2021-06-14 @東京文化会館
秋山和慶:指揮
東京都交響楽団
金川真弓:バイオリン*
シベリウス:交響詩《吟遊詩人》op.64
シベリウス:バイオリン協奏曲 ニ短調 op.47*
プロコフィエフ:交響曲第7番 嬰ハ短調 op.131
指揮の秋山御大共々コロナ代役だが、いずれも代役の方が上等だったのではないか。
今回はシベリウスだったが、出だしの弱音部に一瞬の違和感を覚えた以外は、どんどんと惹き込まれていった。
上手な演奏家はいくらもいると思うし、技術的巧拙の判断もつけかねるが、彼女の演奏は少しも癖を感じさせず、自然体で、上品だが、音楽の作りが大きいとでもいうのか、誘い込まれるともう絡め取られたように浸り切ることになるのが不思議だ。
秋山御大の良きリードを得た都響も気持ち良く協和して”協奏曲”の面白さが溢れていた。
金川嬢の演奏が如何に名演であったかは、先ずもって都響自身の反応が雄弁に物語った。
そして、客席もかつてない程沸き、声は発せられないけど、大きな拍手を送り続けた。
鳴り止まぬ拍手に、繰り返されたカーテンコールでは、舞台も客席も幸福に満ちていた。
メインのプロコの7番は初聴き。嬰ハ短調とあるが、冒頭以外どこが短調だったのか思い出せないくらい全体に明るくて軽い音楽だった。
特に後半は「トムとジェリー」を思い浮かべながら聴いたよ。ところがこれがソ連政府の”指導”による本人不本意な部分だというから、どう受け止めるべきか難しい。本人満足版もあるらしが?