2016年2月13日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第316回

2016-02-13 @みなとみらいホール

川瀬賢太郎:指揮(常任指揮者)
宮田まゆみ(笙)
津田裕也(ピアノ)
石田泰尚(バイオリン【ソロ・コンマス】)
山本裕康(チェロ【首席チェロ奏者】)

神奈川フィルハーモニー管弦楽団

細川俊夫:光に満ちた息のように
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
ベートーベン:ピアノ、バイオリン、チェロのための三重協奏曲ハ長調作品56
ベートーベン:交響曲第7番イ長調作品92

第1曲めの笙の独奏はステージを暗くしてパイプオルガン席から不思議な音色が響き渡った。笙1本のはずだが、ところどころオルガンが伴奏しているのかと思わせるような多彩な音色と重音が要求されていた。

最後の音が闇に消えてゆくと同時に舞台が徐々に明かるくなり、ローエングリン前奏曲が始まった。

こんな風に始まると、いつも聴いているワーグナーではない別の音楽のようでもある。これは一興だった。

ベートーベンのトリプルコンチェルト(三重協奏曲)は、大天才・楽聖ベートーベンに対して何の才能もない素人がまことにおこがましいが、彼自身、満足できなかった作品ではないかと思う。

どうも、インプロヴィゼーションの面白さやきらめく才能を感じない作品だ。三つの独奏楽器のバランスも悪く、チェロ協奏曲にも聴こえる。

とはいえ、ピアノトリオをそっくり独奏部に配した大掛かりな管弦楽との協奏はそれなりに楽しめる。

今日の白眉は当然メインディッシュの第7番だ。
第1楽章から間を置かず第2楽章に入ったのは新鮮だった。
ここはアタッカ(休まず次の楽章へ)の指示は行われていないし、そういう演奏をこれまで聴いたことがなかったが、やられてみるとこれは心地がよろしい。

全曲通じて、メリハリの効いたリズミカルでアクロバティックな躍動感に溢れ、ナマでなければできないような大胆な演奏だった。
カワケンも神奈川フィルをもうすっかり自家薬籠中のモノにしてしまったか。団員も彼の情熱に応えようとして一体感が高まってきたのがウレシイ。


♪2016-017/♪みなとみらいホール-06