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2025年6月18日水曜日

石田泰尚プロデュース サロンdeストリングスVol.1

2025-06-18 @みなとみらいホール



大宮臨太郎:バイオリン v
大宮理人:チェロ c
松岡あさひ:ピアノ p
------------------------------------
石田泰尚:バイオリン(特別出演)*


J.S.バッハ:<インヴェンション>から vc
クライスラー:シンコペーション vp
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲 vp
サン=サーンス:く動物の謝肉祭>から白鳥 cp
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番二短調 Op.49 vcp
------Enc--------------------
ロック(タイトル不詳)





みなとみらいホール第3代プロデューサーに就いた石田泰尚がプロデュースする弦楽合奏シリーズの1回目。といっても本人が出演するわけではない。

Pfトリオは石田組の3人だが、冒頭、シャイでおしゃべり苦手な石田があいさつとコンセプトをメモを読み上げて引き上げた。

中身は普通のピアノトリオのリサイタル。
2人ずつの組合わせで小品がまずは演奏され、メインはメン・トリだった。
大好物だが、物足りなかった。Vcがあまりにおとなしくて気分が乗らない。せめて終楽章、ガリガリ、ブリブリヤニを飛ばしてくれたら気持ちも治ったろうが、美しいだけでは良くないよ。

さて、本篇が終わって70分。既に予定は10分超過。
しかし、組長が来ているので出てこない訳にもゆくまい、と思っていたが、果たして、Encは全員上着を脱いだら、石田組のシャツだ。客席は大いに盛り上がって、何と言ったか忘れたが、ロックを演奏したが、面白くもない。

石田組は22年の5回公演を聴いて、客席の居心地が悪く世界が違うと思ったので、それ以降聴いていない。今回は、石田組ではなく、組長抜きの弦楽アンサンブルを楽しむつもりでセット券を買ったが、やはり、完売の客席は、もうおばさんばかりだし、メン・トリの1楽章の後に拍手が入るなど、まあ、和気藹々かよ。

臨太郎氏など、才能のある人だと思うけど、石田組なんかで遊んでいていいのかと心配するよ。

いやはや余計なことだけど。


♪2025-082/♪みなとみらいホール-15

2025年6月14日土曜日

神奈川フィル クローズアップコンサートinかなっく


2025-06-14 @かなっくホール




[第一部]
Vn1東亮汰
Vn2桜田悟
Va池辺真帆
Vc長南牧人
◆ボロディン:弦楽四重奏曲第2番二長調

[第二部」
SoloVn東亮汰
Vn1横山琴子
Vn2桜田悟
Va池辺真帆
Vc長南牧人
◆ビバルディ:四季メドレー
◆シューマン(萩森英明編):子供の情景 作品15〜第7曲:トロイメライ
◆ドボルザーク(クライスラー編):我が母の教え給し歌
◆エルガー:愛の挨拶 作品12
◆シャミナード:スペイン風セレナーデ
◆クライスラー:前奏曲とアレグロ
◆エンニオ・モリコーネ(萩森英明編):ニュー・シネマ・パラダイス(愛のテーマ)
◆J.ウィリアムズ:シンドラーのリストから「追憶」
--------------------------
モンティ:チャールダーシュ


東くん(中学2年)を初めて聴いた時のポスター

神奈川フィルのメンバーによる室内楽@かなっくは”ブランチ”ハーモニーと銘打ったシリーズが3年ほど続いていたように思うけど、なぜか、今年度から”クローズアップ〜”に変わったらしい。尤も第2回目は予定されているとは聞かないから、今回で立ち消えになるかもしれない。

なので、今後も定着するかどうかは分からないけど、今回は、神奈川フィルの弦4人にゲストとして東(ひがし)亮太クンが加わった。

前半は、彼がVn1を受け持つSQでボロディンの2番。
後半は、彼がSQをバックにSoloを受け持つポピュラー名曲集。

前半は、どうもしっくりこなかった。冒頭の旋律はVn2以下の3本で奏でられるが、その部分が分解しそうな気がしてたよ。Vn1が入ってからはだいぶ軌道に乗ってきたが、最初の不信感は長く尾を引いたな。

後半は、普段はPf伴奏の部分をSQに編曲し直した名曲集だが、こちらはとても良かった。東クンのVnが実に明瞭で美しい。バックに徹した感のあるSQの方も良い調和を見せていた。この5人の弦の響がとてもいい。

そこに感心しながら、満足して聴き終えた。

「雨の日はホールが良く鳴る」というみつばちの法則がピッタリ当たった。

♪2025-078/♪かなっくホール-08

2024年9月19日木曜日

MINAMI バイオリン・リサイタル

2024-09-19 @王子ホール



MINAMI:バイオリン(吉田南)
大伏啓太:ピアノ

ドボルザーク:ソナチネト長調 Op.100,B.183
ヒンデミット:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.11-1
コルンゴルト:組曲「から騒ぎ」Op.11
シベリウス:5つの小品 Op.81から
「マズルカ」「ロンディーノ」「ワルツ」
ベートーベン:バイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47「クロイツェル」
------------------------
リヒャルト・ワーグナー:アルバムの綴りイ長調(ロマンス)
クライスラー:ドボルザークの主題による「スラブ幻想曲」






随分久しぶりの王子ホール。改修後は今日が初めて。
とても音がいいのに吃驚。
あんな見事なスタインウェイを聴いたのはこれまでなかったかも。雨上がりというのも功を奏したかもしれないのだけど。

Vnもストラディの魅力を発揮して、手指
腕が楽器と一体となって、奏者の息遣いも聴こえてくる感じ。こういうのが、「音を楽しむ」喜びだよ。

変わったプログラムでベト9番とシベの1曲以外は初聴きだったけど、音が美しいから、何でも気持ちよく聴けた。

♪2024-126/♪王子ホール-16

2024年6月28日金曜日

お仕事終わりに ワンコインコンサートVOL.1 〜箕輪安佑子 & 山本樹生〜

2024-06-28 @かなっくホール




箕輪安佑子:バイオリン
山本樹生:ピアノ

ラフマニノフ(クライスラー編):
 パガニーニの主題による狂詩曲第18変奏
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ
モーツァルト:バイオリンソナタ第18番ト長調 K.301
マスネ:タイスの瞑想曲
クライスラー:ドボルザークの主題によるスラヴ幻想曲
千と千尋の神隠しメドレー
ディズニーメドレー

:チャルダッシュ
------------------------
クライスラー編:ダニーボーイ



今季から始まった「ワンコインコンサート」。500円だ。
実は10年以上前にもこのシリーズがあって、大宮臨太郎くんとか日高剛名人のリサイタルなどを聴いたよ。

今日の奏者はVnもPfも初聴きだ。若い。
昨日、徳永二男のリサイタルを聴いたばかりで、重なる曲もあって、第2部を聴いているような感じがした。

昨日は大ホールだがかぶりつき。
今日も、小ホールでかぶりつき。
VnもPfもとても生々しく、特に最近のかなっくホールの響の良いこと!
「雨の日はホールが良く鳴る」の原則もドンピシャだったのかな。

Vn、Pfとも実に美しく上出来だった。

が、今日も、わずかに音程の甘さが気にはなったけど。

♪2024-093/♪かなっくホール-03

2024年5月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第20回「嗚呼、昭和のレトロ・クラシック!」

2024-05-25 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
松田理奈:バイオリン*
松下美奈子:ソプラノ**
池辺晋一郎:司会

【第1部】
スッペ:喜歌「軽騎兵」序曲
ケテルビー:ペルシャの市場にて
レハール:ワルツ「金と銀」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」から<第2幕への間奏曲>
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」から<時の踊り>

【第2部】
ヘンデル:歌劇「セルセ」から<オンブラ・マイ・フ>**
池辺晋一郎:大河ドラマ「黄金の日日」からテーマ
エルガー:愛のあいさつ*
クライスラー:中国の太鼓*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」から<モルダウ>
-------------------------------
オッヘンバック:喜歌劇「天国と地獄」から<カンカン>




クラシック音楽自体が、そもそもレトロで”クラシック”なのだから、今回の企画は”変”ではあるけど、確かに、平成以降ほぼ聴かなくなったような音楽もあったな。

加えて、前半の<時の踊り>以外の4曲はいずれも中・高時代に吹奏楽で演奏したものなので、実に懐かしかった。

昭和マニア?の沼さんと昭和の生き字引のようなダジャレの池辺さんによる漫談擬の話も面白くて、客席も舞台も大いに盛り上がった。

後半の選曲は特に<昭和>は無理があったね。トリを飾った「モルダウ」なんて神奈川フィルで3月に「我が祖国」全曲を聴いたばかりだけど、しかし、しみじみと美しい音楽だと思ったよ。

♪2024-073/♪県民ホール-2

2024年3月27日水曜日

中野りな&ルゥォ・ジャチン ヴァイオリン&ピアノ デュオ・リサイタル 2022年仙台国際音楽コンクール覇者の共演

2024-03-16 @フィリアホール



中野りな:バイオリン*
ルゥォ・ジャチン:ピアノ**

シマノフスキ:バイオリンとピアノのための3つの詩曲「神話」Op.30から第3番
シューマン:バイオリンソナタ第1番イ短調 Op.105
パガニーニ:ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第3番ニ短調「バラード」*
ショパン:バラード 第1番ト短調 op.23**
サン=サーンス:バイオリンソナタ第1番ニ短調 Op.75
--------------------
クライスラー:ウィーン奇想曲
*/**はソロ




昨秋、東フィルとの共演を聴いたお嬢さん。
今回は、2022年の仙台国際コンクールで共に優勝したピアノのL.ジャチンとのデュオリサイタル。

協奏曲もとても良かったが、やはり小ホールでかぶりついて聴くのは次元が違う面白さがある。

休憩の前後に、見ばえ聴きばえする超絶技巧を置いて、軽〜く圧倒して、サン=サーンスのソナタ第1番が白眉。

表情がよく見えたので、音楽を丁寧に形作ってゆく様を一体感を以て味わった気が。

まだ、19歳かな。
「清楚」がぴったり。慣れないステージングも好ましや。



♪2024-040/♪フィリアホール-04

2024年3月12日火曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ライナー・ホーネック&菊池洋子 デュオ・リサイタル 〜ウィーンの薫り〜

2024-03-12 @みなとみらいホール


ライナー・ホーネック:バイオリン
菊池洋子:ピアノ

モーツァルト:バイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.378
ブラームス:バイオリン・ソナタ第3番ニ短調op.108
--------------
~クライスラーとめぐる世界一周の旅~
《イタリア》前奏曲とアレグロ
《ドイツ》羊飼いのマドリガーレ
《チェコ》スラヴ幻想曲
《ハンガリー》ジプシー奇想曲
《フランス》ルイ13世のシャンソンとパヴァーヌ
《スペイン》スペイン舞曲
《中国》中国の太鼓
《アメリカ》シンコペーション
《ウィーン》ウィーン風狂騒的幻想曲
-----------------------
クライスラー:踊る人形
コルンゴルト:ガーデン・シーン ~組曲「空騒ぎ」から
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ



事前にプログラムを調べてゆかなかったので、会場で前半にソナタ2曲、後半にクライスラーの小品集という構成であると知って大いに違和感。前後反対じゃないの?という不審感から聴き始めたのは失敗だった。やはり、プログラムを承知しておくことはその日の音楽の聴き方・構え方に影響するよ。

軽妙なモーツァルトK.378にブラームスの内省的な3番が続くと、なんだか、気持ちが乗れなくて困った。

後半は、クライスラーだけで残り時間がもつのか?と思ったが、全9曲でピッタリ2時間。アンコールは4曲もあって、予定時間を遥かに超えた。

タイトルからは初聴きが多いなと思ったが、実際には知らずに聴いていた耳馴染みが多く、ヘーっ!これもクライスラーだったのか、と驚くこと頻り。

本編最後がウィーン風狂騒的幻想曲で、これは初聴きではないけど、とても珍しい。…と思っていたが、今日のNHKクラシック倶楽部のエマニュエル・チェクナヴォリアン(再放送)が取り上げていて、1日に2度聴くとは妙な暗合だった。

アンコールの最後は定番の「喜び」と「悲しみ」で締めたが、ここまでくると、やはり副題の「ウィーンの薫り」に大いに納得して、なるほどやはりクライスラーを後半に据えたのは正解だった。

♪2024-037/♪みなとみらいホール-08

2023年11月23日木曜日

読売日本交響楽団第130回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-11-23 @みなとみらいホール



小林資典:指揮
読売日本交響楽団
HIMARI:バイオリン*

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
クライスラー:ジプシーの女*
ワックスマン:カルメン幻想曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
--------------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第2番イ短調BWM1003 第3曲 アンダンテ*


「運命の力」の冒頭のブラスが何て美しいこと。続く弦がこれを台無しにしないでくれよ…と祈るような気持ち…が通じたか、透明度の高い響が重なって、とても良い出来。
読響の実力を感ずる。9月に続いて(10月は体調不良でパス)
横綱相撲のような安心感。

メインの耳タコ「幻想交響曲」もきめ細かくて迫力があって、管も弦も美しい。ハイレベルの職人仕事だ。こういう管弦楽をみなとみらいホールで聴く幸せ。

このところN響の不調(僕の耳で。)もあって、読響の方が実力があるんじゃないかとも思わせる。

しかし、間に挟んだ小ぶりの作品2曲はイマイチだった。
いずれも独奏バイオリンが妙技を発揮する協奏曲風なつくりで、ソリストは今年8月に初めて聴いた12歳のHIMARIくん。
短期間になぜか今日で3回目。
いずれの回も同じ感想。
まだ協奏曲(風)を演るには早過ぎる。
筋力や内臓の力も十分ではないのだろう。
名器を以ってしても音が弱い。
でも、あと5-6年もすれば、自身が大器に成長する予感はある。

今回もアンコールにバッハだったが、これは受け入れ難いよ、お嬢ちゃん!
「赤とんぼ」とか「ぞうさん」とかでいいんじゃないの。

『なぜか』は続く。
「運命の力」はなぜか今年4回目。
この4回中、今日の読響が最高の出来だった。

「幻想交響曲」に至ってはなぜか今年5回目。
大植+神奈川フィル、C.デュフレーヌ+東フィルと本日の読響が拮抗する。

これら2曲はいずれも名曲ではあるが、首都圏オケ連盟(があるかどうか知らないけど)で調整して、記念年以外は同じ作品は最高3回までで調整してほしいね。

♪2023-199/♪みなとみらいホール-42

2023年10月4日水曜日

神奈川フィル”ブランチ”ハーモニー② 〜 直江智沙子・バイオリンコンサート 〜 in かなっくホール

2023-10-04 @かなっくホール



直江智沙子:バイオリン
河野紘子:ピアノ
----------------------
榊原徹(司会/神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽主幹)

●エルガー:朝の歌 op.15-2
●クライスラー:Tenpo di Minuetto
●パラディス:シチリアーノ
●マスネ:タイスの瞑想曲
●フォスター:金髪のジェニー
●フランク:バイオリン ソナタ


直江智沙子は、神奈川フィル室内楽で何度も聴いているが、ソロは初めてだった。

自由席だというのに開演ギリギリに入ったが、前方の中央というのは案外空いているね。通路側を好む人が多いから。

な訳で3列目の真ん中で、ほぼかぶり付くように聴いた。
こういう器楽独奏・二重奏や室内楽の場合は、目の前でも抵抗がないよ。指が指板に当たる音、ヤニを飛ばすような低域の重音など、楽器本来の原音をそのまま聴くのも楽しい。

初めてのソロを聴いて、こんなに巧いんだと思った。
プロオケの首席奏者だものこれくらい当然なんだろうが。

このシリーズはMCがつくので、奏者へのインタビューも含まれる。この人が神奈川フィルに入団したのがいつか知らないけど、たぶん入団時からずっと演奏を聴いているのだと思うが、今日、初めて肉声を聞いた。

バイオリンを弾いている時の方が愛想がいいな。

♪2023-165/♪かなっくホール-14

2023年6月18日日曜日

篠崎史紀の公開レッスン&コンサート~ブラボー!未来の名手たち~

2023-06-18 @みどりアートパーク



篠崎史紀:バイオリン
小澤佳永:ピアノ

ドボルザーク:ユーモレスク
ドボルザーク:ソナチネ ト長調 Op.100
クライスラー:美しきロスマリン
       愛の悲しみ
       愛の喜び
ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形
レハール(篠崎史紀編):メリー・ウィドウ・ワルツ
ジーツィンスキー(篠崎史紀編):ウィーン我が夢の街



前半約1時間は小学生〜高校生5人のバイオリンレッスン。
低学年から順番で、最初は小学1年生が2人続いて、お世辞にも上手とは言えない。
小学3年、5年、高校1年生はそれなりに上手だが、まだまだ。
それが、マロさんがちょこっとアドバイスをすると、確実に音の流れが良くなり、音程も確かになった。緊張が解けたせいもあるだろうけど。

指遣いやボウイングには全く言及せず、専ら音楽の構成を教えて、そこに適当に作った物語を載せて、この人の気持ちで弾きなさい〜というような指導だが、子どもには効果覿面だなと感心した。

後半は、バイオリン小品集。

プログラムに曲目解説がなかった(あえて載せなかったのだと思う)から、と言って、各曲の説明をしてくれるのだけど、どうも、マロ製の大甘の物語もだいぶ混じっているみたいで面白く、その話を真に受けてから演奏を聴くとしみじみと心に沁みてくるのだから困った(いつもは小品だからと言って軽い気持ちで聴いている「愛の悲しみ」が今日程胸に迫ったことはなかった。)。

もちろん、演奏はもうベタベタ甘くて情緒たっぷり。他のクラシックコンサートではこんな弾き方はしない…と思う。
一種の遊びでもあったけど、客席には子ども連れも多く、こういう音楽への誘導は悪くないなと思った。

♪2023-109/♪みどりアートパーク-03

2023年3月3日金曜日

とつかスプリングコンサート2023 〜今年はスプリング!〜

2023-03-03 @さくらプラザホール



遠藤香奈子:Vn
遠藤和歌子:Pf

エルガー:愛の挨拶
作者不詳:さくらさくら
ショパン:繍習曲 作品10-12*
ベートーべン:ピアノとバイオリンのためのソナタ第5番「春」から第1楽章
サン=サーンス:死の舞踏
クライスラー:愛の悲しみ
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
サラサーテ: スペイン舞曲集第6番「サパテアード」
-----------
メンデルスゾーン:春の歌
*はPfソロ


横浜出身美形姉妹デュオ。地元戸塚でご近所さんが集まるat homeな演奏会。
以前は新年コンサートだったが、今年はスプリングコンサートだった。

で、プログラムは春に因んだものや愛のナントカなど、気恥ずかしいのが並んだが、正しく息の合った姉妹共演。

元々このホール、とても響きが良い。
そこでかぶりついて聴いたので、バイオリンもピアノもその生々しい音の艶やかなこと。

MCは主にお姉さんの香奈子さん。これが上手。
演奏家は口下手が多く、特に男性は格好つけようと滑るのが多い。

香奈子さんは、全く気取りがなく、人柄・人品の良さがそのままで好感。

彼女は都響の第2バイオリンの首席だ。
定期演奏会では、いつも笑顔で登壇してくる様子に癒される。
ひょんな事からやり取りをしたことがあるが、真摯で丁寧な応接に、いつも恐れ入っている。

僕はいつも口とんがらせてブーブー言っているが相手は身を強張らせる。
彼女はそのポカポカ陽気で旅人のマントを脱がす。

♪2023-039/♪さくらプラザホール-01

2022年10月5日水曜日

横浜18区コンサート 後期 石田泰尚(Vn) X 津田裕也(Pf)

2022-10-05 @戸塚公会堂


石田泰尚:バイオリン
津田裕也:ピアノ

ベートーべン:バイオリン・ソナタ第2番イ長調 op.12-2
ブラームス:F.A.E.ソナタ第3楽章
ブラームス:バイオリン・ソナタ第3番ニ短調 op.108
----------------
クライスラー:美しきロスマリン
クライスラー:愛の悲しみ
クライスラー:ベートーベンの主題によるロンディーノ





一昨日からの3日連続演奏会。個人的には中日が抜けたが今日で完結。
番組は同じくベートーベンとブラームスのバイオリン・ソナタ。

ベートーベンの方は普段聴く機会が少ない2番。
これがなかなか好ましい曲で、一昨日の6番といい味わい深い。
奇数番に偏りがちな趣味を正してくれたのが今回の収穫。

ブラームスは3番。冒頭の雪崩れ込んでくる哀感。結構いい。
石田泰尚はむしろベートーベン派かと思っていたが、1-3番と聴くと、やはりロマンチックなのが似合う。

石田組は”硬派”で売っているが、ご本人はむしろ”軟派”だよ。

アンコールは3曲。全てクライスラー「美しき…、愛の…」って、そりゃ軟派でしょう!

♪2022-143/♪戸塚公会堂-01

2022年10月3日月曜日

横浜18区コンサート 後期 石田泰尚(Vn) X 津田裕也(Pf)

2022-10-03 @サルビアホール


石田泰尚:バイオリン
津田裕也:ピアノ

ブラームス:F.A.E.ソナタ第3楽章
ブラームス:バイオリン・ソナタ第1番ト長調「雨の歌」op.78
ベートーべン:バイオリン・ソナタ第6番イ長調 op.30-1
----------------
クライスラー:ベートーベンの主題によるロンディーノ


今年の横浜18区コンサートは音祭りとダブった為か変則で、前期は弦楽五重奏+独奏楽器の組み合わせだったが、後期に至って同じ曲を3組が取り上げたり、1組が3公演をしたりと訳が分からない。

今日は、後者のクチで、今日から3日間にわたり、ベートーベンのバイオリン・ソナタ1曲とブラームスのF.A.E.ソナタ第3楽章(これは毎回)にバイオリン・ソナタ1曲ずつを演奏する。

クラシック音楽の王道というべきベートーベンとブラームスで3日間を通すなんて実に頼もしいが、生憎明日の分は別件ありで買わなかったが、ダブりでも間に合うと気づいた時は既に完売だった。

最近、石田泰尚は聴く機会が多いが、ベートーベンはともかく、ブラームスを聴くのはホンに久しぶり。

「雨の歌」は、いつものように拘りの美音で実に丁寧に音楽を紡いだ。見かけとのギャップ甚だ大なり。

ベートーベンは3日間で6-7-2番という珍しい選曲で、今日は6番。普段聴かないし、生では初めてだったかも。
モーツァルトとの共作みたいな可愛らしい音楽だったな。
アンコールは調弦を続けているのかと思っていたらバイオリンの2拍に続いて3拍目からピアノが入って音楽が始まっていた。おお、粋な!

♪2022-141/♪サルビアホール-02

2022年8月11日木曜日

フェスタサマーミューザ2022 東京交響楽団フィナーレコンサート ≪故郷はシェイクスピア、そして映画≫

2022-08-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール


原田慶太楼:指揮
東京交響楽団
バイオリン:岡本誠司*

コルンゴルト:組曲「から騒ぎ」から
 序曲
 花嫁の部屋の乙女
 ドグベリーとヴァ―ジェス
 間奏曲、仮面舞踏会(ホーンパイプ)
コルンゴルト:バイオリン協奏曲ニ長調*
武満徹:3つの映画音楽
 映画「ホゼー・トレス」から 訓練と休息の音楽
 映画「黒い雨」から 葬送の音楽
 映画「他人の顔」から ワルツ
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
  情景(第1組曲)
  少女ジュリエット(第2組曲)
  モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
 仮面(第1組曲)
 ロメオとジュリエット (第1組曲)
 タイボルトの死 (第1組曲)
 ジュリエットの死 (第3組曲)
------------------
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース*
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲から「朝の踊り」(第3組曲)



当初買うつもりがなかった最後の3公演では、そもそも良席は残っていなかったのを奇貨として予て試してみたい席を買った。
東響では3C最後列中央だ。
最初は4Cの最後列を考えたが、あまりに遠すぎるから断念。
しかし、結果的には3C最後列でもやはり遠かった。

オケ音楽の妙味は弦にある。その鋭い生音が互いに共鳴(正しくは共振?)してオブラートに包まれる響き。生音と反響音が適当に混ざり合うシンフォニー(交響的調和)。さらに、管弦の交わりが生む甘い響き。
それを聴きたい!その為の最良席をいつも求めている。

それは、経験上、ミューザでは2CB最前列辺りが限界かな。
だから普段は1C後列〜2CA4列目位迄の中央がMy指定席だ。

その辺で聴いている音質・響きと3C最後列で聴いた響きはだいぶ異なった。ぼんやりとした塊に聴こえて、画像で言えば画素数が少ない感じだ。やっぱり没入できる距離ではない。


閑話休題
FSMでは東響が地の利を生かして最初と最後の公演を受けもつが、フィナーレにしては曲数が多過ぎた。こうも細かいと祝祭感が出なかったな。

♪2022-118♪ミューザ川崎シンフォニーホール-031

2022年3月1日火曜日

横浜18区コンサート 第Ⅰ期 實川風×ハマのJACKメンバー(弦楽五重奏)

2022-03-01 @ひまわりの郷


ハマのJACKメンバー(弦楽五重奏)
 バイオリン:三又治彦、白井篤
 ビオラ:村松龍
 チェロ:海野幹雄
 コントラバス:松井理史

實川風:ピアノ*

J.シュトラウスII世:「こうもり」より“序曲”
レハール:メリー・ウィドウ・ワルツ“唇は語らずとも”
クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ
〜以上弦楽五重奏
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21(弦楽五重奏伴奏版)*
----アンコール------------
ショパン:マズルカ 変イ長調 Op50-2*


横浜18区コンサートの第5弾。弦楽五重奏団は”ハマのJACK”。

まずは小品3曲を五重奏で。

息を合わせることが仕事の集団の良い仕事ぶり。見事なアンサンブル。

今日は第1バイオリンを受け持った三又氏がマイクを握って、いつも内声ばかりなので(N響Vn2次席)、今日は美旋律を弾けて嬉しかった!と。





恒例の弦楽五重奏版協奏曲は、ピアノが實川風で、ショパンの2番。


この編成で聴く協奏曲は、何しろ贅肉というものがすっかり削ぎ落とされているので、全ての音に無駄がなく、聴き慣れた音楽を新しい響きで再確認できるのが面白い。


昨日、小林愛実でベートーベンのピアノ協奏曲第4番の名演を聴いた直後だが、聴き比べると(どちらかといえば古典派に近い曲を弾いた)小林の方が情感豊かで(ロマン派を弾いた)實川は情緒を抑えている感じ。

確かに小さな弦楽合奏を相手にねっちりコッテリでは釣り合わずピアノが浮いてしまうだろう。ピアノ六重奏曲風な味付けもすっきりして良いものだ。


昨日との一番の違いは音楽内容というより、ピアノの響きだ。ひまわりの郷はよく響く。だから、ピアノ本来の明るく、潤いのある響きで、音の抜けもよい。

この明瞭さで、昨日も聴きたかったよ。


♪2022-028/♪ひまわりの郷-01