2016-02-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール
パイプオルガン:石丸由佳!
ピアノ・デュオ:Die Sonne(ディ・ゾンネ⇒宮崎大介&宮崎陽子)*
・J.S.バッハ/デュプレ編曲:
シンフォニア(教会カンタータ「神よ、われら汝に感謝す」BWV29より)!
・インファンテ:アンダルシア舞曲 第1楽章*
・サン=サーンス:幻想曲 変ホ長調!
・サン=サーンス:「動物の謝肉祭」より!*
・ビゼー:カルメンの主題による幻想曲!*
!⇒オルガン *⇒ピアノデュオ
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アンコール
J.シュトラウスⅠ:「ラデツキー行進曲」!*
3人共知らない名前だなと思っていたが、オルガンの石丸由佳は昨年6月に、みなとみらいホールで神奈川フィルとサン=サーンスの交響曲「オルガン付き」を聴いていた。オルガニストって、たいてい客席からは顔もよく見えないし、ピアノのようなタッチの違いが音に現れるということがない(と思う)ので、誰の演奏を聴いたか、ということに関してどうも記憶に残りにくい。
ミューザのオルガンはこれまで、オーケストラと一緒に聴いたことがあるが、単独では初めてだった。みなとみらいホールのオルガンの方が客席から見えている部分は大きいように思うけどパイプの数はミューザの方が多い。ということはそれだけ多彩な音色を出すことができるのだろう。
とはいえ、どこで聴いても、誰が弾いてもオルガンの音は同じように聞こえるのは凡夫の耳のせいだろうな。
ま、なんであれ、一人でオーケストラの迫力を出せるオルガンの魅力を楽しんだ。
ピアノデュオのディ・ゾンネは間違いなく初めて聴いた。
フルコンサートグランドが向かい合わせに2台。これはとても迫力がある。
自由席なので、自分なりに、小編成ではベストと思っている場所に陣取って聴いたが、ホンにピアノの音がきれいだ。きらめいていてスコーンと抜けてゆく感じがいい。特にミューザのピアノは明るい音がする。
ピアノとオルガンでは相性が悪いでのはと思っていたが、なんてことはない。グランド2台が全然負けていないのでまるでオーケストラでピアノコンチェルトを聴いているようなものだ。
特に、元々ピアノデュオと管弦楽のために書かれた「動物の謝肉祭」は、管弦楽パートをオルガンが受け持って何の違和感もないどころか、こういうスタイルも面白いと感心した。
この「謝肉祭」から、パイプオルガンの演奏は、舞台最後部の定位置から、舞台上におかれたリモート・コンソールで行われたので、比較的間近で手脚の動きを見ながら聴くことができた。
その「謝肉祭」の中の<森の奥のカッコウ>が登場する場面で、オルガニストはコンソールから離れて2本の縦笛のようなもの(2種類計4本)を吹いてカッコウの鳴き声を出していた。
カッコウの鳴き声でもカラスの鳴き声でもなんだって、オルガンで出せるだろうにどうしてかな、と思ったが、演奏が終わってから説明があった。
その縦笛のようなものは、実はパイプオルガンのパイプそのものだった。
観客が見ているパイプオルガンのパイプの数はせいぜい100本前後だろう。しかし、ミューザのパイプオルガンのパイプの本数は5248本だという。つまり、5千本以上のパイプが見えているパイプの後ろにぎっしり詰まっている訳だ。そしてその中には木製のパイプもあり、まるでリコーダーのようなサイズの物もあって、それらが時には鳥の鳴き声を発したりする訳だ。
この日は、わざわざそれを見せてくれるために予備の木製パイプを使ってカッコウの音を鳴らしてくれた次第。
粋な編曲と演出だった。
♪2016-022/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-04