2016年2月7日日曜日

N響第1829回 定期公演 Aプログラム

2016-02-07 @NHKホール


パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
マティアス・ゲルネ:バリトン*
NHK交響楽団

マーラー:亡き子をしのぶ歌*
ブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調(ノヴァーク版)

マティアス・ゲルネの歌を聴くのはN響定期で2度めだ。
前回はワーグナーのアリア集で、オーケストラのバックも派手で聴き応えがあったが、今回は地味な歌だ。
当初は同じくマーラーの「子供の不思議な角笛(抜粋)」と発表されていたが、いつの間にか、プログラムが訂正され、「亡き子を偲ぶ歌」になっていた。
僕としてはCDも持っていないし、まともに聴いたことのない「子供~」の方が聴いてみたかったが。

詩人リュッケルトが2人の子供を相次いで亡くした哀しみを綴った慟哭の詩に作曲したものだから当然訳詞を読んでも暗い内容だし、音楽も然り。聴き慣れていないせいもあって楽しむには程遠くまあ、一応聴いたというところ。

しかし、マティアス・ゲルネは前回も感心したが、立派な体格から発声するバリトンは広いNHKホールにも十分こだましていた。


ブルックナーの5番は一昨年のN響定期でマレク・ヤノフスキの指揮で聴いて、その時初めてブルックナーに開眼した思いがした、という作品なのだけど、今日は残念ながら体調不十分で前回のような集中は出来なかった。

厳格な対位法的手法が駆使されているそうで、それは前に聴いた時にもうすうすは感じた。
今回は事前にスコアを読みながら手持ちのCDを何度か聴いてある程度は確認できた。
第1楽章の主題を始め、幾つかの主題(らしき旋律)が他楽章でも繰り返し(形を変えて)登場し、終楽章はその極みのようにソナタ形式の中にフーガが取り込まれているようだ。
終始、第1楽章の主題が波状攻撃を仕掛け、金管の派手なコラールがクライマックスを形成する。
おそらく、とても精密に構成されているのだろう。
しかし、いかんせん長過ぎる(終楽章だけで24分位。全楽章で75前後。)。その中で何度も同じ旋律(の断片)が繰り返されるので、無駄な重複ではないか、と感じてしまう。

まあ、これも繰り返し聴いているうちに至福をもたらす音楽の一つになるのかもしれないが、僕には道が険しそうだ。


♪2016-015/♪NHKホール-02