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2024年6月8日土曜日

NHK交響楽団2013回A定期 06月公演

2024-06-08 @NHKホール



原田慶太楼:指揮
NHK交響楽団
反田恭平:ピアノ*

スクリャービン:夢想 作品24
スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰ヘ短調 作品20*
スクリャービン:交響曲第2番ハ短調 作品29
---------------------
グリーグ:抒情小曲集から「トロルハウゲンの婚礼の日」*




プログラムは全部スクリャービン。
好きじゃないよ。
もう、あまり長生きもできないから、何人かの作曲家は聴かずともいいと思っている、その1人だ。

おまけに日フィルに続いてハシゴしたので、結構疲れていた。

しかし、「夢想」は寝る間もない短さで、これはちゃんと聴いた。ま、悪くない。

Pf協奏曲は18年にN響で聴いたが、全く覚えていなかった。ピアノが当然のように忙しく活躍する。第2楽章の頭を別にすればずっと弾きっぱなし。それもかなり元気の良い音楽で、反田君がエネルギッシュに弾いたので、ここでも寝る間もなかった。
毛嫌いせずに聴くと案外楽しめるのかな、と思いを新たにして前半が終わった。

しかし、後半の交響曲第2番。これは完全に初聴き。
う〜む。よく分からないままに終わってしまったな。

スクリャービンの交響曲では3番と4番は2-3回聴いたことがあって、いずれも調性のある案外聴きやすい音楽だったと記憶しているが、今日の2番はダメだ。全然乗っていけなかった。

1-2楽章と4-5楽章は続けて演奏されるそうだが、そのせいもあって、途中で迷子になってしまった。

体調が良ければ、案外着いてゆけたかもしれないのだけど。

♪2024-080/♪NHKホール-05

2024年1月11日木曜日

尾城杏奈ピアノリサイタル

2024-01-11 @さくらプラザホール


尾城杏奈:ピアノ

ジャン・フィリップ・ラモー:
 新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)ガヴォットと6つのドゥーブル
 新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)エジプトの女
セザール・フランク:
 プレリュード、コラールとフーガロ短調
クロード・ドビュッシー:
 喜びの島イ長調
オリヴィエ・メシアン:
 (幼子イエスにそそぐ20のまなさし>から
  第1曲<父なる神のまなざし>
  第2曲<星のまなざし>
  第10曲<喜びの聖霊のまなざし>
  第15曲<幼子イエスの口づけ>
  第20曲く愛の教会のまなざし>
-----------
スクリャービン:ワルツ作品38
リスト:ラ・カンパネラ



尾城杏奈は21年に神フィル・新人演奏会で聴いた。その時もラヴェルのPf協。
この春芸大院卒業予定を機に地元でのリサイタル。
本篇は徹頭徹尾もの。この姿勢が立派。

初聴きのメシアン大作(40分)も案外聴きやすい音楽で楽しめた。

♪2024-004/♪さくらプラザホール-01

2023年7月7日金曜日

東京シティ・フィル第362回定期演奏会

2023-07-07 @東京オペラシティコンサートホール



秋山和慶:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
周防亮介:バイオリン*

リャードフ:交響詩「キキーモラ」作品63
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第2番ト短調 作品63*
スクリャービン:交響曲第4番 作品54「法悦の詩」
---------------------------------
シュニトケ:ア・パガニーニ から抜粋*



20世紀初頭のロシア音楽の内、精緻な管弦楽技法がウリの作品集と纏められるのかな?

リャードフの「キキーモラ」は、極めて弱音に始まり、ムソルグスキーを思わせる旋律が垣間見え、不気味な調子で徐々に音量が大きくなったかと思ったら、ピッコロが悲鳴を上げてストンと終わった。

プロコのVn協2番。独奏バイオリンのソロから始まるメロディは、耳に馴染んでいるけど、親しみやすいものでもなく、なんか、このままでは済まないぞという不穏な旋律で、聴き手にこの先の解決を待ち望ませるような効果がある。

気持ちの休まるところはなくて、緊張がずっと継続したまま超絶的に盛り上がって終わる。そして当然ながらここまで引きずってきた冒頭の不穏さがようやく解決される。30分程度の尺だからこういうスタイルが可能なんだろうな。


周防亮介は初めて聴いた時(19年)は、格別の印象もなかったが、昨年からとても良くなったのは、僕の耳垢がポロッと落ちたのか、彼が楽器を変えたのか?とにかく、音が明瞭で14型の弦のTuttiにも埋もれない安心感。
またEncで聴かせた超絶技巧。Enc用の小品とも思えないリサイタル・ピースのような作品であり演奏だった。

今日のような演奏会では素顔が出ることもないが、室内楽で見せる表情や話を聞くと、とても穏やかでカワユイところがあって、人間的も魅力的だ。

最後の「法悦」は7年ぶりに聴いた。どんな音楽だったか、全く忘れていたし、音楽が始まっても思い出すこともできなかった。残念ながらエクスタシーも感じられなかった。しかし、神秘和音とやらを探しながら、強力な管打楽器群(Hr9本!Tp5本など)にざわざわと翻弄され、パイプオルガンも加わって賑やかな極彩色管弦楽絵巻を楽しんだ。

秋山御大82歳か。お元気な様子で嬉しい。今年も年末の東響は秋山「第九」チケ取り済み。


♪2023-119/♪東京オペラシティコンサートホール-05

2022年4月14日木曜日

音楽堂アフタヌーンコンサート2022前期 「上岡敏之 plays Piano」 上岡敏之 ピアノ・リサイタル

2022-04-14 @県立音楽堂



上岡敏之:ピアノ

ショパン:バラード第1番 op.23
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」
ショパン:ノクターン ホ短調 op.72-1
ショパン:ポロネーズ第6番「英雄」変イ長調 op.53
ドビュッシー:ヒースの茂る荒れ地(前奏曲集第2巻から)
ドビュッシー:花火(前奏曲集第2巻から)
ドビュッシー:エレジー
ショパン:スケルツォ第1番 op.20
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」
----アンコール----
ヘンデル(ケンプ編曲):クラヴィーア組曲第1番からメヌエット
シューベルト:楽興の時 第2番 Op. 94-2
J.S.バッハ:平均率クラヴィーア曲集第1巻第1番からプレリュード
スクリャービン:3つの小品から「アルバムの綴り」Op.45-1


上岡敏之のピアノは、かつて室内楽で聴いたことがあったが、単独リサイタルは初めて。
指揮者としてもユニークだが、ピアノ・リサイタルも独特の雰囲気を醸して非常に面白かった。

何しろ、会場は真っ暗闇。
鍵盤部分にのみライトが当たっている。
ご本人の登場もピアノの傍に来て初めて確認できる。

1曲目のショパンが終わっても指は鍵盤を離れず、そのままスクリャービンに突入。以下、前半の8曲は絶妙な間合いで連続演奏した。

この独自なスタイルこそ上岡流なのだろう。

ショパン以外は初聴きだったが、次第に彼の構築する世界に惹き込まれて行った。

プログラミングの意図は分からないが終わってみれば不思議なもので、途中なんの違和感も感じなかった。緻密な計算があったのだろう。

後半は、プロコの戦争ソナタ8番。これも初聴き。

ワクワクするような音楽じゃないけど、ピアニズムを駆使した感じで楽しく聴けた。
プロコフィエフはドネツィク(「ドネツク」はロシア読み)州生まれだそうで、彼の手になる戦争ソナタを聴くとは感慨無量。

♪2022-050/♪神奈川県立音楽堂-04

2022年3月2日水曜日

音楽堂アフタヌーンコンサート2022前期 福間洸太朗 <オール・ショパン>

2022-03-02 @県立音楽堂


福間洸太朗:ピアノ

オール・ショパン・プログラム
 華麗なる大円舞曲変ホ長調 Op.18
 ノクターン 第8番変ニ長調 Op.27-2
 スケルツォ 第1番ロ短調 Op.20
 ピアノ協奏曲第2番第2楽章 ラルゲット
 (ピアノ独奏版:ライネッケ編曲)
 幻想曲 ヘ短調 Op.49
 ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2
 ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」Op.53
 ピアノ・ソナタ第2番 変ロ長調「葬送」Op.35
----アンコール----
スクリャービン:左手のためのノクターン Op.9-2
ミッシャ・レヴィツキ:魅惑の妖精


オケをバックにしたコンチェルトでは、独奏者は話をしないものだが、1月に18区コンサートでマイクを持った福間くんの話しぶりにとても好感を持った。

今回はリサイタルなので、プログラム構成の意図などいろいろ話をしてくれたが、とても上手だし自然体なのがいい。

その話の要点は、なぜオール・ショパン・プログラムなのか?


彼曰く。自分は39歳になった。この年齢はショパンが亡くなった年齢だ。そのタイミングで是非、早逝したショパンに思いを馳せたかった。ソナタ「葬送」を選んだのもその趣旨に出たものだ。

この説明を聞いて、すっかり、受け入れ準備が整ったよ。


昨日、實川くんを聴いた(こちらもショパンばかり)ばかり。

兼ねてからこの二人、感じが似ているので判別が難しかったが、今日、ようやく分かった。

ハンサムなのが實川くん。イケメンなのが福間くん。??


昨日、實川くんが弾いた「ひまわりの郷」も響きが良いが、今日はなんといっても音楽堂。

ピアノはこうでなくっちゃと、明かるくカーンと抜けてゆく。あそこは舞台が共鳴箱なのだと思う。


アンコール。

1曲目のスクリャービンはまるでショパン風だが、最後まで左手しか使わず。技術的には相当難しそう。これが本編で弾いた夜想曲と作品番号が同じという”お遊び”?


2曲目も初聴き。これの説明は聞き損じたがやはりショパンぽい綺麗な曲。


曲間の拍手は2回だけ。他は、連続して演奏した。

緊張感溢れる良い舞台だった。


♪2022-029/♪神奈川県立音楽堂-03

2022年2月12日土曜日

名曲全集第174回 清水和音 X ラフマニノフ 至高のピアニズム

2022-02-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール


大友直人:指揮
東京交響楽団
清水和音:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18*
ルーセル:バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第2組曲 op.43
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)
------アンコール--------------------
スクリャービン:2つの詩曲 Op32-1*


何がホールの響きを決定するのか判然としないが、いろんな要素の絡み合いだろう。
いつものホールでいつもの席でいつものオケを聴いても変化はある。
冬場だから客席は着膨れ。それが残響を吸収しているのは間違いないと思う。端的にピアノの音が硬かった。

ま、好みの問題で、こういうのが好きな人もいるだろう。オケも強奏Tuttiの後の余韻が短い。昨日の芸劇でさえもっと響いていた。

そんなこんなで前半のショパンはしっくり感じなかった。

が、後半はむしろこの硬さが奏功したように思う。

ルーセルは珍しいが昔「バッカス〜」も聴いた事がある。
印象派の時代だがストラヴィンスキーと作風がよく似ている。

そして最後がそのストラヴィンスキーの「火の鳥」。

昨日のN響もストラヴィンスキー2本立てで、しかも名演だったから、翌日の東響は分が悪い…という不安を跳ね飛ばすこちらも名演で、途中から、N響の続きを聴いているのか、と錯覚する程の繊細さと迫力ある演奏だった。

♪2022-019/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03

2018年12月1日土曜日

N響第1900回 定期公演 Aプログラム

2018-12-01 @NHKホール


アレクサンドル ・ヴェデルニコフ:指揮
NHK交響楽団

アンドレイ・コロベイニコフ:ピアノ*

スヴィリドフ:組曲「吹雪」~プーシキン原作の映画から
 1トロイカ
 2ワルツ
 3春と秋
 4ロマンス
 5パストラール
 6軍隊行進曲
 7結婚式
 8ワルツの残響
 9冬の道
スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰ヘ短調 作品20*
グラズノフ:交響曲第7番ヘ長調 作品77「田園」
-----アンコール-----
スクリャービン:練習曲 作品8から第12曲「悲愴」*

ヴェデルニコフは多分3回目。過去N響と東響で聴いた。N響とは3曲ともロシアもの。東響とはヒンデミット、ストラヴィンスキー、シベリウスだった。

今回のN響ではやはりロシアものばかり3本立て。
全曲初聴きだったが、戸惑いもなく、寧ろ<初めて>を楽しめた。

スヴィリドフ(1915-1998)組曲「吹雪」は、映画音楽として作曲され、後に演奏会用組曲に編曲された。映画音楽として公開されたのが1965年というから、まだとても新しい。僕より若い作品だ。しかし、曲調は国民楽派風のロシア味でモロに哀愁に満ちており、聴いていて恥ずかしいくらいだ。しかし、それだけ、聴き手の気持ちを惹きつけるものがある。

スクリャービンのピアノ協奏曲(初演1897年10月23日)も、グラズノフ交響曲7番(初演1903年1月3日)も感性のツボを突いてきて心地良い。新しい作品であるにも関わらず、どこか、郷愁を感じさせる。

こういう情緒に流されるような音楽ではどちらかというとボロが出やすいものの、N響の演奏は乱れることなく、さりとて、あまり硬直的にもならず、自家薬籠中のモノとしているかの、ヴェデルニコフのあしらいにうまく乗って好演だったと思う。

しかし、グラズノフの終曲直前のクライマックスの総休止で観客席から思い切りブラボー叫んだオヤジさん。恥ずかしかったろうね。たしかに、そこで音楽が終わってもおかしくないような休止だったが、よく知らないのに知ったかぶりをしてブラボーするなんて。
いずれEテレのクラシック音楽館で放映されるよ。
声はNHK技術陣が消すかな?


♪2018-160/♪NHKホール-12

2018年1月16日火曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2017後期 ≪超絶ピアニズム≫アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル

2018-01-16 @みなとみらいホール


アレクサンダー・ガヴリリュク:ピアノ

J.S.バッハ(ブゾーニ編曲):
 トッカータとフーガ ニ短調
ハイドン:
 ピアノ・ソナタ第47番 ロ短調 XVI:32
ショパン:練習曲op.10から
 第3番「別れの曲」、第8番、第9番、第10番、第11番、第12番「革命」
スクリャービン:
 ピアノ・ソナタ第5番
ラフマニノフ:
 前奏曲集 作品23から第1番、第5番、
 前奏曲集 作品32から第12番
ラフマニノフ:
 ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 作品36(第2稿)
--------------
シューマン:「子供の情景」から”見知らぬ国”

ガヴリリュクはちょうど3年前にN響定期でプロコフィエフのピアノ協奏曲3番を聴いたのが最初で、その時、なんだかすごいテクニシャンだという印象を持った。この曲、おそらく弾きこなすのは相当な力技を必要とする作品ではないか。

3年経過して(まだ33歳なのだけど)一層頭髪は少なくなり頭頂部までピカピカだった(チラシの写真とはだいぶ違うぞ!)。
ホロヴィッツコンクールで1位、2000年には浜松国際コンクールで優勝。この時の審査委員長中村紘子から「20世紀後半最高の16歳」と絶賛されたそうだ(変な褒め方だけど)。

今日は、前半にJ.S.バッハ、ハイドン、ショパンと馴染みの作品が多い作曲家の作品を並べた。とは言え、ハイドンのピアノ・ソナタ47番というのは初聴きだ。いや、47番だけではない。ハイドンのピアノ・ソナタ自体ほとんど聴くことがない(35番はソナチネアルバムにでているので、ちょいと練習した記憶がある。CDでは全曲を持っているが、買ってから一度も聴いたことがない。グールドが演奏した56、58〜62番が入っているCDも持っていて、これらについては何度か聴いているがナマでは聴いたことがない。)。演奏会で取り上げるには軽すぎるのか。それに50曲以上作曲しているというのも演奏家としては取り上げにくいだろうな。
ハイドンにしては珍しい短調の曲だった。聴けば、3楽章構成とはいえ、わずか8分足らずの可愛らしい曲だ。Youtubeにガヴリリュクが弾いているのを発見した。この動画でのガヴリリュクの頭髪はまだ健在だが。
https://youtu.be/xlWxQE7FAKk

休憩を挟んだ後半がスクリャービンとラフマニノフ。
前半が指鳴らし。まあ、これが今日のハイライトだろう。

気合の入り方が違っていたように思う。
スクリャービンのピアノ・ソナタは全10曲だそうで、この5番以降はすべて単一楽章らしい。5番も初聴きだし他の曲も知らない。ほとんど無調音楽で、あまり聴きたい音楽ではないけど、ナマで聴けば、今回のリサイタルのキャッチコピーのとおり「超絶ピアニズム」が味わえてまあ面白い。

ラフマニノフは前奏曲を3曲。事前に公表されていたのは作品23から第2番「鐘」で、これは24ある前奏曲中一番馴染んでいて好きな曲なのでぜひとも聴きたかったが、本番では作品32の12番に変更されていた。でもこれはこれできれいな音楽だった。ロシアの哀愁とでもいうか、ラフマニノフのピアノ協奏曲にも通ずるようなメランコリーを感じさせて良かった。

♪2018-005/♪みなとみらいホール-02

2017年6月30日金曜日

東京都交響楽団 第835回 定期演奏会Bシリーズ

2017-06-30 @東京オペラシティコンサートホール


大野和士:指揮
弦楽四重奏:アルディッティ弦楽四重奏団
東京都交響楽団

ブリテン:歌劇『ピーター・グライムズ』より 「パッサカリア」 op.33b
細川俊夫:フルス(河)~弦楽四重奏とオーケストラのための(2014)(日本初演)
スクリャービン:《神聖な詩》op.43(交響曲第3番ハ短調)

この日は午後イチで国立劇場の文楽公演に行ったので2つめのステージだったこともあり、文楽ではほとんど素振りもなかった疲れや睡眠不足がどどっと出てきて、3曲とも睡魔との闘いだった。
いや、疲れなどのせいだけではない。このプログラムでは混乱するのは必定。

まずはブリテンの「パッサカリア」。眠くなるようなメロディーが続くので寝かせてくれるかと思いきや突如安眠を妨害するような不協爆音で、寝ることもできない。

続く、細川作「フルス」は弦楽四重奏を独奏?部分に持つ協奏曲のような作品だが、単一楽章にしては20分近い。現代の作曲家が作った超現代音楽だ。プログラムについては作曲家自身の解説が書いてあったが、ほとんどお経のようなもので、どこがありがたいのか分からない。日本初演(世界初演は2014年)だったそうで、細川氏も僕の斜め後ろの方で聴いていた。
こういう作品は現代美術と同じで、ほとんど書いた者の自己満足にすぎないのじゃないか、という不満に加え、眠いのに眠れないイライラと闘った。

スクリャービンの「神聖な詩」はまだ調性を保っているので実は聴きやすい。ちょうど1年前にも大野和士+都響で「法悦の詩」(交響曲第4番ハ長調)を聴いているが、彼の5つの交響曲の中で4番までは調性があるので、体調さえ良ければ結構面白く聴くことができる。しかし、残念なことに、この辺まで来るとほとんど船を漕いでいたような気がする。

ま、夥しくコンサートに出かけているのでこういう日があってもやむを得まい。

♪2017-111/♪東京オペラシティコンサートホール-03

2017年4月15日土曜日

東京・春・音楽祭 《24の前奏曲》シリーズ vol.6 ラフマニノフ〜ボリス・ギルトブルグ

2017-04-15 @東京文化会館


ボリス・ギルトブルグ:ピアノ

ラフマニノフ:24の前奏曲
 前奏曲 嬰ハ短調 作品3-2《鐘》
 10の前奏曲 作品23
 13の前奏曲 作品32 
---------------
アンコール
スクリャービン:練習曲 作品2-1
ラフマニノフ:音の絵 作品39 No.6
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集からNo.14

ボリス・ギルトブルグってピアニストのことは名前さえも知らなかったが、プログラムの経歴を読めばあちこちの国際コンクールで受賞歴がある。新しいところでは2013年にエリザベート王妃国際音楽コンクールで1位、ということはまだ売り出し中ということだろう。

珍しくピアノはFAZIOLIだった。
長身から繰り出される打撃音の華やかな事。
弱音では背中を45度畳んで鍵盤を這うようなしなやかさ。

24の前奏曲は、作品としては3つ合わせて24曲だ。
作品3-2は5曲で構成される幻想的小曲集(作品3)の第2曲である前奏曲「鐘」で、作品番号からも分かるように音楽院卒業後間もなく作曲したものだ。
前奏曲集として演奏される場合は多分、今回のように最初に(1番として)演奏されるのだと思う。
「鐘」という表題がついていることや最初に演奏される?こともあってか、24曲中一番有名で、一番聴き馴染んでいる。と言うより、聴いてこれがラフマニノフの前奏曲だと僕が判別できるのはこの「鐘」だけだ。作品23と32の全23曲を完全に通して聴いたのは今回が初めてだった。

やはり、馴染んでいる「鐘」が一番聴き応えがあった。技術的には大して難しくはないようだが、冒頭の暗くて重い打撃音がとても刺激的で、これはFAZIOLIの音質や音量の力強さも手伝っているのだろう。
ピアノは打楽器でもあるなと得心した次第。

余談だが、FAZIOLIは最も高価なピアノらしい。その中で最高級ピアノはF308という機種で日本には1台だけ導入されているそうだ。どこのホールか?
それがなんと人口1万人足らずの福井県美浜町にある生涯学習センター「なびあすホール」という500席弱のホールだというからびっくり。原発交付金などでふんだんにお金をかけることができたのだろう。

♪2017-58/♪東京文化会館-07

2016年10月11日火曜日

横浜18区ショートフィルム&コンサート 〜清水和音ピアノ・リサイタル

2016-10-11 @かなっくホール


清水和音:ピアノ#
大江馨:バイオリン*

◆ショートフィルム上映作品◆
ピアノ・エチュード(原題:Etude,Solo)
監督:Dae-eol Yoo 製作国:韓国

◆コンサート◆
ショパン:ノクターン第9番変ロ長調作品32-1#
スクリャービン:8つのエチュードより第5曲 嬰ハ短調 作品42-5#
クライスラー:美しきロスマリン/愛の悲しみ/愛の喜び#*
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンパルティータ第2番から「シャコンヌ」*

ベートーベン:ピアノソナタ 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」#
ショパン:バラード第4番#
-------------
アンコール
エルガー:愛のあいさつ#*

別所哲也って聞いた名前だけど何者?と思って調べたら、役者であり、みなとみらいにあるショートフィルムシアターの経営者?だそうな。

で、彼がクラシック・コンサートのプロデュースをしている理由はよく分からないけど、コンサートの前に短編映画が上映されるので、それが彼の肝煎なのかもしれない。
映画はあまり面白いとも思えなかったが、家の近所のコンサートホールでクラシックコンサートを聴けるのはありがたい。

横浜市は全部で18区から成る。
今回の企画は、その各区でショートフィルムの上映と清水和音のピアノリサイタルを何人かのゲストを迎えて巡回しようというものらしい。そこで、18区とショパンの夜想曲全18曲を無理やりつなげて、各区毎に1曲ずつ弾いて全区で全曲という構想が出来上がったのだろう。
しかし、ショパンの夜想曲は、手持ちのCDではぜんぶで21曲あるので18曲ってどういう計算なのか?
確かに18番までがショパン生存中に発表されたもので、遺作を除けば全18曲ということになるので、まあ、それなりの理屈になっているが、無理筋だなあ。
全18回のコンサートを通して聴く人もいないだろうから、それより、各回ごとのプログラムとして構成力を持たせるべきだったと思う。

全18回を通じてメインの出演者は清水和音氏。これに数人のゲストが加わるが今回のゲストはバイオリニストの大江馨くん。
この人のコンクール歴はすごい。前にも協奏曲を聴いたことがあるが、相当高度なレベルだと思う。

清水和音は何度も聴いているけど、いずれもオーケストラとの協奏曲ばかりでソロあるいはバイオリンとのデュエットは初めてだった。

小さなホールだし、響がいい。
むしろ良すぎるくらいで、最初のピアノソロの2曲は鳴り過ぎの感じもしたが、バイオリンにはとてもこの響具合が好ましくて、演奏している方も気持ち良く弾けたのではないかと思う。
バイオリン独奏のJ.S.バッハのシャコンヌなど、まるで拡声装置でも付けたのかと思うくらいに豊かな音色が響いた。

バイオリンとピアノのデュオは、小品ばかりだったが、その後に清水御大がピアノ独奏で再登場し、かなりの重量級を2曲演奏した。
「ワルトシュタイン」は想定よりもゆったりとした出だしだったが、徐々にテンポが早まり、第1楽章の終盤と終楽章は早業を聴いている感じだった。
予定番組最後のバラードもピアノの音色の美しさがよく響いていた。

珍しいところで、スクリャービンのエチュードが(これは冒頭に上映された短編映画の中でも取り上げあられたものだ)、多分初聴きだけど、もっと小難しいのかと危惧していたけど、とてもロマン派ぽくて興味を深めた。

ところで、このコンサートは「横浜音祭り2016」のイベントの一環だ。
このイベントは主催者側は「日本最大規模の音楽フェスティバル」と謳っているが、それにしては全然盛り上がっていない。
最近出かけたコンサートでも確かに「横音2016」に協賛しているものはいくつかあったけど、独自企画の目玉コンサートをやらなくちゃアピールできないな。


♪2016-139/♪かなっくホール-03

2016年6月9日木曜日

東京都交響楽団都響 第810回 定期演奏会Bシリーズ

2016-06-09 @サントリーホール


大野和士:指揮
東京都交響楽団
イアン・ボストリッジ:テノール *

ブリテン:歌劇『ピーター・グライムズ』より「4つの海の間奏曲」op.33a
ブリテン:イリュミナシオン op.18 *
ドビュッシー:《夜想曲》より「雲」「祭」
スクリャービン:法悦の詩 op.54 (交響曲第4番)


ブリテン:「4つの海の間奏曲」はその第1曲「夜明け」がバイオリンの高音域(ひょっとしてハーモニクスも含んでいるのだろうか)で始まり、短い全編をとおしてこの高音が続くのだけど、どうもピッチが揃っていない…と思う。まるで透明感がなくこれはどうしたことかと怪しんだよ。

2曲目もブリテンの「イリュミナシオン」。初聴き。
というより、存在すら知らなかった。弦楽合奏に、イアン・ボストリッジ(テノール)の歌が入る。ランボーの詩集「イリュミナシオン」から9つの詩を選んで曲をつけたものらしい。
現代の音楽なので、素直に美しいとは感じられないけど(それに意味が分からない。プログラムには対訳が掲載されていたが暗い館内で小さな字は判読できない。)、ポストリッジの声がいい。
彼はオックスフォードとケンブリッジで<歴史学>を学んだオペラ界屈指の知性派テノールだそうだが、そうと知ると、彼にふさわしい音楽であるような気がする。

休憩を挟んだ後半はオケも良く鳴りだした。急にうまくなったのではなく、腕前を発揮できるタイプの音楽なのだろう。
前半は欲求不満気味だったが、後半はいつもの都響らしい華やかな響を聴かせてくれた。

特に、スクリャービンの「法悦の詩」は、生では初めてだったが、舞台にすし詰め状態に膨らんだ特大オケにパイプ・オルガンも加わって管弦楽の多彩な音色や響を展開して、聴衆にとっても「法悦の時」であった。

♪2016-080/♪サントリーホール-06


https://youtu.be/8XQGHOfIdYY