2023年7月11日火曜日

タレイア・クァルテット -重厚で繊細な弦楽四重奏の響き-

2023-07-11 @みなとみらいホール



タレイア・クァルテット
 山田香子:Vn1
 二村裕美:Vn2
 渡部咲耶:Va
 石崎美雨:Vc

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ハイドン:弦楽四重奏曲第61番ニ短調「5度」 Op.76 No. 2, Hob.III:76
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 Op.10 
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デンマーク弦楽四重奏団:Peat Dance(泥炭舞曲?)




某財団主催抽選無料演奏会。SQ自身は2年半ほど前にフィリアHで聴いた。
「タレイア」とはギリシャ神話の女神の名前だそうな。
今日は、全員パステル調の空色〜黄緑のドレスで華やかなこと。
フィリアの時は、ふだん響きの良いホールだけどその日の響には難があって十分真価を発揮しなかったと思ったが、今回は、みなとみらい小ホールというベスト環境で実力を発揮したように思う。

結成以来9年の常設SQとあって息が合っている。
アイ・クラはテンポ良く進み、慣れているなと感じさせた。
ハイドン五度はCDで聴いたことはあるけどナマでは初めて。こんなにロマンチックなのかと驚きだった。古典派というより一歩進んでいる感じだった。

弦楽小編成をナマで聴く時、いつも思うのが、ビオラの活躍だ。めったに主題をリードすることはないけど、バイオリン2本とチェロが先行した後にビオラが入っていく瞬間が好きだ。いっぺんに響きが豊かになる。


最後はビュッシーだった。唯一の弦楽四重奏曲らしい。そして作品番号(Op)がついた唯一の作品だという(他はL番号)。これは全く初めて聴いた。馴染んだ旋律の欠片も出てこないので、感興を覚えるという程でもないが、終盤になってドビュッシーらしさが現れてなるほどと思った次第。

願わくば、モーツァルト、ハイドンときたら最後はベートーベンかブラームスで締めて欲しかった。

EncはデンマークSQ作「Peat Dance」というのが北欧の民謡ぽくても面白かった。思わず手拍子が出そうな音楽だが、するなら、前拍だろうか後拍だろうか頭の中で調子を合わせてみたが、やはり前拍が合いそうだ。
「汚泥舞曲」とでも訳すのだろうか?いかにも土着風で、4人の女神も熱演。

♪2023-121/♪みなとみらいホール-25