2023年3月15日水曜日
未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演 歌舞伎名作入門「源氏の旗揚げ」 「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚」「五條橋」
2022年3月18日金曜日
令和4年3月歌舞伎公演『近江源氏先陣館-盛綱陣屋-』
2021年7月5日月曜日
7月歌舞伎鑑賞教室(第100回 歌舞伎鑑賞教室)
2021-07-05 @国立劇場
解説 歌舞伎のみかた
竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)一幕
国立劇場美術係=美術
河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場
●「解説 歌舞伎のみかた」
解説 中村種之助
●『義経千本桜』
佐藤忠信/源九郎狐 中村又五郎
駿河次郎 中村松江
亀井六郎 中村種之助
法眼妻飛鳥 中村梅花
河連法眼 嵐橘三郎
源義経 中村歌昇
静御前 市川高麗蔵
ほか
そもそも中高生の団体鑑賞の為の公演だが、内容は手抜きなしの本物だ。
好きな席が取りづらいのは止むを得ない。今回は2階の4列目。なのに、単眼鏡を忘れたのは残念。
解説は先月に続いて種之助。巧い。
今回は本編の内容にかなり入り込んだ説明だった 。
「義経千本桜」という長い物語の一場だけを上演するので、先立つ事情などを説明したのは良かった。
「河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場」は何度も観ているが、この芝居の面白さは、早変わりなどの見せ場もあるけど、400歳!の「子狐」の演技で親子の情愛を表現するところで、歌舞伎入門には良いが、さりとて簡単に卒業できる演目でもないなと思う。
♪2021-068/♪国立劇場-05
2021年6月9日水曜日
6月歌舞伎鑑賞教室
2021-06-09 @国立劇場
●解説 歌舞伎のみかた
●三遊亭円朝=口演
竹柴金作=脚色
尾上菊五郎=監修
人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)二幕四場
国立劇場美術係=美術
序 幕 第一場 本所割下水長兵衛内の場
第二場 吉原角海老内証の場
二幕目 第一場 本所大川端の場
第二場 元の長兵衛内の場
●「解説 歌舞伎のみかた」
解説 中村種之助
●『人情噺文七元結』
左官長兵衛 尾上松緑
女房お兼 中村扇雀
和泉屋手代文七 坂東亀蔵
鳶頭伊兵衛 中村種之助
娘お久 坂東新悟
和泉屋清兵衛 市川團蔵
角海老女房お駒 中村魁春
ほか
本家落語版では、なんと言っても名人志ん朝の「文七元結」が大好きだ。何十回も聴いているが、おかしくて、ほろっとさせられる。
落語は時空が噺家の自在になるが、芝居ではそうもゆかないので、落語の話を少し端折ってあるが、うまく繋いであるので少しも違和感がない。
この芝居、昨年菊五郎ほか豪華版で楽しんだが、今回は主役長兵衛を松緑に譲り(初役)、菊五郎は監修に回った。
やはり松緑こそ実年に近く味わいもピッタリだ。菊之助では長兵衛は務まらない。
毎回、こんなバカな話はないぞ、と思いながらも惹き込まれ、ホクホク、ウルウルしてくる。
娘が身を売って拵えた50両の大金を、長兵衛は店の金を無くして身投げ寸前の文七に逡巡の挙げ句人の命にゃ変えられない、とやってしまう。
長兵衛の女房(お兼=扇雀)はどうせ博打で擦ったのだろうと大喧嘩。この扇雀も巧い。2人の絡みの面白さで話に説得力が生まれ、バカな話もありそうな話になってくる。
今月(来月も)は観賞教室として開催されているので、中・高生の団体がたくさん入っていて、2階最前列の好きな席は取れなかったが、その後取り消しが相次いだようで、結局、2階はガラガラだった。よほどか、空いてる席に移りたかったが、ま、それはじっと我慢して後ろの方で観ていたよ。
本篇に先立って恒例の歌舞伎案内を今回は種之助が務めた(本篇も)が、手際良く、滑舌良く、上手だった。
♪2021-051/♪国立劇場-04
2020年11月20日金曜日
11月歌舞伎公演第1部
2020-11-20 @国立劇場
【第一部】
近松門左衛門=作
国立劇場文芸研究会=補綴
平家女護島(へいけにょごのしま)-俊寛-
国立劇場美術係=美術
序幕 六波羅清盛館の場
二幕目 鬼界ヶ島の場
平相国入道清盛/俊寛僧都 中村吉右衛門
海女千鳥 中村雀右衛門
俊寛妻東屋/丹左衛門尉基康 尾上菊之助
有王丸 中村歌昇
菊王丸 中村種之助
平判官康頼 中村吉之丞
越中次郎兵衛盛次 嵐橘三郎
丹波少将成経 中村錦之助
瀬尾太郎兼康 中村又五郎
能登守教経 中村歌六
考えてみれば鑑賞・観劇は他人と対面する事は少なく、客は無言で咳払いも粗無い。施設はマメに消毒しているようだし、家に居るより安全?
…とでも思っていなきゃ怖くて観に行けない。
この芝居は、鬼界ヶ島に1人残される俊寛の葛藤が見処だが、放免されないと知った際の地団駄踏む子供じみた態度に比べると船を見送る際の無念さは諦観からか存外おとなしい。
歌舞伎・文楽で何度か観ている中で今回は一番静かな俊寛だったが、あの立場で、あの事情で、人はどんな態度を取るものだろうか、考えさせられた。
吉右衛門は長くこの役を演じながら考え抜いて今の形に至ったのだろうが、これは難しい芝居だなと気付かされた。
それが今日の収穫かな。
♪2020-080/♪国立劇場-10
2020年9月16日水曜日
九月大歌舞伎 第三部
2020-09-16 @歌舞伎座
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
引窓
濡髪長五郎⇒吉右衛門
南与兵衛後に南方十次兵衛⇒菊之助
平岡丹平⇒歌昇
三原伝造⇒種之助
お早⇒雀右衛門
お幸⇒東蔵
既に人相書きが出回り、覚悟を決めた濡髪をお幸が引窓の縄で縛る。
十次兵衛は濡髪が義母の実子と知って、縄を切る。
折しも生き物を放つ「放生会」の夜だった。
…と縮めればかくの如し。人情話である。
吉右衛門・東蔵という人間国宝2人に雀右衛門、菊之助と人気の美形が揃って見応え十分。
本来はもっと長い話だが、「引窓」だけでも成立している。
♪2020-051/♪歌舞伎座-05
2019年11月11日月曜日
11月歌舞伎公演「孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)―日向嶋―」
西沢一風・田中千柳=作『大仏殿万代石楚』
若竹笛躬・黒蔵主・中邑阿契=作『嬢景清八嶋日記』から
国立劇場文芸研究会=補綴
通し狂言 孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ) 四幕五場
― 日向嶋 (ひゅうがじま) ―
国立劇場美術係=美術
序 幕 鎌倉大倉御所の場
二幕目 南都東大寺大仏供養の場
三幕目 手越宿花菱屋の場
四幕目 日向嶋浜辺の場
日向灘海上の場
悪七兵衛景清⇒中村吉右衛門
源頼朝/花菱屋長⇒中村歌六
肝煎左治太夫⇒中村又五郎
仁田四郎忠常⇒中村松江
三保谷四郎国時⇒中村歌昇
里人実ハ天野四郎⇒中村種之助
玉衣姫⇒中村米吉
里人実ハ土屋郡内⇒中村鷹之資
和田左衛門義盛⇒中村吉之丞
俊乗坊重源/花菱屋遣手おたつ⇒嵐橘三郎
梶原平三景時⇒大谷桂三
秩父庄司重忠⇒中村錦之助
景清娘糸滝⇒中村雀右衛門
花菱屋女房おくま⇒中村東蔵
ほか
9月の文楽「嬢景清八島日記」に前段2幕を加えた歌舞伎版通し。
時代物に世話物がサンドイッチになった構造。
特に終幕・日向嶋は能の様式も取り入れて多彩な見もの。
吉右衛門、歌六、又五郎、雀右衛門、東蔵とうれしい芸達者が揃った。
最近歌昇がいい。
♪2019-174/♪国立劇場-14
2018年12月6日木曜日
12月歌舞伎公演 通し狂言「増補双級巴」〜石川五右衛門〜
石川五右衛門⇒ 中村吉右衛門
壬生村の次左衛門⇒ 中村歌六
三好修理太夫長慶⇒ 中村又五郎
此下藤吉郎久吉・真柴筑前守久吉⇒尾上菊之助
大名粂川但馬⇒ 中村松江
大名田島主水/早野弥藤次⇒ 中村歌昇
足柄金蔵/大名白須賀民部⇒ 中村種之助
次左衛門娘小冬⇒ 中村米吉
大名天野刑部/小鮒の源五郎⇒ 中村吉之丞
大名星合兵部/三二五郎兵衛⇒ 嵐橘三郎
呉羽中納言氏定/大名六角右京⇒ 大谷桂三
足利義輝⇒ 中村錦之助
傾城芙蓉/五右衛門女房おたき⇒ 中村雀右衛門
義輝御台綾の台⇒ 中村東蔵
ほか
三世瀬川如皐=作
国立劇場文芸研究会=補綴
国立劇場美術係=美術
通し狂言 増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)四幕九場
―石川五右衛門―
中村吉右衛門宙乗りにて
つづら抜け相勤め申し候
発 端 芥川の場
序 幕 壬生村次左衛門内の場
二幕目 第一場 大手並木松原の場
第二場 松並木行列の場
三幕目 第一場 志賀都足利別館奥御殿の場
第二場 同 奥庭の場
第三場 木屋町二階の場
大 詰 第一場 五右衛門隠家の場
第二場 藤の森明神捕物の場
今月の国立劇場は役者が豪華。
吉右衛門、歌六、又五郎、菊之助、錦之助、雀右衛門、東蔵ら。
石川五右衛門を題材とするいくつかの作品を素材に三世瀬川如皐が取りまとめた作品(1851年初演)を基に、今回、新たに翻案したそうである。
場面によっては、90年(木屋町二階)、70年(壬生村)、50年(五右衛門隠家)ぶりの発掘という。こういうところが国立劇場らしい。
が、<娯楽>に留めず、石川五右衛門の家族を思う人間味を表現しようとした試みが、次ぎ接いだ前後で五右衛門の様子が異なる印象を齎す結果となり、謂わば木に竹接いだ感じになってしまったのは残念。
が、今回の売り物の一つ、「宙乗葛籠抜け」には驚いた。
花道上を大きな葛籠が宙にぶら下がって2階客席前辺りまできたところで、その中から吉右衛門が飛び出すのは、そういう仕掛けがあることは承知していたけど、実際に眼前で起こって、これは驚いた。目の前で見たのだけど、どういう仕掛けになっていたのか、一瞬の出来事なので、分からなかった。
最後は吉右衛門の大立ち回りだ。
これも、形を見せるものだとはいえ、背中が丸くなったような吉右衛門のひたすらスローモーションの立回りに不安を禁じ得なかった。
役の大きさの割に見せ場の少なかった菊之助、娘役がドンピシャの米吉が1幕で姿を消すなど、欲求不満が残ったものである。
♪2018-162/♪国立劇場-016
2018年5月22日火曜日
團菊祭五月大歌舞伎 昼の部
成田山開基1080年
二世市川團十郎生誕330年
安田蛙文・中田万助 作
奈河彰輔 演出
藤間勘十郎 演出・振付
通し狂言
一、雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
市川海老蔵五役相勤め申し候
鳴神上人⇒海老蔵
粂寺弾正⇒海老蔵
早雲王子⇒海老蔵
安倍清行⇒海老蔵
不動明王⇒海老蔵
雲の絶間姫⇒菊之助
秦民部⇒彦三郎
文屋豊秀⇒松也
秦秀太郎⇒児太郎
小野春風/矜羯羅童子⇒廣松
錦の前⇒梅丸
八剣数馬/制多迦童子⇒九團次
小原万兵衛実は石原瀬平/黒雲坊⇒市蔵
白雲坊⇒齊入
小松原中納言⇒家橘
関白基経⇒錦之助
八剣玄蕃⇒團蔵
小野春道⇒友右衛門
腰元巻絹⇒雀右衛門
二、女伊達(おんなだて)
女伊達木崎のお光⇒時蔵
男伊達中之島鳴平⇒種之助
同 淀川の千蔵⇒橋之助
「雷神不動北山櫻」は僕にとって初めての演目だった。
全4幕の通し狂言で、そのうちに歌舞伎十八番(市川宗家のお家芸として選定された荒事の演目。)に選ばれている「毛抜・鳴神・不動」の3作を含むというのだから、1作で3度おいしい作品という言える。
尤も、歌舞伎十八番も現代も実際に演じられているのは8作品程度で、残りは今ではほとんど演じられることはないそうだ。内容が伝承されていないので、演るとすれば新作を作り上げるに等しいらしい。
「毛抜・鳴神・不動」も実際に舞台にかかるのはほぼ「毛抜」だけと言ってもよい状態のようだ。
僕も、「毛抜」は数回観たが、「鳴神」も「不動」も観たことはないし、今回の鑑賞で初めてそういう作品があることを知った次第だ。
1人口上から4幕大詰まで海老蔵が5役出ずっぱりで八面六臂の大活躍。外連味たっぷりの見得がこれ程似合うのは海老蔵だけか。
菊之助との絡みも見所。
筋の運びが必ずしも滑らかではないし、長過ぎるような気もするが、歌舞伎の面白さ、楽しさ、美しさをたっぷり詰め込んだ力作だ。
余談だが、「毛抜」が単独で演じられる時は、何故か劇中劇の形をとる。今回も2幕目がそれに当たるが、やはり、この幕だけは、舞台上手と下手に芝居小屋の看板が掲げられ、粂寺弾正が若衆や腰元にちょっかい出しては失敗する度に客席に向かって頭を下げ、「面目次第もござりませぬ」と言い訳するところも今回の「通し」上演でも同じだった。
♪2018-058/♪歌舞伎座-03
2017年12月11日月曜日
12月歌舞伎公演「今様三番三」、「通し狂言 隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛―」
●今様三番三(いまようさんばそう)
大薩摩連中
長唄囃子連中
並木五瓶=作
国立劇場文芸研究会=補綴
●通し狂言 隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ) 三幕九場
―御存梅の由兵衛― (ごぞんじうめのよしべえ)
国立劇場美術係=美術
序幕 柳島妙見堂の場
同 橋本座敷の場
同 入口塀外の場
二幕目 蔵前米屋店先の場
同 塀外の場
同 奥座敷の場
本所大川端の場
大詰 梅堀由兵衛内の場
同 仕返しの場
中村吉右衛門⇒梅の由兵衛
中村歌六⇒源兵衛堀の源兵衛
中村又五郎⇒土手のどび六実は十平次
尾上菊之助⇒由兵衛女房小梅/丁稚長吉
中村歌昇⇒佐々木小太郎行氏/延紙長五郎
中村種之助⇒結城三郎貞光/芸者小糸
中村米吉⇒米屋娘お君
中村吉之丞⇒医者三里久庵
嵐橘三郎⇒米屋佐次兵衛
大谷桂三⇒曽根伴五郎
中村錦之助⇒金谷金五郎
中村雀右衛門⇒曽我二の宮実は如月姫/額の小三
中村東蔵⇒信楽勘十郎
ほか
連日の劇場通いで初見演目なのに予習なし。寝不足。折角2階花道寄り最前列を取ったのに集中できず。吉右衛門、雀右衛門、歌六、東蔵、又五郎、菊之助、米吉…みんな好きなのにゴメン!
でも、筋もイマイチだったかもな。39年ぶり上演(=永く上演機会がなかった)にはこういう理由もあるのかも。
♪2017-199/♪国立劇場-19