2023年6月27日火曜日

東京フィル第987回サントリー定期シリーズ

2023-06-27 @サントリーホール



尾高忠明:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
亀井聖矢:ピアノ*

《ラフマニノフ生誕150年》
尾高惇忠:オーケストラのための『イマージュ』
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18*
ラフマニノフ:交響曲第1番ニ短調 作品13



亀井クンの聖なる矢が大勢の観客のハートを射抜いたようで、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番が終わるなり、ブラボーとも聞こえぬ奇声・喚声・拍手・喝采の嵐。立ち上がった人は多かったが特にピアニストかぶりつきゾーンはほぼ全員立ち上がっていた。後ろから見ていると年配の女性ばかり。

休憩を挟んだ後半になるとその近辺はだいぶ穴が空いていた。残っているのは、見慣れた頭髪の薄い中年以上の男性の頭ばかり見えたが。
いや、穴はその辺りだけでなく、僕の周りでもあちこちで穴だらけ。亀井くクンだけを聴きに(見に)来たお客が多かったようだ。

不思議なのは、かぶりつき席を彼女たちがどうやって確保したのか?30人近くが一個の集団のように見えたのは勘違いかもしれないが、そうだとしても、定期会員とは思えなかったなあ。

…ともかく、ラフマ協2番は、最初はテンポが遅いなと思ったが、徐々に聴き慣れた風な展開になって、まあ良かったか…くらいの感想しかないよ。なにしろ、今日もサントリーはピアノの音が悪い。ピアノの第一声で惹きつけるという要素がまるでないのでつまらない。

肝心のラフマ交響曲1番。
弦も管も綺麗な音で、流麗なるラフマニノフ・サウンドという感じか。しかし、印象薄く流れてしまった。
やむを得ない。6日前に同じサントリーでノセダ+N響の快演を聴いたばかり。

音楽の作り方の違いなんだろう。
一番違いが明確になったのは終楽章のクライマックス。
ノセダ+N響の時は、弦が「総員かかれ!」でガリガリと弾き倒すような荒々しい熱量が伝わってきたが、今日の東フィルは普通に「クライマックス」で、はみ出るような力強さがなかった。やればできるんだろうが、音楽の設計図が違うんだね。
まるで違う音楽を聴いているような心持ちだった。

♪2023-114/♪サントリーホール-14