2018年1月21日日曜日

読響第100回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2018-01-21 @みなとみらいホール


シルヴァン・カンブルラン:指揮
読売日本交響楽団
イザベル・ファウスト:バイオリン*

ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 作品77*
J.S.バッハ(マーラー編):管弦楽組曲から第2〜4曲
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
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クルターク:「サインズ、ゲームとメッセージ」から*

今日の読響横浜定期は100回目だ。だからといって、特別なことはなくプログラムでも特段触れていなかった。

無視されてしまった節目のコンサートだけど、プログラムが良かった。3作品ともドイツの3Bによるものだ。これが嬉しい。
また、ブラームスのバイオリン協奏曲のソリストはイザベル・ファウスト。
彼女の演奏はこれまでに都響とのメンコン、ジャン=ギアン・ケラス、アレクサンドル・メルニコフとのピアノ・トリオ演奏会を聴いていずれも好感を持っていたので、楽しみだった。

さて、ブラームスのコンチェルトはファウストのストラディヴァリウス”スリーピング・ビューティ”が良く鳴って細部の最弱音までしっかり聴こえた。まあ、席がかなり前の方だから当然とも言えるが、オーケストラ全体の調子は疑問だった。
オケの不調は3曲とも同じだった。てことは、僕の耳のせいではなかろう。アンサンブルの微妙なズレを感じてしまった。

曲作りとしてはカンブルランの彫琢が行き届いている感じがしたのだけど、その一方で弦と弦、あるいは弦と木管の間に不揃いな部分があったように思う。もっと後ろで聴けば感じなかったのかもしれないが、そうは言ってもこの席はもう何年も固定しているのだし、これまでにそういう不満は感じたことがなかったので、気になる。来季も同じ席で更新済みだし。

という不満が残ったドイツの3B大会だが、出来はともかく音楽は実に素晴らしい。今日のプログラムだと、一番はブラームスだ。実に美しい音楽だ。どの楽章もいいが、とりわけ第3楽章のハンガリー舞曲風のハイテンポの旋律は楽しい。ファウストもここではニコニコ笑いながら楽しんで弾いているのが聴いている者の気分を一層高めてくれた。
ところで、第1楽章のカデンツァは、普段よく聴くのはヨアヒムの作だそうな。ファウストはブゾーニの作ったものを好んで弾いているようで今日もそれだった。カデンツァの冒頭にティンパニーを伴うので区別が付くようだ。このバージョンは初聴きだったような気がする。

♪2018-008/♪みなとみらいホール-03