2023年4月29日土曜日

横浜交響楽団 第723回定期演奏会 【ファミリーコンサート】

2023-04-29 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団

J.シュトラウスⅡ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
ルロイ・アンダーソン:ブルータンゴ
ルロイ・アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
ルロイ・アンダーソン:トランペット吹きの子守歌
ルロイ・アンダーソン:シンコペーティッド・クロック
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楽器紹介
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指揮者体験
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
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打楽器体験
J.シュトラウス:鍛冶屋のポルカ
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ビゼー:「アルルの女」からファランドール
ドボルザーク:交響曲第9番「新世界から」から第2楽章、第4楽章
------アンコール------------------------------
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲



今回は、子供向けプログラム。
前半はシュトラウスⅠ、Ⅱやルロイアンダーソンの作品が中心でトリッチ・トラッチ・ポルカやブルータンゴなど。

楽器紹介やの他子供たちが登壇して指揮者体験、打楽器体験等もあったが、もう少しレベルの高い体験を工夫できなかった?

横響のこのような取組みは、数年ぶりだったような気がするけど、子供たちに音楽の楽しさを伝えると同時に、音楽に触れる機会を提供する良い企画だと思う。

大人向きに、「ファランドール」や「新世界から」の抜粋も演奏されたが、もう少し整理したら「新世界から」の全曲を演奏できたと思う。個人的好みだけどこれを聴きたかったよ。

ともあれ、今日の演奏は、結構良い出来。特にポルカ、ファランドールなど、これと言った瑕疵も見当たらず、元気で華やかで楽しかった。

♪2023-072/♪県立音楽堂-05

2023年4月26日水曜日

第1982回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2023-04-26 @サントリーホール



パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
マリー・アンジュ・グッチ:ピアノ*

シベリウス:交響曲第4番イ短調 作品63
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32





ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」は今年4回目。ま、ラフマニノフ生誕150年だから。

他の2曲は初ものか…と思って聴いていたけど、違ったね。
シベリウス:交響曲第4番はシティ・フィルで、「フランチェスカ・ダ・リミニ」は都響で聴いていたけど、忘れていた。

この準初モノの2曲は、いずれも冒頭の低弦の力強く美しい響きに惹き込まれた。

特に、チェロ客演首席は元神奈川フィル首席の山脇氏で、12月のB定期以来2度目(あるいは僕が聴いていないC定期にも客演したのかもしれないが。)。
彼が美音でN響チェロ・グループを率いているのを聴くのは地元民として嬉しい。

「パガ狂」を弾いたグッチ女史は初聴き。珍しくプログラムに生年が書いてあって、97年生まれというから26歳くらい。
写真では田舎の娘さんという感じだったが、実物は、やはり野暮ったいけど可愛らしい。
何度もカーテンコールに呼ばれたのにアンコールはなかった。
演奏の方は問題なしだけどさほど感銘もなかった。
今年聴いた4回の中では上原彩子がベスト!

余談:ロダン「接吻」の原題は「フランチェスカ・ダ・リミニ」だそうな。吃驚!

♪2023-071/♪サントリーホール-10

東京都交響楽団 第974回 定期演奏会Cシリーズ

2023-04-26 @東京芸術劇場大ホール



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
金川真弓:バイオリン*

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」



連続9ヒットの金川真弓が目当てだったが、10回目は残念な結果に終わった。

彼女や都響に何の問題はなかった。
良い演奏だったように思うが気が散って集中できなかった。

都響Cは会員ではないので、一回券を買った。

この会に限って珍しく連席が必要だったがお気に入りエリアで席が無く、左翼一桁列後方を買った。

TuttiではVn1がシャリシャリ。上手のVaはよく聴こえない。
第一、独奏Vnがイマイチ迫ってこない。

音のバランスだけではなく、見ている景色が普段と違うとかくも入魂できないのかと驚く。

右翼・左翼でも(せめて中央より後方列なら)慣れたら、それが自然に聴こえるのかもしれないが、個人的には、コンマスの背中を見るような席はノーサンキュー。正面に指揮者の背中を見たい。

♪2023-070/♪東京芸術劇場大ホール-01

2023年4月23日日曜日

読売日本交響楽団第125回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-04-23 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
青木尚佳:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
----ENC----------------
イザイ:無伴奏ソナタ第4番第3楽章*





「メンコン」も「巨人」も頻繁に聴いているので、1公演にこの両者が組み合わされる事も過去に読響を含め3回。今回が4回目。
かくも数多く聴いていると余程の”出来”じゃなければ”感心”もできない。
結論を言えば、今日の2本立て。いずれも”残念賞”だった。

どうしてか、を考えるのも面倒なので直感的に言えば、「メンコン」についてはさらりと綺麗なだけで、ワクワクさせるものがなかった。
最近ではレイ・チェン+スラットキン+N響や、少し遡るが、辻彩奈+大友直人+都響では翻弄される快感を味わった。

「巨人」も惹き込まれなかった。
マーラーの作品中、巨人はダントツに聴く機会が多いので十分に馴染んでいるし、名演に遭遇した時の快感を何度も経験している。
Pヤルヴィ+N響、エストラーダ+hr響、コバケン+日フィルなど。

にもかかわらず今日のコバケンのテンポ感は面白くない。
もたつきあり。

とは言っても、遅すぎるという訳ではない。実測で55分。平均的だ。

最初に素材のかけらを「小出し」にして、徐々に回収して歌に繋げるという作品では、この「小出し」の不安感や緊張感がやがてカタルシスを生むのだが、反面「小出し」故の散逸感が緊張感に勝ると音楽に入ってゆけなくなる。
今日はそんな感じだった。

ラスト。
ホルン7本の立奏は作者の指示だそうだが、コバケンは日フィルで演った時もホルンの他にトランペットとトロンボーンも立たせた。今回も予期したとおりの展開で驚かない。
17人の立奏は見栄えだけだ。音に関係ない。音楽外の外連だ。マーラーの変な趣味だ。

第2ティンパニーは神奈川フィルの篠崎くん。
第1バイオリンの次席(コンマスの隣)は葵トリオの小川響子だった。トロンボーンにも客演がいたような…。




終演後はみなとみらいを徒歩で帰宅。
読響のトラックが楽屋口に居るのはいつもの光景だが、2両連結のバスが走っていた。これは珍しい。これまで昼間に見たことがなかったから。

♪2023-069/♪みなとみらいホール-16

2023年4月22日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第386回横浜定期演奏会

2023-04-22 @みなとみらいホール



原田慶太楼:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*

ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104 B.191*
吉松隆:交響曲第6番「鳥と天使たち」 op.113
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アルバニア伝承曲:美しきモレアよ*





今日のマチネは不覚にも寝てしまったので、帰宅後仮眠をとってソワレに挑戦。
もう、体調も回復していたが、それより寝ているどころじゃなった。

ドボコンは聴く機会は多いのになかなか”お見事”な演奏に出くわさない。チェロとオケの音量バランスが悩みの種で、みなとみらいHのようによく鳴る会場でも、物足りなさを感ずる。

第1楽章が終わった時にファゴットが楽器の不調で退出。
そこでなんとソッリマが独奏を始めた。
抒情的な調べで、コンマスに指示して即興で?第1バイオリンとビオラだったかな?バックを付けた。といっても単音を伸ばしていただけ。

その後、今度はソッリマ独奏でモダンな曲を弾き始めた。
この2曲がなんという曲か分からない。1曲目なんか、ほんの思いつきで即興的に自作した感じ。2曲目も自作ではなかったか?

ようやくファゴットが戻って、第2楽章が始まった。
余興が面白かったか、その後はオケもソッリマも吹っ切れた感じで快調だった。

全曲を弾き終えた後、再度、アンコールを演奏した。
アルバニアの伝承曲らしいが、これがとてもモダンで弾きながら何か叫んでいた。
客席は大喜びで、既に休憩時間に入って客席も明るくなっても拍手は鳴り止まず、一旦区切りのついたCCが延長された。

その後もハプニングが続いたが省略。

後半。
吉松隆の交響曲第6番はほぼ1年前に新日フィルで聴いたので2回目。現代音楽撲滅運動を主唱する氏の作品だから、小難しいところはなく、遊び心に溢れた玩具箱の感じ。
弦5部は14型だったが、管は極めて少なく(それも多くがオカリナに持ち替える。)、その代わり打鍵楽器が多種多様だ。

作品中には吉松自作、シベリウス・ショスタコーヴィチ・チャイコフスキー・ベートーベンのいずれも交響曲第6番のカケラが顔を出すそうだが、チャイコフスキーとベートーベンと吉松作「平清盛」の音楽しか分からなかった。

「鬼のような変拍子と転調」だそうだが、当然、破綻することもなく、前半のソッリマ独演ショーに十分対抗できる演奏だった。
カーテンコールでは作曲者本人も登壇。

♪2023-068/♪みなとみらいホール-15

かなっく演劇部「3人ぐらいdeシェイクスピア」第7弾 シェイクスピア原作「十二夜」

2023-04-22 @かなっくホール



演出:柏木俊彦(第0楽章)
脚本:齊藤実雪(元かなっくホール)

井上加奈子(アル☆カンパニー)
伊原農(劇団ハイリンド)
今井美佐穂(第0楽章)
リュート演奏:久野幹史

シェイクスピア原作「十二夜」





かなっく演劇部「3人ぐらいdeシェイクスピア」第7弾にして最終回。
しかし、僕は、冒頭の魔女3人の口上が終わった辺りから深い眠りについた。面白くなかったのではなく、今朝方まで夜鍋をしていたから。ホンに申し訳ない事をした。

それでも、いよいよ芝居が終わるというタイミングは寝ていても分かるもので、ちゃんと拍手直前に覚醒して、さも熱心に観ていたようなふりをしてすましてホールを後にした😢。

♪2023-067/♪かなっくホール-06

2023年4月21日金曜日

東京都交響楽団 第973回 定期演奏会Aシリーズ

2023-04-21 @東京文化会館



大野和士:指揮
東京都交響楽団
チェロ:上野通明*


ターネジ:タイム・フライズ(Time Flies)(2020)[都響、BBCラジオ3、NDRエルプフィル共同委嘱作品/日本初演]
ルトスワフスキ:チェロ協奏曲(1970)*
エルガー:エニグマ変奏曲 op.36
-------------------------
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009から IVサラバンド*


ターネジなんて人は存在も知らなかった。
「タイム・フライズ」は日本初演。
英独日の団体の共同委嘱作。
3楽章仕立てで各スポンサーの土地を巡る。

2022年作だからとんでもない現代音楽かと思いきや全編とっつき易い音楽で、「東京」を表現する終楽章はバーンスタインの「シンフォニックダンス」そっくり。

2番手ルトスワスキは何度も聴いている割に「管弦楽のための協奏曲」等に偏っていて、今日のチェロ協奏曲は初聴き。
これまでのイメージとはだいぶ違った。
上野くんはこの曲でジュネーヴで優勝したとか。

そのせいか、気合が入っていたこと。面白くない音楽だけど、迫力と緊張感で引っ張り込まれた!

最後はエルガー:エニグマ変奏曲。これを最後に聴くと、いつも以上に美しい音楽だと思ったよ。

今日も都響は上出来。先月のリゲティから好調が続いている。
前2者では弦は専ら効果音係であまり活躍の場がなかったが16型でも透明感を維持。

尤も、エニグマ中最も魅力的なNimrodの出来が弦も木管も今イチだったが。

そうそう、上野くんのアンコールがなんとJ.S.バッハ:無伴奏Vc組曲3番からサラバンド。

これがえらく新鮮で、一瞬現代音楽を弾いているのかと思った。
彼の無伴奏は全曲を聴いてみる価値がありそうだ。

♪2023-066/♪東京文化会館-06

2023年4月16日日曜日

佐渡裕音楽監督就任記念 佐渡裕×辻井伸行×新日本フィル 横浜特別演奏会

2023-04-16 @みなとみらいホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
辻井伸行:ピアノ*

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲 P. 172
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op. 43
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 「新世界から」
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リスト:ラ・カンパネラ*
ドボルザーク:スラブ舞曲ト短調 Op46-8






4/15のすみだトリフォニーホールと同内容の演奏会。
すみだ〜でもほぼ満員だったが、みなとみらいでも満員盛況だ。

佐渡裕人気も少しはあるかもしれないが、大半は辻井くん目当てだ。
すみだ〜は定期演奏会だったが、横浜では特別演奏会なので全員が1回券を買ったお客ばかり。圧倒的に女性が多い。

僕の席は、どちらも似たような位置だけど、まず、みなとみらいホールは1階席にしっかりと傾斜があり、客席も舞台も明るい。
すみだ〜は舞台を見上げる感じになり、客席内色彩も黒っぽく舞台照明もあまり明るくない。その違いが、すみだ〜の響を暗い印象にしている。

すみだ〜での公演では「新世界から」の終盤のテンポ変更に一瞬音楽がばらけた感じになってしまった。
当然、横浜では修正して臨むだろうと思っていたが、案の定。不自然さがなくなっていた。

そしてやはり、みなとみらいホールの明るい豊かな響に包まれて新日フィルの巧さが一層光った。

上岡ちゃん時代同様、年に数回のみなとみらいホールでの公演を期待するよ。

♪2023-065/♪みなとみらいホール-14

2023年4月15日土曜日

NHK交響楽団1980回A定期 04月公演

2023-04-15 @NHKホール




パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団

R.シュトラウス:「ヨセフの伝説」から交響的断章
R.シュトラウス:アルプス交響曲 作品64



これを記しているのは、1月以上経過した5月25日だ。
原則、その日のうちに簡単でも感想を記すことにしているが、忘れた。
この頃は6日連続7ステージの最終局面だったが、他のステージの感想も遅れ遅れで書いているうちに、このコンサートの分を失念していたよ。

朧げな記憶に、アルプス交響曲がなかなかの出来だったが、半年前にみなとみらいで聴いた神奈川フィルの方が良い出来だったという記憶がある。

たくさん聴いていると、勿体無いことをしたなあ、と思うコンサートも出てくる。

まあ、こんなこともあるのだ。

♪2023-064/♪NHKホール-03

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第385回定期演奏会

2023-04-15 @みなとみらいホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 作品60「レニングラード」


過去平均3年に1回程度のショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」だが、今年は記念年でもないのに大盤振舞い…と思いきや3/18の東京シティ・フィルはダブりでパス。
6/3に日フィルも予定されていたが、ラザレフの休演で曲目が変更に。結局無事生き残ったのが神奈川フィルのみ!

第1楽章冒頭は力強く惹き付けられる。
スネア(最終的には3台)のリズムに乗ってボレロのように繰り返される所謂「戦争の主題」(僕には人を小馬鹿にしているように聴こえるが)は、なかなか頭から離れない。しかし、その後はショスタコ印が其処此処に織り込まれる他は第1楽章に比べ特に耳に残る旋律もなく魅力欠ける。

「壮大な愚策」とも言われたそうだが、それはともかく、聴くのは3年に1回位でいいかと思うよ。

ただし、大規模管弦楽としての魅力はある。
退屈もせず約80分の緊張を維持できるのは、極彩色絵巻を広げて見入るようなものだからか。
神フィルも熱演。
沼さん、新楽季好発進!

♪2023-063/♪みなとみらいホール-13

2023年4月14日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#14

2023-04-14 @すみだトリフォニーホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
辻井伸行:ピアノ*

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲 P. 172
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op. 43
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 「新世界から」
---------------------------------
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op3-2「鐘」*
ドボルザーク:スラブ舞曲ト短調 Op46-8




レス・ラフ・ドボ(何のこっちゃ)の名曲ばかりで嬉しや。
「リュートの為の古風な舞曲とアリア第3組曲」はホンに美しい音楽だが、聴くのは第3組曲ばかり。一度全組曲を聴いてみたいものだ。

「パガニーニの主題による狂詩曲」は辻井くんの渾身のピアノに新日フィルの美しい弦の饗宴が見事。

極め付けが「新世界から」だが、丁寧な指揮ぶりにオケも大将の就任祝いの意気込みか十分応えて、繊細なppにも音楽が息づいている。
時々、新日フィルには驚かされる。こんなに弦が美しいなんて、N響も真っ青だよ。

ただ、欲を言えば、第4楽章クライマックスに駆け込む前にテンポを落とした。そこでオケの呼吸が乱れたと思ったね。それまで一糸乱れなかった音楽に、迷いが生じた。
聴かせ処が続くので、どこに緊張と緩和を仕掛けるかが難しい。

日曜日には横浜みなとみらいホールでも同一プログラムを聴くので、それまでに仕上げてほしね。

♪2023-062/♪すみだトリフォニーホール-03

2023年4月13日木曜日

東京都交響楽団 第972回 定期演奏会Bシリーズ

2023-04-13 @サントリーホール



大野和士:指揮
東京都交響楽団

マーラー:交響曲第7番ホ短調(80分)
 Ⅰ Langsam - Allegro risoluto, ma non troppo
 Ⅱ Nachtmusik: Allegro moderato
 Ⅲ Scherzo: Schattenhaft
 IV Nachtmusik: Andante amoroso
 V Rondo - Finale: Allegro ordinario





マーラー交響曲第7番。
あまり好物じゃないので、1回券買ってまでの聴きに行ったりしないし、定期で取り上げられる機会は僅少だし、記録にある限りだと今日で4回目。ただ、どのオケも7番を演る時は気合を入れて看板指揮者が振っている。
読響カンブルラン、東響ノット、N響Pヤルヴィ…そして今日の都響は大野和士。

これまで7番は「夜の歌」という副題が付いていたけど、今回は副題なしでプログラムの解説中にも全く触れられていない。厳密には第2楽章と第4楽章のみが「夜の歌」なのだけど、掌返したような変化にちょいと驚く。

さて、演奏はなかなか良かった。


都響お得意の弦16型の大編成。これが煩いばかりでうんざりすることも少なからず。だが、今日は緻密なアンサンブルでちょうど80分の長尺だったが、ほぼ破綻なし。

…ではあるけど、良かったか?といえば全然つまらない。もう支離滅裂の音楽だよ。構成力がないのか、情緒に任せて無駄に長い。

副題は「夜の歌」改め「馬の小便交響曲」。
この表現が下品なら「牛の涎交響曲」でもいいな。

先に書いたように、多くのオケでも大物が指揮をしているが、あのPヤルヴィ+N響でさえも、失望させたくらいだ。
元が悪けりゃ指揮者やオケがいくら頑張っても良くはならん。
いっそ、2-4楽章だけ「夜の歌」と銘打って演奏してみればどうか。

♪2023-061/♪サントリーホール-09

2023年4月12日水曜日

みなとみらいランチタイムコンサート 〜周防亮介

2023-04-12 @みなとみらいホール



日本フィルハーモニー交響楽団メンバー
弦楽五重奏団
 田之倉雅秋/末廣沙弓:バイオリン
 小中澤基道:ビオラ
 大澤哲弥:チェロ
 宮坂典幸:コントラバス

周防亮介:バイオリン*

シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 Op.163から第1楽章
パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
-----アンコール--------------------
A.シュニトケ:ア・パガニーニ*


みなとみらいランチタイムコンサートの久しぶりの復活。
その第1回が日フィルメンバーによる弦楽五重奏団と周防亮介の共演。
彼のソリストとしての演奏は何度か聴いていたが、刮目したのは昨年9月の日フィル定期。まるで集音マイクで拾ったかのような明瞭な音色と豊かな音量。

その後、藤木大地と組んだみなとみらいクインテットでも聴いたが、この時はアンサンブル向けにコントロールされていたが、やはり発音が美しい。
そして初めておしゃべりを聴いたがこれで人柄に好感。
以降、僕にとって要注意の重要なバイオリニストになった。

今日のパガニーニは超絶技巧の塊。

自在なスピッカート、低音から超高域に瞬間移動して小指一本で決めるフラジオレットがピタリと音程のツボに触れるなど抜群のテクニック。

そして、今回も収音マイク付きじゃないかと疑いたくなるほど1678年ニコロ・アマティがみなとみらい小ホールの好音響を得てビンビン響き渡る。午11:30開演にもかかわらず超満員。

♪2023-060/♪みなとみらいホール-12

2023年4月11日火曜日

新国立劇場オペラ:ヴェルディ「アイーダ」

2023-04-11 @新国立劇場



【指揮】カルロ・リッツィ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【照明】奥畑康夫
【振付】石井清子
【再演演出】粟國淳
【舞台監督】斉藤美穂

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団

【アイーダ】セレーナ・ファルノッキア(2017オテロ新国立劇場)
【ラダメス】ロベルト・アロニカ
【アムネリス】アイリーン・ロバーツ(ユディット・クタージ)
【アモナズロ】須藤慎吾(フランコ・ヴァッサーロ)
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】伊藤貴之
【伝令】村上敏明
【巫女】十合翔子
(当初のキャスト)

ジュゼッペ・ヴェルディ「アイーダ」
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間50分
第1幕  45分
 休憩  25分
第2幕    45分
 休憩  25分
第3幕    35分
 休憩  25分
第4幕    35分





新国立劇場が初演以来採用しているゼッフィレッリの演出(美術・衣装)は豪華絢爛で、見処・聴き処が多く、休憩込み4時間近いとはいえ各幕は35分〜45分と短く、休憩も3回もあるのでオペラ慣れしていない人にとっても好都合。未見の人には話の種に1回はどうぞ。

個人的にはゼッフィレッリ版というより、ゼッフレッリ新国版には大いに抵抗を感じている。
それは全篇通じて、舞台に天地左右に達する大きな紗幕がかかっていることだ。紗幕は映像を投影する等時に効果的だが、「アイーダ」ではそれもなく、最初から最後まで演技・歌唱は紗幕の内側で行われる。

1-2幕は舞台が明るいからまだ我慢できるが、3-4幕は薄暗い中で、表情も読み取りずらい。いや、2幕後半の凱旋の場だって明るい照明の中で金ピカの衣装や舞台美術を鑑賞したい。
謂わば、彩度・明度を落とし、画素を減らし、ソフトフォーカスの画面を全篇維持する必然性が全く理解できない。

因みに2009年ミラノスカラ座日本公演@ NHKホールはゼッフィレッリの演出だったが紗幕なんぞなかった。


全篇、額縁内を紗幕で覆うというのは、演出の放棄だ。

新国立劇場のスタッフはこの異常な舞台美術に疑問を感じないのだろうか?

アイーダ役セレーナ・ファルノッキアは新国立劇場「オテロ」でも熱演。前半は声が良く出ていない印象だったが、段々良く鳴る法華の太鼓。紗幕越しの褐色に染めた顔はよく分からなかったよ。アムネリスのアイリーン・ロバーツは当初のキャストのユディット・クタージの代役。こちらも良。前回18年もセメンチェクが森山京子に代わった因縁有り。

余談:「アイーダ」円盤は8枚持っている。ゼッフィレッリはMETでも「アイーダ」を演出している筈だが多分未放映・DVDも見つからない。
最近までMET「アイーダ」を演出していたのはソニア・フリゼルで、いろんな歌手で3種類録画有り。
ほぼ、ゼッフィレッリを踏襲していて派手な舞台だ。勿論紗幕はない。

♪2023-059/♪新国立劇場-06