2023年7月1日土曜日

N響ベストクラシックス 山下一史×金川真弓×N響

2023-07-01 @かつしかシンフォニーヒルズ



山下一史:指揮
NHK交響楽団
金川真弓:バイオイン*

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 作品35*
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
-----アンコール--------------
ウクライナ民謡:いばらが咲く*
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ




前半が金川真弓によるチャイコフスキー:バイオリン協奏曲。ところが、指揮台とコンマスの間の独奏者スペースが狭くて1プルト分くらいしか空いていない。動きの派手なコパチンスカヤなら2プルト分のスペースを必要としたろう。

こんなので大丈夫かと思いながら見ていたが、金川真弓は実に上品で、ほぼ定位置で最初から最後まで弾いた。流石に、日本バイオリン界の弥勒菩薩。立ち姿も品がある。時に見せるアルカイックスマイルもなにやらありがたい。

出だしと処々に独自の節回しのような耳慣れない部分があったが、錯覚だろうか?
それはともかく、音が実に宜しい。明瞭闊達だ。やはりコンチェルトでのソリストはこのくらいの主張が欲しい。名器「ウィルヘルミ」も彼女に回ってもう1年くらい経つだろうか。だんだんと自分のものにしているんだろうな。

N響はどうか。
いつものように達者なものだとは思ったが、協奏曲の時はさほど気にならなかったのだけど、響に潤いがないのはホールの問題だろう。たとえば管楽器の独奏がリレーする時に繋がりが悪く一連の流れにならない。
4番冒頭のファンファーレなど本来ならゾクゾクさせるところだけど、そんな艶っぽさはなかった。

N響のようによく訓練された弦16型のオケなら、もっと豊かに鳴り響いても良かった。
ま、初めてのホールだったので敢えて神経質に聴いたのだけど。

金川真弓のEncがあまりに短くて物足りなかった。繰り返せば良かったのに。

N響のEncはシベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ。これは最後にTimpが加わる以外は弦楽合奏だ。これが実に良かった。一番良かった。なかなか力強く美しかった。

♪2023-115/♪葛飾シンフォニーヒルズ-01