2016年10月19日水曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後~ 林正子(ソプラノ)

2016-10-19 @みなとみらいホール


林正子:ソプラノ
石野真穂:ピアノ

R.シュトラウス
 4つの最後の歌〜春/九月/眠りのときに/夕映えに
 音楽による会話劇「カプリッチョ」から〜ソネットと伯爵令嬢のモノローグ(最終場面)
-----------
アンコール
3幕の快活なギリシャ神話「ダナエの愛」第3幕からダナエのモノローグ「あなたは私をやすらぎで包んでくれる」

声楽のことは分からない。積極的に聴くこともない。
今回はクラシック・マチネシリーズの一つとして、いわばお仕着せを聴いたのだけど、歌唱力には大いに驚いた。

「歌曲」の歌い方と「オペラ」の歌い方が違うのはなんとなく分かる。クラシック声楽の世界が両者に完全に区分されているのではないとしてもやはり、歌手によって「畑」の違いというのはあるようだ。
林正子の場合は、オペラ中心に活動しているようで、そういう人が
「歌曲とオペラシーンを一緒に歌うことは限りなく難しい一種の狂気の沙汰だ。」と今日のコンサートのプロデューサーが解説に書いている。

そのせいか、あるいは、R・シュトラウスの歌曲はこういうふうに歌うのが普通なのか、前半の歌曲もまるでオペラのアリアを聴いている風だった。何しろ、声量が半端ではない。

みなとみらいホール・小ホールはキャパ440人というこじんまりした会場だ。そこでオペラパレスの天井桟敷にも届こうかという強力な音圧が炸裂するのだから、いやはや人間拡声器かと思った。
もちろん、大きな声量だけではない。きれいなハリのあるソプラノがときには穏やかに、湿っぽく、軽やかに、と変幻自在だ。

ただ、R・シュトラウスの歌曲に元々馴染みがなかったので、できればワーグナーのアリア集でも聴きたかったな。

♪2016-145/♪みなとみらいホール-39