間奏曲もない。アリアもレシタティーヴォもない。
昨年12月にデュトワ+N響でドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」(演奏会形式)を聴いたが、これも、旧来の歌劇形式にとらわれないスタイルだったが、この形はドビュッシーが先行したのだろうか。
「ペレアス~」の完成が1902年というから「サロメ」よりわずかに早い。R.シュトラウスは「ペレアス~」を聴いていたのだろうか?
オペラとしてのスタイルも似ているが、音楽自体も類似点が多いような気がする。

発表当時は超現代音楽だったろうが、今でも僕の耳ではなかなかすんなりとは楽しめない。

物語として不可解な点は捨象しても、不協和音の連続の音楽がしっくり入ってこないのだと思うが、唯一、多少耳に馴染みのある「サロメの踊り」の音楽も演奏会形式では物足りなかった。

後日、MET版「サロメ」のブルーレイディスクを持っているのを思い出して早送りで観たが、こちらはなるほどの迫力。
訳は分からないけど、サロメの狂気が伝わってくる。
「ペレアス~」では演奏会形式に違和感がなく、音楽表現形式として十分成立しているように思ったが「サロメ」に限っては、やはりオペラとして観賞すべき作品だったかも。

https://youtu.be/czi6qt9s_qg


♪2015-121/♪NHKホール-13