2023-04-11 @新国立劇場
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【アイーダ】セレーナ・ファルノッキア(2017オテロ新国立劇場)
【ラダメス】ロベルト・アロニカ
【アムネリス】アイリーン・ロバーツ(ユディット・クタージ)
【アモナズロ】須藤慎吾(フランコ・ヴァッサーロ)
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】伊藤貴之
【伝令】村上敏明
【巫女】十合翔子
(当初のキャスト)
ジュゼッペ・ヴェルディ「アイーダ」
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約3時間50分
第1幕 45分
休憩 25分
第2幕 45分
休憩 25分
第3幕 35分
休憩 25分
第4幕 35分
新国立劇場が初演以来採用しているゼッフィレッリの演出(美術・衣装)は豪華絢爛で、見処・聴き処が多く、休憩込み4時間近いとはいえ各幕は35分〜45分と短く、休憩も3回もあるのでオペラ慣れしていない人にとっても好都合。未見の人には話の種に1回はどうぞ。
個人的にはゼッフィレッリ版というより、ゼッフレッリ新国版には大いに抵抗を感じている。
それは全篇通じて、舞台に天地左右に達する大きな紗幕がかかっていることだ。紗幕は映像を投影する等時に効果的だが、「アイーダ」ではそれもなく、最初から最後まで演技・歌唱は紗幕の内側で行われる。
1-2幕は舞台が明るいからまだ我慢できるが、3-4幕は薄暗い中で、表情も読み取りずらい。いや、2幕後半の凱旋の場だって明るい照明の中で金ピカの衣装や舞台美術を鑑賞したい。
謂わば、彩度・明度を落とし、画素を減らし、ソフトフォーカスの画面を全篇維持する必然性が全く理解できない。
因みに2009年ミラノスカラ座日本公演@ NHKホールはゼッフィレッリの演出だったが紗幕なんぞなかった。
全篇、額縁内を紗幕で覆うというのは、演出の放棄だ。
新国立劇場のスタッフはこの異常な舞台美術に疑問を感じないのだろうか?
アイーダ役セレーナ・ファルノッキアは新国立劇場「オテロ」でも熱演。前半は声が良く出ていない印象だったが、段々良く鳴る法華の太鼓。紗幕越しの褐色に染めた顔はよく分からなかったよ。アムネリスのアイリーン・ロバーツは当初のキャストのユディット・クタージの代役。こちらも良。前回18年もセメンチェクが森山京子に代わった因縁有り。
余談:「アイーダ」円盤は8枚持っている。ゼッフィレッリはMETでも「アイーダ」を演出している筈だが多分未放映・DVDも見つからない。
最近までMET「アイーダ」を演出していたのはソニア・フリゼルで、いろんな歌手で3種類録画有り。
ほぼ、ゼッフィレッリを踏襲していて派手な舞台だ。勿論紗幕はない。
♪2023-059/♪新国立劇場-06