2018年1月10日水曜日

都響定期B846回

2018-01-10 @サントリーホール


大野和士:指揮
東京都交響楽団

R.シュトラウス:組曲《町人貴族》 op.60
ツェムリンスキー:交響詩《人魚姫》

2曲とも初聴き。
R.シュトラウスというと、すぐに交響詩のような壮大な編成の華麗な管弦楽曲を思い浮かべるが、「町人貴族」は驚くほど小規模な編成だ。弦5部が合計20人。これはプログラムに記載の楽器編成のところにバイオリン6、ビオラ4、チェロ4、コントラバス2と具体的な数が記載されているところを見ると作曲家自身が指定したものだろう。管・打楽器も合わせて20人ほど。舞台の中央にピアノが指揮者を向いて据えられ、その左右に弦と管打が相対するという配置だった。
初めて聴いた音楽だが、全体として軽音楽のような親しみやすさだ。でも、こんな音楽を演奏会で聴くのかなあという疑問は残った。元は芝居のための劇伴音楽だ。それを組曲化したのだけど、あまりに軽い感じがして、立派なコンサートホールにはピッタリ来なかった。
それに、こういう編成のせいか、冒頭から弦のアンサンブルが美しくないのに驚いた。もう少し規模が多ければ、弦楽器はお互いが共鳴しあって響が豊かになるのだけど、バイオリンだけでは6人。第1、第2バイオリンと分けていたら、3人ずつか4人+2人ということになるから、いずれにせよ、互いが共鳴し合うようなレベルではない。そのせいかと思うが、えらくざわついた響だった。35分間も心地よく聴いておられる音楽ではなかった。

ツェムリンスキーも知らないし、交響詩《人魚姫》も知らない。
馴染んでなくとも面白い音楽というのはある。でも、これはどうも楽しめなかった。全体にメリハリがなくて構成感が掴めない。3楽章に分かれて入るけど、それぞれが明確に特徴的ではなく、ズルズルと引きずっている感じで、途中で《眠り姫》になってしまった。45分間という演奏時間も長過ぎたね。
また、聴く機会があれば、捲土重来を期そう。

♪2018-003/♪サントリーホール-01