2021-06-09 @国立劇場
●解説 歌舞伎のみかた
●三遊亭円朝=口演
竹柴金作=脚色
尾上菊五郎=監修
人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)二幕四場
国立劇場美術係=美術
序 幕 第一場 本所割下水長兵衛内の場
第二場 吉原角海老内証の場
二幕目 第一場 本所大川端の場
第二場 元の長兵衛内の場
●「解説 歌舞伎のみかた」
解説 中村種之助
●『人情噺文七元結』
左官長兵衛 尾上松緑
女房お兼 中村扇雀
和泉屋手代文七 坂東亀蔵
鳶頭伊兵衛 中村種之助
娘お久 坂東新悟
和泉屋清兵衛 市川團蔵
角海老女房お駒 中村魁春
ほか
本家落語版では、なんと言っても名人志ん朝の「文七元結」が大好きだ。何十回も聴いているが、おかしくて、ほろっとさせられる。
落語は時空が噺家の自在になるが、芝居ではそうもゆかないので、落語の話を少し端折ってあるが、うまく繋いであるので少しも違和感がない。
この芝居、昨年菊五郎ほか豪華版で楽しんだが、今回は主役長兵衛を松緑に譲り(初役)、菊五郎は監修に回った。
やはり松緑こそ実年に近く味わいもピッタリだ。菊之助では長兵衛は務まらない。
毎回、こんなバカな話はないぞ、と思いながらも惹き込まれ、ホクホク、ウルウルしてくる。
娘が身を売って拵えた50両の大金を、長兵衛は店の金を無くして身投げ寸前の文七に逡巡の挙げ句人の命にゃ変えられない、とやってしまう。
長兵衛の女房(お兼=扇雀)はどうせ博打で擦ったのだろうと大喧嘩。この扇雀も巧い。2人の絡みの面白さで話に説得力が生まれ、バカな話もありそうな話になってくる。
今月(来月も)は観賞教室として開催されているので、中・高生の団体がたくさん入っていて、2階最前列の好きな席は取れなかったが、その後取り消しが相次いだようで、結局、2階はガラガラだった。よほどか、空いてる席に移りたかったが、ま、それはじっと我慢して後ろの方で観ていたよ。
本篇に先立って恒例の歌舞伎案内を今回は種之助が務めた(本篇も)が、手際良く、滑舌良く、上手だった。
♪2021-051/♪国立劇場-04