広上淳一:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル合唱団
髙橋絵理:ソプラア
平山莉奈:メゾソプラノ
宮里直樹:テノール
浅井隆仁:バリトン
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
客席も舞台も広い県民ホールで聴く「第九」は一層の祝祭性を帯びて気分高揚。
残響が少ない為、弦はシャリシャリ感が残るがこれこそナマならではのリアルな感触。
その弦が高い透明感を保って心地良い味わい。
広上節は全体にテンポ鷹揚。特に第4楽章は外連味利かせテンポの変化が頻繁で歌わせすぎではないか。声楽独唱はそれこそ「歌え」ば良いのだけど、オケはできるだけ無表情にテンポを保って欲しい…というのが、僕の好み。
終楽章の低弦のレシタティーヴォは特に朗々と歌わせたが、こここそは限りなくイン・テンポで聴きたい。
演奏時間は楽章間休止含め71分位。
声楽陣と打楽器3人は第2楽章の後登壇した。
ならば、第3楽章から第4楽章への乗り換えは一呼吸で入れたのに、広上センセイ、フツーに休止時間をとったので肩透かし。Apple Watchで計測していたが、22秒間もお休みあそばした。これではテンションが下がってしまう。
神奈川フィルの出来は上々だった。先日の日フィルと良い勝負だ。また、合唱団は中高年中心で110名くらいだが、迫力あった。東京音大合唱団(日フィルの「第九」)にも負けていなかったな。
そして、声楽ソロも(テノールは急遽の代演だったが)みんな良く通る声で聴き応えがあった。
テノールは訂正済み |
今季3回目の「第九」だが、声楽ソリストが舞台の前方(指揮者を挟む形)に立ったのは今回初めて(他の2回はオケの後ろ。)。やはり、前方に立つと声がよく通り、4声部の絡みもはっきり聴き取れて気持ちがいい。
事ほど左様に、オケも声楽陣もとても良い出来だったが、指揮者の演出が好みではなかったので80点としよう。
♪2018-175/♪県民ホール-05