2018年1月18日木曜日

東京都交響楽団 第847回 定期演奏会Aシリーズ

2018-01-18 @東京文化会館


大野和士:指揮
東京都交響楽団
ヤン・ミヒールス:ピアノ*/**
原田節 :オンドマルトノ**

ミュライユ:告別の鐘と微笑み~オリヴィエ・メシアンの追憶に(1992)(ピアノ・ソロ)*
メシアン:トゥーランガリラ交響曲**


トゥーランガリラ交響曲。全10楽章75分。メディアで断片を聴いた事はあるが生は初めて。
オケは大編成で多彩な打楽器群。コンバスが10本も並ぶとは壮観だ(アマチュアの合同オケ演奏会ぐらいでしか見たことのない光景だ。)。ピアノが重要な役割をはたすので、協奏曲のように舞台の中央全面に据えられ、もう1台のソロ楽器ともいうべき「オンドマルトノ」がピアノと対峙する形で並んだ。こういう楽器があることは承知していたが、ナマで経験するのは初めて。演奏装置自体は、学校の教室のオルガンを少し大きくした程度だが、音を発するスピーカーに当たるものが大小様々周りに並んでいた。
電子オルガンのようなものかな。鍵盤もあるが、1本弦を操作して自由なポルタメントを演奏することができる。この点がオルガンとは決定的に異なる。

さて、初聴きの音楽は、誇大妄想狂の自己満足音楽かと諦観混じりで聴いていたけど結構面白い。
この日のプラグラムの解説から一部を抜粋すると、「すぐれた音楽理論家でもあったメシアンは〜主要な2つのリズム上の実験的技法と、循環する4つの主題を挙げてみずから解題している」そうで、その実験的手法とは「ペルシナージュ・リトミック」と「逆行不能のリズム」であり、循環する「4つの主題はメシアン自身によってそれぞれ「彫像の主題」、「花の主題」、「愛の主題」、「和音の主題」と名付けられている。」そうだ。

ま、はっきり言って作者自身の能書きなんぞ(研究者にとっては重要だろうが、素人好事家である聴き手にとっては)どうでもいい。大切なのはどう感ずるかだ。「能書き」を実感することはまったくできなかったが、全10楽章が無調のものや、調性拡大のものや、明らかな調性を感ずるものなど、音楽の性格自体が広範に及んでいて退屈せずに聴くことができた。大ぼら吹きの自己満足ではないか、という思いは払拭できないけど、壮大な軽音楽とも言える。映画音楽のバックに流れていても何の違和感も感じないだろう。

♪2018-006/♪東京文化会館-01