2023年11月18日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第390回定期演奏会

2023-11-18 @みなとみらいホール



シーヨン・ソン:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
辻彩奈:バイオリン*

F.プライス:アメリカにおけるエチオピアの影<日本初演>
コルンゴルト:バイオリン協奏曲ニ長調 Op.35*
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95「新世界から」
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スコット・ウィラー:アイソレーション・ラグ〜ギル・シャハムのために*



指揮のシーヨン・ソン(韓国人女性)は初めて。
神奈川フィルは先月に続いて初めて神奈川フィルを振る外国人指揮者の登壇だ。

結果的には、先月同様、とても充実したコンサートになった。

1曲目。F.プライス(1887-1953)も初めてだし、演奏した作品も今日が日本初演だという。
この作曲家は、ちょうどドボルザークの一世代後の人だ。黒人女性ということで、二重の差別で才能を発揮するのは容易なことではなかったろう。

作品名が「アメリカにおけるエチオピアの影」という以上、黒人奴隷の生き様を描いている訳だ。こんな作品があったとは全く考えもしなかった。調性もあり、分かりやすい旋律で、また聴いてみたいと思った。この日本初演は意義あることだった。

この1曲目で、シーヨン・ソンに好感を持ったし、オケも実に丁寧に彼女の意図を汲んで伝えてくれる。

次にコルンゴルトのVn協を辻彩奈が弾くというのも期待が大きかったが、いやはや見事に美しく力強い。彼女のVnはいつもだが、オケに埋もれたりしない。これはオケのコントロールも良かったからだろう。適切に響かせるホールの力もあるだろう。

この前半だけで十分聴きものだったが、後半は「新世界から」。
若い頃はそっぽを向いていた時期もあったが、齢を重ねてくると毎回楽しみになってきたよ。

精密な工作物なのに情緒たっぷりで、それでいて崩れない。
そういう「新世界から」の魅力をシーヨン・ソンが丁寧に作り上げ、オケが見事に応えてホンに上出来だった。大江くん、いいぞ!

先日のWペッカによるN響B定期に比べたら話にならないくらい良いコンサートだった。

余談①
SNSでP席で聴いていた人が感動した旨をツィートしたいたが、さもありなん。が、ブラボーがなかったと書いていたが、そりゃ遠くて聞こえなかったのだろう。1F後方やたぶん2-3F席からは聞こえていたよ。まあ、大音量ではなかったけど。

余談②
ポツポツ女性指揮者が増えてきたが、女性の燕尾服は全く似合わない。誰か、女性らしさも演出する指揮者用の服をデザインしないものか。スカートでもいいと思うのだけどな。もちろん黒でなくともいいし。

♪2023-197/♪みなとみらいホール-41