コンサートマスター:松原勝也
第1バイオリン:塗矢 真弥/小澤 郁子/坪田 亮子
第2バイオリン:水村 浩司/廣島 美香/濱田 協子
ビオラ:斉藤 和久/成瀬かおり/中小路淳美
チェロ:間瀬 利雄/寺井 庸裕
コントラバス:加藤 正幸
オーボエ:I杉浦 直基/II中山 達也
ホルン:I山岸 博/II山岸 リオ
藤原真理:チェロ*
シュテパン・トゥルノフスキー:ファゴット(ウィーン・フィル首席奏者)#
ハイドン
交響曲第1番二長調HobⅠ-1♭
チェロ協奏曲第2番ニ長調HobⅦb-2*♭
モーツァルト
ファゴット協奏曲変ロ長調KV191#♭
交響曲第29番イ長調 KV201♭
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から前奏曲*
J.W.ガングルベルガー(1876-1939):僕のテディベア#♭
室内管弦楽団「アンサンブル de ヨコハマ」(以下、勝手に「EdY」と略す。)の存在は知っていたけど聴いたことがなかった。客演に藤原真理が出演すると言うので、むしろ目当ては彼女の方だ。
目当てにしていなかったけど、ゲストがもう一人。
シュテパン・トゥルノフスキーはウィーン・フィルの首席ファゴット奏者だ。
EdYはコンマス含め総勢17名。指揮者なし。
今日は弦が13人に管が4人(オーボエ2、ホルン2)だった。
この小編成でハイドンとモーツァルトなどを聴いたが、おそらく夫々の作品が作曲された時代のオーケストラはせいぜいこんなものだったのだろう。
人数は少ないけど、なかなかな乙張のはっきりした演奏だ。各声部も聴き分けられて面白い。透明感という点ではやや物足りなさもあったが、古典派の(ロマンは以降のように深刻ぶったりしない陽性の)絶対音楽の楽しさに溢れている。
藤原真理さんはほぼ1年前に音楽堂で聴いたが、あの時の素晴らしい音色はみなとみらいホールの小ホールでも健在だった。
まずもって音がいい。チェロの音そのものの良さを感ずることができるのことに何よりも幸福感がある。
藤原さんはとても小柄なのでチェロがえらく大きく見える。ハンデがあるなあ。でも、それをモノともせずに全日本音楽コンクール1位やチャイコフスキーコンクール2位などの栄光を掴んだのだからその努力は半端じゃないだろう。
ニコッとして登場する姿は、今や(若い頃を知らないので)近所のおばちゃんのようだ。今回も格別派手なステージ衣装ではなく、そのままスーパーに買物にでも行けそうな感じ。それでいて演奏が始まるとビシっと決めてくれる。
彼女の演奏には円満(そう)な人格がそのままにじみ出ているように思う。特に、今日のようなハイドンの作品では陽気で楽観的で幸福感に溢れている。音楽を聴く喜びをとても素直に感ずることができる。
モーツァルトのファゴット協奏曲も軽快・諧謔で良かったが、アンコールに用意されていた管弦楽付きの「僕のテディベア」が傑作だった。音楽聴きながらつい笑ってしまった。
この曲も、作曲家も知らなかったので、もう一度聴きたいと思ってNETであれこれ調べてみるが、ヒットしない。
ともあれ、久しぶりに、気の置けない楽しいコンサートであった。
余談になるが、明日、同じみなとみらいホールでヘーデンボルク・直樹のチェロ・リサイタルを聴くことにしているが、彼もウィーン・フィルのメンバーだ。
9日にウィーン・フィル本体を聴いたばかりだが、メンバー各位も今回の来日を機にそれぞれ忙しそうだ。
♪2016-140/♪みなとみらいホール-36