2016年10月11日火曜日

横浜18区ショートフィルム&コンサート 〜清水和音ピアノ・リサイタル

2016-10-11 @かなっくホール


清水和音:ピアノ#
大江馨:バイオリン*

◆ショートフィルム上映作品◆
ピアノ・エチュード(原題:Etude,Solo)
監督:Dae-eol Yoo 製作国:韓国

◆コンサート◆
ショパン:ノクターン第9番変ロ長調作品32-1#
スクリャービン:8つのエチュードより第5曲 嬰ハ短調 作品42-5#
クライスラー:美しきロスマリン/愛の悲しみ/愛の喜び#*
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンパルティータ第2番から「シャコンヌ」*

ベートーベン:ピアノソナタ 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」#
ショパン:バラード第4番#
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アンコール
エルガー:愛のあいさつ#*

別所哲也って聞いた名前だけど何者?と思って調べたら、役者であり、みなとみらいにあるショートフィルムシアターの経営者?だそうな。

で、彼がクラシック・コンサートのプロデュースをしている理由はよく分からないけど、コンサートの前に短編映画が上映されるので、それが彼の肝煎なのかもしれない。
映画はあまり面白いとも思えなかったが、家の近所のコンサートホールでクラシックコンサートを聴けるのはありがたい。

横浜市は全部で18区から成る。
今回の企画は、その各区でショートフィルムの上映と清水和音のピアノリサイタルを何人かのゲストを迎えて巡回しようというものらしい。そこで、18区とショパンの夜想曲全18曲を無理やりつなげて、各区毎に1曲ずつ弾いて全区で全曲という構想が出来上がったのだろう。
しかし、ショパンの夜想曲は、手持ちのCDではぜんぶで21曲あるので18曲ってどういう計算なのか?
確かに18番までがショパン生存中に発表されたもので、遺作を除けば全18曲ということになるので、まあ、それなりの理屈になっているが、無理筋だなあ。
全18回のコンサートを通して聴く人もいないだろうから、それより、各回ごとのプログラムとして構成力を持たせるべきだったと思う。

全18回を通じてメインの出演者は清水和音氏。これに数人のゲストが加わるが今回のゲストはバイオリニストの大江馨くん。
この人のコンクール歴はすごい。前にも協奏曲を聴いたことがあるが、相当高度なレベルだと思う。

清水和音は何度も聴いているけど、いずれもオーケストラとの協奏曲ばかりでソロあるいはバイオリンとのデュエットは初めてだった。

小さなホールだし、響がいい。
むしろ良すぎるくらいで、最初のピアノソロの2曲は鳴り過ぎの感じもしたが、バイオリンにはとてもこの響具合が好ましくて、演奏している方も気持ち良く弾けたのではないかと思う。
バイオリン独奏のJ.S.バッハのシャコンヌなど、まるで拡声装置でも付けたのかと思うくらいに豊かな音色が響いた。

バイオリンとピアノのデュオは、小品ばかりだったが、その後に清水御大がピアノ独奏で再登場し、かなりの重量級を2曲演奏した。
「ワルトシュタイン」は想定よりもゆったりとした出だしだったが、徐々にテンポが早まり、第1楽章の終盤と終楽章は早業を聴いている感じだった。
予定番組最後のバラードもピアノの音色の美しさがよく響いていた。

珍しいところで、スクリャービンのエチュードが(これは冒頭に上映された短編映画の中でも取り上げあられたものだ)、多分初聴きだけど、もっと小難しいのかと危惧していたけど、とてもロマン派ぽくて興味を深めた。

ところで、このコンサートは「横浜音祭り2016」のイベントの一環だ。
このイベントは主催者側は「日本最大規模の音楽フェスティバル」と謳っているが、それにしては全然盛り上がっていない。
最近出かけたコンサートでも確かに「横音2016」に協賛しているものはいくつかあったけど、独自企画の目玉コンサートをやらなくちゃアピールできないな。


♪2016-139/♪かなっくホール-03