2016年10月14日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2016後期 ≪ウィーンの薫り≫ ヘーデンボルク・直樹 チェロ・リサイタル

2016-10-14 @みなとみらいホール


ヘーデンボルク・直樹:チェロ
佐藤朋子:ピアノ

ベートーベン:魔笛「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 WoO.46
同:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
ドビュッシー:美しき夕暮れ
フォーレ:エレジー Op.24
エンリケ・グラナドス:「12のスペイン舞曲」から「アンダルーサ」
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
ファリャ:「恋は魔術師」から「火祭の踊り」
黛敏郎:文楽(無伴奏)
チャイコフスキー:感傷的なワルツ
シューベルト:即興曲D899から第3曲
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アンコール
サン=サーンス:白鳥

「みなとみらいアフタヌーンコンサート」シリーズとしてまとめてチケットを買ったので、この人の演奏を聴きたくて選んだ訳じゃないけど、数日前にこのシリーズのパンフレットを見たら、ウィーン・フィルのチェリストだと書いてある。
改めて、9日にミューザで聴いたウィーン・フィルコンサートのプログラムを調べると、チェロのメンバー表の中にBernhard Hedenborg の名前を発見した。
本人はザルツブルクの出身だが、お母さんが日本人なので、正式にはNaokiも含まれるのだろうけど、長すぎて日本での活動ではヘーデンボルク・直樹、国際的にはBernhard Hedenborgと表記しているようだ。

昨日の、「アンサンブル de ヨコハマ演奏会」では、藤原真理さんのほかにウィーン・フィル首席ファゴット奏者のシュテパン・トゥルノフスキーが客演したが、この人の名前もウィーン・フィルのメンバー表にはちゃんと出ていた。

すると、9日のミューザでは2人共並んでいたのだな、記憶はないけど。

こんな風に、オケの来日に合わせて、各メンバーもあちこちのコンサートに招聘されているようだ。さすがはウィーン・フィルの看板を背負っているだけはある。いや、それに実力もなかなかのものだ。

さて、初めて聴いたヘーデンボルク・直樹のチェロは、まず、音の美しさに惹かれた。優しい音だ。藤原真理さんの音と甲乙告げ難いが、敢えて付けるとなると、これは好みだが、真理さんの甘い音色がいいかな。

直樹氏のチェロはとにかく優しい。
音色だけでなく弾き方も実に繊細だ。
今回はベートーベンの2曲を除けばいわゆるアンコールピースのような小品の名曲ばかりだったので、彼の音色・弾き方がぴったり来るものが多かった。特にチャイコフスキーの「感傷的なワルツ」やアンコールで弾いた「白鳥」など実に美しく仕上がっている。

しかし、ラテン系のグラナドスやファリャではもう少しガリガリと弾いて脂が飛ぶくらいの激しさを聴かせてほしかった。

♪2016-141/♪みなとみらいホール-37