2018年12月4日火曜日

第72回全日本学生音楽コンクール全国大会in横浜 チェロ部門大学の部

2018-12-04 @みなとみらいホール


チェロ部門大学の部入賞者
第1位 伊石昂平(いせき・こうへい)
第2位 山本大(やまもと・だい)
第3位 石井奏(いしい・かなで)
横浜市民賞 白水大地(しろうず・だいち)

楽屋口から入る
この2年ばかり忙しくて応募していなかった学生音楽コンクールの横浜市民賞選定員に応募した。
今回も前回同様「チェロ部門大学の部」だ。他の楽器・学校部門はコンサートとバッティグしたり、自分自身の息切れが予想できたので応募しなかった。
何しろ、今回の例で言えば14人が演奏するのを聴いて自分のお好みを投票するのだから、途中2回、短い休憩があるものの演奏だけで5時間強を要する。ワーグナーの「神々の黄昏」級の大長編だ。加えて前後の説明会やら、終演後の審査投票に小1時間。
5時間強も座り続けることを想定していない小ホールの椅子ではお尻が痛くなるし、休憩の際に立ち上がるのもどっこいしょ!だ。

以前は連日3部門くらいの選定員を努めたこともあるが、もう無理だな。

さて、全国の予選を勝ち抜いてきた諸君だけに、もう巧いのなんのって。それでも数多く聴いていると、いろいろ細かい点まで聴こえるようになってコンテスタントの各面の違いが分かるようになる。
しかし、横浜市民賞は「聴衆賞」なのであまり細部にこだわるのは僕としては戒めている。
音楽性や演奏技術は専門家が審査するので、市民賞選定員は、自らの判断で「感動できたか、もう一度彼の演奏を聴きたいか」などというざっくりした観点で、要は、好みのタイプを選ぶのだ。あまりに主観的な基準だけど、今日の場合で選定員は20人位いたから、各自が主観で選んでも全体としては、音楽好きの聴衆の感覚でまずまずのところが選ばれるのではないかと思う。

審査の経緯などは口外してはならないことになっているので細部は憚るが、投票の前の時点で、選定員の多くが誰を選ぶか、の見当がついた。そしてそのとおりに決まった。
僕が選びたい学生とは違ったが、彼が選ばれるだろうという予感があった。上手だったし、聴衆への訴求力があった。だから、これはこれでいいのだ。

僕が敢えて投じた1票は死票になったが、専門家が選んだ本選では良い結果を残してくれたので、内心、ニヤリとした。

コンクール会場内での選定員の座る場所は決められている。
その後方に審査員の席がある。
堤剛、岩崎洸、上村昇、藤原真理、倉田澄子、山本裕康などの錚々たる顔ぶれだった(他にもいたが、名前が分からない。)。審査員ではないが、N響首席の向山佳絵子の姿も。

ところで、コンテスタント14人の大学別内訳は次のとおり。
東京藝大(大学院含む)⇒10人
京都市立芸大⇒2人
桐朋学園大⇒1人
愛知県立芸大⇒1人

そして、入賞した3人全員が東京藝大。
この世界、東京藝大に非ずは音楽家に非ず…みたいな勢いだなあ。以前は桐朋と藝大は伯仲あるいは桐朋が勝っていたような気がするが。
因みに、上に名前を記した審査員は全員桐朋出身又は関係者で、向山だけが藝大出身だ。落日の桐朋?まさか!

ついでに、大学の部があるのは、チェロの他には「声楽部門」だ。この部門で全国大会まで駒を進めた10人の出身大学は、
東京藝大(大学院含む)⇒3人
東京音大(大学院含む)⇒2人
大阪音大(大学院含む)⇒2人
京都市立芸大大学院⇒2人
愛知県立芸大⇒1人

と、ここでは桐朋学園が全滅だ。


♪2018-161/♪みなとみらいホール-37