鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
局使者の段⇒希太夫/清馗
米洗いの段⇒靖太夫/錦糸
三浦之助母別れの段⇒文字久太夫/藤蔵
高綱物語の段⇒織太夫/清介
人形▶和生・簑一郎・紋臣・紋秀・紋吉・勘彌・玉志・玉助・文哉
伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)
八百屋内の段⇒津駒太夫/宗助
火の見櫓の段⇒芳穂太夫・南都太夫・亘太夫・碩太夫/
勝平・清公・錦吾・燕二郎
人形▶玉勢・簑紫郎・一輔・勘市・亀次・玉翔・勘助・玉路
「鎌倉三代記」と「伊達娘恋緋鹿子」2本立て。
前者は、これまで歌舞伎で数回観ているが、歌舞伎ではもっぱら「絹川村閑居の場」のみが上演される。
今回の文楽公演では「絹川村〜」という名の「段」はないのだが、「三浦之助母別れの段」と「高綱物語の段」がそれに相当するのではないか、と観たがどうだか、確かなことは分からない。
いずれにせよ、この二段が話の中核だ。
だが、話の内容が結構複雑なことと、愛や忠義の為の究極の選択に素直な感情移入が難しい。
後者はまったくの初見。
所謂「八百屋お七」の物語だが、その「火の見櫓の段」こそ見もの。白黒世界に雪が舞い赤い振袖長襦袢。お七が梯を登るところが刮目の一工夫。火炙り覚悟の半鐘打ちの壮烈で美しいこと。