2018-01-16 @みなとみらいホール
アレクサンダー・ガヴリリュク:ピアノ
J.S.バッハ(ブゾーニ編曲):
トッカータとフーガ ニ短調
ハイドン:
ピアノ・ソナタ第47番 ロ短調 XVI:32
ショパン:練習曲op.10から
第3番「別れの曲」、第8番、第9番、第10番、第11番、第12番「革命」
スクリャービン:
ピアノ・ソナタ第5番
ラフマニノフ:
前奏曲集 作品23から第1番、第5番、
前奏曲集 作品32から第12番
ラフマニノフ:
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 作品36(第2稿)
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シューマン:「子供の情景」から”見知らぬ国”
ガヴリリュクはちょうど3年前にN響定期でプロコフィエフのピアノ協奏曲3番を聴いたのが最初で、その時、なんだかすごいテクニシャンだという印象を持った。この曲、おそらく弾きこなすのは相当な力技を必要とする作品ではないか。
3年経過して(まだ33歳なのだけど)一層頭髪は少なくなり頭頂部までピカピカだった(チラシの写真とはだいぶ違うぞ!)。
ホロヴィッツコンクールで1位、2000年には浜松国際コンクールで優勝。この時の審査委員長中村紘子から「20世紀後半最高の16歳」と絶賛されたそうだ(変な褒め方だけど)。
今日は、前半にJ.S.バッハ、ハイドン、ショパンと馴染みの作品が多い作曲家の作品を並べた。とは言え、ハイドンのピアノ・ソナタ47番というのは初聴きだ。いや、47番だけではない。ハイドンのピアノ・ソナタ自体ほとんど聴くことがない(35番はソナチネアルバムにでているので、ちょいと練習した記憶がある。CDでは全曲を持っているが、買ってから一度も聴いたことがない。グールドが演奏した56、58〜62番が入っているCDも持っていて、これらについては何度か聴いているがナマでは聴いたことがない。)。演奏会で取り上げるには軽すぎるのか。それに50曲以上作曲しているというのも演奏家としては取り上げにくいだろうな。
ハイドンにしては珍しい短調の曲だった。聴けば、3楽章構成とはいえ、わずか8分足らずの可愛らしい曲だ。Youtubeにガヴリリュクが弾いているのを発見した。この動画でのガヴリリュクの頭髪はまだ健在だが。
https://youtu.be/xlWxQE7FAKk
休憩を挟んだ後半がスクリャービンとラフマニノフ。
前半が指鳴らし。まあ、これが今日のハイライトだろう。
気合の入り方が違っていたように思う。
スクリャービンのピアノ・ソナタは全10曲だそうで、この5番以降はすべて単一楽章らしい。5番も初聴きだし他の曲も知らない。ほとんど無調音楽で、あまり聴きたい音楽ではないけど、ナマで聴けば、今回のリサイタルのキャッチコピーのとおり「超絶ピアニズム」が味わえてまあ面白い。
ラフマニノフは前奏曲を3曲。事前に公表されていたのは作品23から第2番「鐘」で、これは24ある前奏曲中一番馴染んでいて好きな曲なのでぜひとも聴きたかったが、本番では作品32の12番に変更されていた。でもこれはこれできれいな音楽だった。ロシアの哀愁とでもいうか、ラフマニノフのピアノ協奏曲にも通ずるようなメランコリーを感じさせて良かった。
♪2018-005/♪みなとみらいホール-02