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2025年6月18日水曜日

石田泰尚プロデュース サロンdeストリングスVol.1

2025-06-18 @みなとみらいホール



大宮臨太郎:バイオリン v
大宮理人:チェロ c
松岡あさひ:ピアノ p
------------------------------------
石田泰尚:バイオリン(特別出演)*


J.S.バッハ:<インヴェンション>から vc
クライスラー:シンコペーション vp
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲 vp
サン=サーンス:く動物の謝肉祭>から白鳥 cp
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番二短調 Op.49 vcp
------Enc--------------------
ロック(タイトル不詳)





みなとみらいホール第3代プロデューサーに就いた石田泰尚がプロデュースする弦楽合奏シリーズの1回目。といっても本人が出演するわけではない。

Pfトリオは石田組の3人だが、冒頭、シャイでおしゃべり苦手な石田があいさつとコンセプトをメモを読み上げて引き上げた。

中身は普通のピアノトリオのリサイタル。
2人ずつの組合わせで小品がまずは演奏され、メインはメン・トリだった。
大好物だが、物足りなかった。Vcがあまりにおとなしくて気分が乗らない。せめて終楽章、ガリガリ、ブリブリヤニを飛ばしてくれたら気持ちも治ったろうが、美しいだけでは良くないよ。

さて、本篇が終わって70分。既に予定は10分超過。
しかし、組長が来ているので出てこない訳にもゆくまい、と思っていたが、果たして、Encは全員上着を脱いだら、石田組のシャツだ。客席は大いに盛り上がって、何と言ったか忘れたが、ロックを演奏したが、面白くもない。

石田組は22年の5回公演を聴いて、客席の居心地が悪く世界が違うと思ったので、それ以降聴いていない。今回は、石田組ではなく、組長抜きの弦楽アンサンブルを楽しむつもりでセット券を買ったが、やはり、完売の客席は、もうおばさんばかりだし、メン・トリの1楽章の後に拍手が入るなど、まあ、和気藹々かよ。

臨太郎氏など、才能のある人だと思うけど、石田組なんかで遊んでいていいのかと心配するよ。

いやはや余計なことだけど。


♪2025-082/♪みなとみらいホール-15

2022年5月13日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#7

2022-05-13 @すみだトリフォニーホール



井上道義:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

石丸由佳:オルガン*
林英哲:和太鼓**

サン=サーンス:糸杉と月桂樹 op. 156より「月桂樹」*
新実徳英:和太鼓とオルガンとオーケストラのための「風神・雷神」* **
ファリャ:バレエ音楽『三角帽子』
ラヴェル:ボレロ
-------------------
ラヴェル:ボレロ (最終部分)**


4曲とも原始脳を強力に刺激する作品ばかり。
最初の2曲はオルガン入り。これが先ずは上出来。

オケ+オルガンでは時にオルガンがオケに埋没することもあるが、今日のオルガンは溶け込むところは新鮮な音色を合奏に齎し、存在を主張するところでは朗々とホールを揺るがした。特にその音色に惹かれたが、ストップの組み合わせが良かったのか、オルガン自体の性能なのか、このホールではもっとオルガンを聴いてみたいと思った。

2曲目「風神・雷神」でもオルガンは大活躍したが、特筆は大和太鼓(おおわだいこ)の迫力。

風神はオルガン、雷神は太鼓を意味しているそうだが、途中で舞台照明が落ち、両者のみが闇の中に浮き上がって、ジャズセッションのようなアドリブの応酬がスリリングで面白い。
ここに管弦打楽器が重なり合って狂乱のクライマックス!お見事!

後半のファリャ、ラヴェルは、弦の透明感が…等と考えるのも野暮な、リズムと色彩感に溢れた興奮の連続。

道義さんのドヤ顔が何度も見られて、こちらも思わず頬が緩んだ。

最近の新日フィルは弦のマスク着用率が約2割。
多くがNoMaskなのは見ていても気持ちいい。
Vn2首席はN響大宮君の客演。


♪2022-068/♪すみだトリフォニーホール-04

2021年8月24日火曜日

ランチタイムコンサート バイオリンとハープが織りなす51絃の調べ

2021-08-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール


奥村愛:Vn
山宮るり子:Hrp

エルガー:愛のあいさつ
パッヘルベル(山下康介編):カノン
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲
ジョプリン:エンターテイナー
加藤昌則:ケルト・スピリッツ
ピアソラ:「タンゴの歴史」から「ナイトクラブ」
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
----アンコール-------------
ファリャ:「7つのスペイン民謡」より カンシオン

「バイオリンとハープが織りなす51弦の調べ」〜とはあまり意味のないキャッチ・コピーだが、お陰でハープの弦は赤穂浪士と同じ数だと覚えた。


軽く短い名曲ばかり。

「ルーマニア民俗舞曲」はいろんな楽器の組合わせがあるが初めて聴く今日の組合わせも楽しめた。


加藤昌則「ケルト・スピリッツ」はケルト地域の民謡等を集めたものだが、郷愁溢れてこちらもとても良し。


その冒頭にサイモンとガーファンクルの「スカボロー・フェア」が登場する。彼らのオリジナルかと今日まで思っていたが英国の古謡なんだ。


Youtubeで彼女たちの「ケルト・スピリッツ」を発見!

https://youtu.be/KuQumVLKpvs


♪2021-086/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-27

2020年2月1日土曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第74回

2020-02-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ヘルムート・ライヒェル・シルヴァ:指揮
東京交響楽団

エリック・ミヤシロ:トランペット*
ラファエロ・アギーレ:ギター**

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
天野正道:ウナ・オベルテューラ・エスパニョール・ファルサ
「エル・ジャルダン・デ・ロス・レクエルドス」(管弦楽版初演)*
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲**
ファリャ:バレエ「三角帽子」第2組曲
-----------------
スタンリー・マイヤーズ:映画「ディア・ハンター」から”カヴェティーナ”**
ファリャ:「はかなき人生」から”スペイン舞曲第1番”

定期演奏会とは思えないような短編盛合せだがテーマはスペイン。この熱い国の音楽はなぜか楽しめる。賑やかな中にもセンチメンタルが漂うからか。

いずれの作品も満足度が高かったが、天野正道作の、元は吹奏楽の為に作ったという無闇と長いタイトルの管弦楽版初演が傑作だった。

似非スペイン風序曲・らしいが、全篇スペイン音楽のエッセンス〜既聴感ある旋律で構成されているが、トランペット協奏曲風でもあり、エリック・ミヤシロによる<かつて聴いたことのない超絶ハイトーン>がけたたましくホールの空気を震わせたが、聴衆の心も確実に震わせた。

アランフェスでは集音マイクにモニターを兼ねた小さなSPが舞台上に置かれた。
このPA装置の絶妙な音量調整がすばらしい。
まるでアコースティックな音としか思えず、しっかりと爪弾きも聴こえ興を損ねることはない。
アランフェスで満足できたのはホンに久しぶりだ。

♪2020-013/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03

2019年9月2日月曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 〜「カリスマ・バイオリニスト at みなとみらい」 石田泰尚 バイオリン・リサイタル

2019-09-02 @みなとみらいホール


石田泰尚:バイオリン
中島剛:ピアノ

スメタナ:「わが故郷より」
 第1曲イ長調
 第2曲と短調
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:クープランのスタイルによる才たけた貴婦人/道化役者
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番(歌劇「はかなき人生」から)
ピアソラ:アディオス・ノニーノ
     フラカナーパ
     天使のミロンガ
     現代のコンサート
     ル・グラン・タンゴ 
--------------
クライスラー:愛の悲しみ
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
ハムリッシ:映画「追憶」のテーマ
シュニトケ:タンゴ
ピアソラ:リベルタンゴ
プッチーニ:誰も寝てはならぬ

超売れっ子の石田泰尚!神奈川フィルの名物コン・マスでもあるが、最近は独奏・室内楽で予定が目白押しだ。人気があるからいつもほぼ満席。今日も大入り袋が出ただろう。

石田兄やんのバイオリンは強面ぶった外見と正反対で、実に繊細で美しい。ほぼ1曲ごとに調弦するのも美音への拘りか。多少は照れ隠しもあるな。ホンに照れ屋なのでおかしいくらいだ。

石田・中島のコンビのリサイタルは3年前に同じみなとみらいホールで聴いた。その時もフランクのソナタを演奏した。2人ともお気に入りなのだろう。僕もバイオリン・ソナタの中では大好きなものの一つだから、これが聴けたのは良かった。

最近、石田がよく弾くピアソラは特殊奏法も交えて面白い。だんだんと自家薬籠中のものにしているようだ。

ピアソラ5連発の後は、アンコール5曲もサービス。アンコールでは2回も衣装を変えてこれも観客の拍手喝采を受けていた。
何しろご婦人方には格別の人気者なのだ。

ともかく、美しい音色で名曲をたっぷり聴いて大満足!

♪2019-131/♪みなとみらいホール-36

2019年7月30日火曜日

フェスタサマーミューザ2019 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ≪名ギタリストも参戦のスペイン・プロ≫

2019-07-30 @ミューザ川崎シンフォニーホール


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

渡辺香津美:ギター*

ボッケリーニ(ベリオ編曲):マドリードの夜警隊の行進
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲、第2組曲
-アンコール--------------------
ビゼー:「カルメン」からトレアドール

一昨日の新日フィルがロシアもの、昨日の都響がイタリアもの、に続いて今日の神奈川フィルはスペイン尽くし。

ギーターの「アランフェス協奏曲」ではジャズギターの大御所・渡辺香津美のソロ。ギターはフル・アコースティック・ギターで臨むと書いてあったが、実際に使われたのは、フル・アコースティックタイプのエレキギターで、足元にアンプとスピーカーを置いていた。ジャズの世界では電気拡声するものでもアコースティックというらしいが、世間の常識とは違うようだ。
電気増幅しているので、音は大きくて、オーケストラにかき消されることはなかったが、なにしろピックを使う奏法なので、いくら名人でも5本指にはかなわないか、拍の間の細かいフレーズが潰れた感じでだった。やはり、クラシックギターで聴きたいね。

オーケストラとしての白眉は当然「三角帽子」で、これはメリハリつけた熱演だった。弦14型でも十分迫力があり、かつ纏まりが良かった。
また、このフェスタサマーミューザにはどのオケも主力コンマスを出しているが神奈川フィルは石田・﨑谷2人を投入。この2人がトップに並んで競うように、時に腰を浮かせてバリバリ弾きまくる姿にも一種の感動があり。
N響名物コンサートマスターのマロ氏の息子氏(今春入団)も気合の入ったティンパニーで盛り上げた。

昨日の都響よりも良い出来だったなあ。

♪2019-111/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2019年6月2日日曜日

N響 横須賀公演

2019-06-01 @横須賀芸術劇場


ジュゼップ・ポンス:指揮
NHK交響楽団

南紫音:バイオリン*


ファリャ:歌劇「はかない人生」から間奏曲とスペイン舞曲
ラロ:スペイン交響曲 ニ短調 Op.21*
ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」 第2部
ラヴェル:ボレロ
-----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第1番から「サラバンド」*



スペイン人又はスペインゆかりのフランス人作曲家による近代スパーニッシュ音楽特集。
どの作品もお馴染みで本来ならとても楽しめるはずだったが、大いにガッカリした。
第一声?からしてこれは一流オケの音ではないと思ったが、最後まで変化無し。

メンバーはレギュラーと予備軍(があるのかどうか知らないが、見知らぬ顔もチラホラ。コンマスも神奈川フィルの﨑谷直人の客演だった。)?との混成という感じだったが、音が悪いのはオケのせいでは無い。
サントリーで言えば一階大理石壁後ろの中央という良席で聴いたから席のせいでもない。

明らかにホールの音響がなっていない。
残響もえらく短いがそれだけでもなさそうだ。
弦楽器の共鳴が聴こえてこない。シンフォニック(交響的)ではないのだ。
管もまったく美しくない。
管弦混ざると無惨な響きに。
終始ガサついて聴き苦しかった。

ヨーロッパのオペラハウスのようにも見えるが、おそらく全体が安普請なのだろう。同じ安普請でもカルッツかわさきの方が音は美しくないけどまとまりがあり迫力がある。

横須賀藝術劇場大ホールは、音の流れが制御できていないのだろう。奇しくも池袋の東京藝劇も音の伝播が悪いが、横須賀ほど酷いホールは初めてだ。

N響の演奏もずいぶん聴いているが、史上最悪の演奏になってしまった。

もっとも、音の響きに関してはオケのせいではないのだけど、演奏もがっかりさせるところはあった。「ボレロ」のソロで管楽器が2種類、音を外した。これもN響とは思えない失態だった。


♪2019-073/♪横須賀芸術劇場-01

2018年1月8日月曜日

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017後期 「情熱のチェロ」 宮田大 チェロ・リサイタル

2018-01-08 @ミューザ川崎シンフォニーホール


宮田大:チェロ
ジュリアン・ジュルネ:ピアノ

カサド:愛の言葉
ベートーベン:モーツァルト「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲変ホ長調 WoO46
ファリャ:スペイン民謡組曲(M.マレシャルによるチェロとピアノ用編曲全6曲)
同   :バレエ音楽「恋は魔術師」(小林幸太郎によるチェロとピアノ用編曲全7曲)
ピアソラ:リベルタンゴ(伊賀拓郎によるチェロとピアノ用編曲)
カプースチン:チェロ・ソナタ第2番 作品84
-----------------
フォーレ:夢のあとに
久石譲:おくりびと
カプースチン:ブルレスク

今年最初のコンサートだ。宮田大も今年最初のコンサートだと言っていた。聴く方も演奏する方も、松の内が過ぎていよいよ本格始動だ。

日本人チェリストの中で、宮田大は各オケの定期でチェロ協奏曲のソリストとして聴く機会が多いので、そのチェロの音色の美しさをいつも楽しみながら聴いている。
今回は、リサイタル形式で、こういう形で聴くのは初めてだ。
しかも、ミューザのアフタヌーン・コンサートのシリーズでは室内楽などの小規模音楽を聴くには絶好の席を確保しているので一層期待が大きい。

今日のプログラムはベートーベンからカプースチンまで幅が広い。
時間的には19世紀から21世紀まで。
空間的には、ドイツ音楽から、カサド、ファリャ(スペイン人)、ピアソラ(アルゼンチン人)といったラテン系の音楽にカプースチンは今なお現役のウクライナの作曲家だ。
音楽形式では古典的な変奏曲、フラメンコ風な民謡やバレエ音楽、タンゴ、そしてクラシック音楽の形を借りたジャズ。
…と、実に多彩な構成だ。宮田も冒頭観客に向かって「チェロという楽器の魅力を十分に味わってほしい。」と言っていたが、まさにチェロ音楽小百科というべきか。

そしていずれも楽しめた。やはり音がいい。ホンの近くでチェロに正対する席なので、まるで自分のために弾いてくれているようなものだ。時にヤニが飛ぶようなギリギリ、ブルブルと低弦が震えるかと思うと、最弱音の高域のハーモニクスまでそれぞれに美しい。

しかも、一曲入魂。1曲弾き終える毎に袖に引っ込んだが、相当汗をかいていたから顔を拭ったり水分補給したりしていたのだろう。

今日は、ロビーに録画のカメラが入るという掲示があり、ホール内の1階上手最後列の後ろと舞台後方のオルガンの下手にビデオカメラが備えられていた。内容は分からないけど宮田大のドキュメンタリーを制作するらしい。そういうこともあったのだろうが、まさに全篇、全力投球という感じで、実に満腹感を味わえる2時間だった。
アンコールも3曲弾いてくれたが、中でもフォーレの「夢のあとに」は大好きで、大昔、自分でもチェロを弾いていた時、原調ハ短調では高くて(♭♭♭も苦手)、イ短調に移調して弾いたものだ。元は声楽で、器楽編曲ではバイオリンもあるが、やはりこれはチェロの哀愁を帯びた音色の方が似合っていると思う。

♪2018-001/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-01

2017年5月27日土曜日

読響第96回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2017-05-27 @みなとみらいホール


尾高忠明:指揮
読売日本交響楽団
グザヴィエ・ドゥ・メストレ:ハープ*

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ハープ版)*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
---------------
アンコール
ファリャ:「はかなき人生」からスペイン舞曲第1番*

遅刻していったので芥川作は聴けなかった。
アランフェス協奏曲は、珍しいことにオリジナルのギターに代わってハープが独奏だ。ハープと言えばアルペジオかグリッサンドと決まっている風だが、今回は当然ギターぽく演奏するので超大型ギターの如し。ハープにこんな音も出たのかと驚く。

ブラ1に関しては、ちょうど先週同じ場所でインキネン+日フィルで聴いたばかりで、その際の冒頭の溢れ出さんばかりの切迫感を聴かせるリズムに比べると、尾高師のテンポは熟成した正統派の貫禄を見せた。好みは前者だけど、こちらが本物かも。

ところで、ブラームスの4つの交響曲について、鑑賞記録を残している2013年以降で演奏会で聴いた回数を数えてみたら1番6回、2番10回、3番、4番各1回だ。全体の半数以上を2番が占めている。3、4番も名曲なのにオケはどうして取り上げてくれないのだろ。

♪2017-093/♪みなとみらいホール-22

2017年5月5日金曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017 No.232 〜バイオリン&ピアノ・デュオ

2017-05-05 @東京国際フォーラムB5


テディ・パパヴラミ :バイオリン
フランソワ=フレデリック・ギィ:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24「春」
ファリャ:スペイン民謡組曲
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲

名人でも生演奏では少々のミスは生ずるものだ。
今回はバイオリンの発音に何カ所かの不調を感じた。

で正直なところ「春」にはあまり惹かれなかった。
しかし、後半の2つの異国情緒はとても楽しめた。


♪2017-72/♪東京国際フォーラム-05

2016年10月14日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2016後期 ≪ウィーンの薫り≫ ヘーデンボルク・直樹 チェロ・リサイタル

2016-10-14 @みなとみらいホール


ヘーデンボルク・直樹:チェロ
佐藤朋子:ピアノ

ベートーベン:魔笛「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 WoO.46
同:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
ドビュッシー:美しき夕暮れ
フォーレ:エレジー Op.24
エンリケ・グラナドス:「12のスペイン舞曲」から「アンダルーサ」
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
ファリャ:「恋は魔術師」から「火祭の踊り」
黛敏郎:文楽(無伴奏)
チャイコフスキー:感傷的なワルツ
シューベルト:即興曲D899から第3曲
-------------
アンコール
サン=サーンス:白鳥

「みなとみらいアフタヌーンコンサート」シリーズとしてまとめてチケットを買ったので、この人の演奏を聴きたくて選んだ訳じゃないけど、数日前にこのシリーズのパンフレットを見たら、ウィーン・フィルのチェリストだと書いてある。
改めて、9日にミューザで聴いたウィーン・フィルコンサートのプログラムを調べると、チェロのメンバー表の中にBernhard Hedenborg の名前を発見した。
本人はザルツブルクの出身だが、お母さんが日本人なので、正式にはNaokiも含まれるのだろうけど、長すぎて日本での活動ではヘーデンボルク・直樹、国際的にはBernhard Hedenborgと表記しているようだ。

昨日の、「アンサンブル de ヨコハマ演奏会」では、藤原真理さんのほかにウィーン・フィル首席ファゴット奏者のシュテパン・トゥルノフスキーが客演したが、この人の名前もウィーン・フィルのメンバー表にはちゃんと出ていた。

すると、9日のミューザでは2人共並んでいたのだな、記憶はないけど。

こんな風に、オケの来日に合わせて、各メンバーもあちこちのコンサートに招聘されているようだ。さすがはウィーン・フィルの看板を背負っているだけはある。いや、それに実力もなかなかのものだ。

さて、初めて聴いたヘーデンボルク・直樹のチェロは、まず、音の美しさに惹かれた。優しい音だ。藤原真理さんの音と甲乙告げ難いが、敢えて付けるとなると、これは好みだが、真理さんの甘い音色がいいかな。

直樹氏のチェロはとにかく優しい。
音色だけでなく弾き方も実に繊細だ。
今回はベートーベンの2曲を除けばいわゆるアンコールピースのような小品の名曲ばかりだったので、彼の音色・弾き方がぴったり来るものが多かった。特にチャイコフスキーの「感傷的なワルツ」やアンコールで弾いた「白鳥」など実に美しく仕上がっている。

しかし、ラテン系のグラナドスやファリャではもう少しガリガリと弾いて脂が飛ぶくらいの激しさを聴かせてほしかった。

♪2016-141/♪みなとみらいホール-37

2016年5月5日木曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016 No.314 四季をめぐる旅〜ライプツィヒの春・アンダルシアの夏の夜

2016-05-05 @東京国際フォーラムA


マールトン・ラーツ:指揮
ハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団
ルイス=フェルナンド・ペレス:ピアノ*

シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 op.38「春」
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」*
------------------
アンコール
ファリャ:火祭の踊り*


シューマンの交響曲第1番。短く悲惨な人生の中では好調期の作品だが、「春」の明るさに満ちているとも言い難く陽性の中に翳りを感じてしまうが、そこがシューマンの味だな。

ファリャの交響的印象「スペインの庭の夜」は初聴きだった。ピアノ協奏曲風だ。ファリャの他の作品から予想していた音楽とはだいぶ異なって、重苦しく憂鬱な感じがずっと続く(約25分)ので、あまり楽しめなかった。

むしろ、ルイス=フェルナンド・ペレスがアンコールとして弾いた、同じくファリャの作品でピアノ曲「火祭りの踊り」が熱演!

これもホールAだったが、1階席19列はちょうどいい感じだった。


♪2016-62/♪東京国際フォーラム-11

2015年9月18日金曜日

音楽堂建築見学会vol.8「1950年代の建築の輝き」 自由な視点で音楽堂の歴史と建築の魅力を再発見 藤原真理ミニコンサート付き♪

2015-09-18 @県立音楽堂


青木淳(建築家)
松隈洋(建築史家・京都工芸繊維大学教授)
水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)
--------------------------------
藤原真理:チェロ
倉戸テル:ピアノ*

・G.カサド: 「親愛の言葉」
・J.S.バッハ:「無伴奏チェロ組曲 第1番」から前奏曲 BWV.1007
・J.S.バッハ:「主よ、人の望みの喜びよ」 BWV.147
・ファリャ:「6つのスペイン民謡」より ホタ
-------------------
アンコール
・J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV.1056から第2楽章「アリオーソ」
・サン・サーンス:白鳥


県立音楽堂は昨年還暦を迎えたが、確か、その前年?から「音楽堂建築見学会」が開催されていたようだが、全然気が付かなかった。
同種の催しには一度参加したが、建築と音楽の関係が論じられたけど、僕の関心である音響的特性については触れられなかった。

今回も同様だったが、改めて設計者前川國男の設計思想の片鱗に触れて、なるほど建築設計というのは奥の深い世界だな、と感心できたのは良かった。

さて、今回の楽しみは、建築学レクチャーの後のミニコンサートだ。過去7回の音楽家ゲストには仲道郁代、吉野直子など錚々たる顔ぶれで、今回は藤原真理さんだ。

僕にとっては、重要人物だ。
初めて買ったバッハの無伴奏チェロ組曲のCDは彼女の演奏で、多分25年前だ(今は新録音のほかにこの古いCDの復刻版?も出ているようだけど)。擦り切れんばかりに繰り返し聴いたので、バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、彼女のフレージングやアーティキュレーションがこびりついている。
その後、御大カザルス、ミーシャ・マイスキー、ジャン・ワン、鈴木秀美を入手したが、いつも基本は(カザルスではなく!)藤原真理だ。
ほかの演奏家がつまらない訳では決してないけど、誰を聴いても、あ、ここがちょっと違う…などと感じてしまう。藤原真理の演奏は僕にとってメートル原器ならぬ、バッハ無伴奏原器になっているのだ。

そんなに長く親しんできたのに、ナマを聴いたことがなかった。ご本尊を拝顔する機会がなかった。
それがこんな建築学講義のオマケのような形で機会を得るとは思わなかったが、むしろ、このような形であって良かった。

指定席だが、予約開始とともにチケットを買ったのでセンター前から5列目という室内楽やソロには絶好(かどうかは人それぞれ。)と思っている席を確保できた。

舞台に登場した藤原真理さん、なんて小さいの。CDジャケットしか見ていないから、まあ、四半世紀分の歴史を背負っておられるのは致し方無いとしても、こんなに小さい人だとは思わなかったからびっくりした。チェロが大きいのだ。
それにほとんど、スッピン?スーパーから買い物をして出てきたおばちゃんの風情だ。笑顔も気取りのない気さくな感じだ。

最初の音でよく響くチェロだと思ったが、彼女のチェロはクレモナで300年以上前に制作されたものだそうだ。製作者については言及がなかった。

2曲め以降は彼女の解説入りで、それも曲目の説明というより、楽器の特性、木の大切さ、そのための環境保護などが中心で、さらに希望する観客(20名位)を舞台に上げてチェロの音がエンドピンを通じて音楽堂の舞台の床にどう伝わるかを体感させたり、客席前方で聴いていたお客に良ければホールの後方に移動して、前でも後ろでも音響に変わりがなく響くはず…だということを体感させた。
僕の列はほとんどが後ろに行ってしまったが、僕は断固自分の席を死守した。動きたくないほど美しい音だったし、最後までそばで聴いていたかったから。

藤原真理さん曰く、「良いホールで良い楽器を良い演奏者が鳴らせば、一番後ろでも良い音で響くはずです」。
まさにそのとおりで、音楽堂の1フロア、全面板張り、コンパクトなホールの音の通りの良さは確かにあまり場所を選ばないことはよく知っている(でも、微妙な違いを感ずる演奏もある!)。

音楽堂は、残響が短いので、下手な演奏、好ましくない楽器ではガサガサと原音が耳障りになる場合がある。

しかし、今日の藤原真理さんの、良い楽器と良い演奏のコンビでは実に妙なる音を音楽堂が響かせるということを改めて体感できた。
彼女の弾くチェロの音は、弦の振動で脂が粉となって飛んでゆく時の、摩擦音が楽音に変化する微妙な両者の共存が聴かせる豊かな音色だ。
チェロの、これほど美しい音を聴いたことは今までになかった。


余談:
前川國男は世界的権威であるル・コルビュジェ(国立西洋美術館の設計者)らに学び、その影響を受けて、戦後の日本の建築界をリードした存在だ。
DOCOMOMO Japanが最初に優れた近代建築20選を定めた際に、前川國男設計の県立音楽堂と音楽堂に隣接する県立図書館が選ばれている。ほかにも、京都会館、東京文化会館(そういえば両者は感じがよく似ているな。)、国立国会図書館、神奈川県青少年センター、紀伊国屋書店新宿店、東京都美術館、東京海上日動ビルディング本館など有名な建築が多い。今では丹下健三のほうが有名だが、彼は前川事務所の出身だ。


♪2015-87/♪県立音楽堂-10