2016年2月14日日曜日

読売日本交響楽団第184回東京芸術劇場マチネーシリーズ

2016-02-14 @東京芸術劇場大ホール


シルヴァン・カンブルラン:指揮(常任指揮者)
読売日本交響楽団

モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調 K.525
      「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
マーラー:交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」


マーラーの交響曲第7番は馴染みが薄い。
各オケの定期演奏会でも滅多に取り上げられない。
内容の不可解さ(あるいは高度な精神性?どっちにしても素人にはハードルが高い。)ゆえの不人気もあるだろうし、オケも大規模で多種多彩な楽器と奏者を必要とする事情も無視できない。それに演奏時間が長い!

今日の読響のプログラム記載の予定時間は77分とあったが、実際の時間は83分を要した。

そんな訳もあって、ナマで聴くのは今回が初めてだった。

CDでは何度も聴いているし、放送録画ビデオも持っているが、これらではなかなかこの曲の面白さが伝わってこない。

しかし。

今日は読響の精緻でパワフルな演奏で初めて7番の妙味に近づいた気がした。
やはりCD100回よりナマ1回だ。

よくぞこんなにも複雑な構造物を作り上げたものだと、その執念に感服するが、穏やかさは束の間の夢の如し、全曲ほぼ激しくドラマチックなのでかなり気疲れする音楽ではある。

全体の構成感が心許ないのは馴染み不足もあるかもしれないが、やはり長すぎるのも一因だろう。
聴き手の覚悟や体調も問われる作品だけど、準備怠りなくがっぷり組み合ってこそ面白さが出てくるようだ。


先日のみなとみらい定期でも読響のハイレベルな実力を堪能したが、今日はさらに気合いが入って素晴らしかった。やはり我が国のトップ3には間違いなく入ると思う。
また、不思議な事に、前回芸術劇場で読響を聴いた際に(この回は演奏も不満が残ったが)、このホールの音響はイマイチだと思ったが、今日は違った。少し固めの澄んだ音が揺るぎなくガンガンと響いてきた。


♪20156-018/♪東京芸術劇場大ホール-1