2018-12-06 @国立劇場
石川五右衛門⇒ 中村吉右衛門
壬生村の次左衛門⇒ 中村歌六
三好修理太夫長慶⇒ 中村又五郎
此下藤吉郎久吉・真柴筑前守久吉⇒尾上菊之助
大名粂川但馬⇒ 中村松江
大名田島主水/早野弥藤次⇒ 中村歌昇
足柄金蔵/大名白須賀民部⇒ 中村種之助
次左衛門娘小冬⇒ 中村米吉
大名天野刑部/小鮒の源五郎⇒ 中村吉之丞
大名星合兵部/三二五郎兵衛⇒ 嵐橘三郎
呉羽中納言氏定/大名六角右京⇒ 大谷桂三
足利義輝⇒ 中村錦之助
傾城芙蓉/五右衛門女房おたき⇒ 中村雀右衛門
義輝御台綾の台⇒ 中村東蔵
ほか
三世瀬川如皐=作
国立劇場文芸研究会=補綴
国立劇場美術係=美術
通し狂言 増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)四幕九場
―石川五右衛門―
中村吉右衛門宙乗りにて
つづら抜け相勤め申し候
発 端 芥川の場
序 幕 壬生村次左衛門内の場
二幕目 第一場 大手並木松原の場
第二場 松並木行列の場
三幕目 第一場 志賀都足利別館奥御殿の場
第二場 同 奥庭の場
第三場 木屋町二階の場
大 詰 第一場 五右衛門隠家の場
第二場 藤の森明神捕物の場
今月の国立劇場は役者が豪華。
吉右衛門、歌六、又五郎、菊之助、錦之助、雀右衛門、東蔵ら。
石川五右衛門を題材とするいくつかの作品を素材に三世瀬川如皐が取りまとめた作品(1851年初演)を基に、今回、新たに翻案したそうである。
場面によっては、90年(木屋町二階)、70年(壬生村)、50年(五右衛門隠家)ぶりの発掘という。こういうところが国立劇場らしい。
が、<娯楽>に留めず、石川五右衛門の家族を思う人間味を表現しようとした試みが、次ぎ接いだ前後で五右衛門の様子が異なる印象を齎す結果となり、謂わば木に竹接いだ感じになってしまったのは残念。
が、今回の売り物の一つ、「宙乗葛籠抜け」には驚いた。
花道上を大きな葛籠が宙にぶら下がって2階客席前辺りまできたところで、その中から吉右衛門が飛び出すのは、そういう仕掛けがあることは承知していたけど、実際に眼前で起こって、これは驚いた。目の前で見たのだけど、どういう仕掛けになっていたのか、一瞬の出来事なので、分からなかった。
最後は吉右衛門の大立ち回りだ。
これも、形を見せるものだとはいえ、背中が丸くなったような吉右衛門のひたすらスローモーションの立回りに不安を禁じ得なかった。
役の大きさの割に見せ場の少なかった菊之助、娘役がドンピシャの米吉が1幕で姿を消すなど、欲求不満が残ったものである。
♪2018-162/♪国立劇場-016