2016年6月9日木曜日

東京都交響楽団都響 第810回 定期演奏会Bシリーズ

2016-06-09 @サントリーホール


大野和士:指揮
東京都交響楽団
イアン・ボストリッジ:テノール *

ブリテン:歌劇『ピーター・グライムズ』より「4つの海の間奏曲」op.33a
ブリテン:イリュミナシオン op.18 *
ドビュッシー:《夜想曲》より「雲」「祭」
スクリャービン:法悦の詩 op.54 (交響曲第4番)


ブリテン:「4つの海の間奏曲」はその第1曲「夜明け」がバイオリンの高音域(ひょっとしてハーモニクスも含んでいるのだろうか)で始まり、短い全編をとおしてこの高音が続くのだけど、どうもピッチが揃っていない…と思う。まるで透明感がなくこれはどうしたことかと怪しんだよ。

2曲目もブリテンの「イリュミナシオン」。初聴き。
というより、存在すら知らなかった。弦楽合奏に、イアン・ボストリッジ(テノール)の歌が入る。ランボーの詩集「イリュミナシオン」から9つの詩を選んで曲をつけたものらしい。
現代の音楽なので、素直に美しいとは感じられないけど(それに意味が分からない。プログラムには対訳が掲載されていたが暗い館内で小さな字は判読できない。)、ポストリッジの声がいい。
彼はオックスフォードとケンブリッジで<歴史学>を学んだオペラ界屈指の知性派テノールだそうだが、そうと知ると、彼にふさわしい音楽であるような気がする。

休憩を挟んだ後半はオケも良く鳴りだした。急にうまくなったのではなく、腕前を発揮できるタイプの音楽なのだろう。
前半は欲求不満気味だったが、後半はいつもの都響らしい華やかな響を聴かせてくれた。

特に、スクリャービンの「法悦の詩」は、生では初めてだったが、舞台にすし詰め状態に膨らんだ特大オケにパイプ・オルガンも加わって管弦楽の多彩な音色や響を展開して、聴衆にとっても「法悦の時」であった。

♪2016-080/♪サントリーホール-06


https://youtu.be/8XQGHOfIdYY