2014年5月16日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団第299回定期演奏会

2014-05-16 @みなとみらいホール



﨑谷直人(Vn/第1コンサートマスター)
現田茂夫(名誉指揮者)

團 伊玖磨:交響組曲「アラビア紀行」
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218
ドボルザーク:交響曲第7番 ニ短調 Op.70
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アンコール
ハイドン弦楽四重奏曲第1番「狩」から第3楽章
(﨑谷直人+弦楽3部の首席)

現田茂夫(名誉指揮者)

團 伊玖磨:交響組曲「アラビア紀行」は、その存在さえ知らなかったくらいで、当然聴いたのは初めて。これまでに、あるいは、電波に乗ったことがあるのかもしれないけど、Youtubeにも見当たらず。

さて、その名も「アラビア」を冠するだけに異国情緒たっぷりだ。
断言はできないけど、いわゆるジプシー音階(C-D-Eb-F#-G-Ab-B-C)か、彼の地のその類の旋法によっているのだろう。
この例ではEb-F#、Ab-Bにできる増2度が、西洋音楽に馴染んだ耳にはとても刺激的なのだ。
エキゾチックを感ずる所以でもあるけど、全6楽章、約40分の大曲で、睡眠不足の身にはかなり堪えたなあ。

最後のドヴォルザークも、後期ロマン派である以上にチェコの国民楽派で、スラブ舞曲に代表されるような哀愁を帯びた土着的・民族的なメロディーやリズムが特徴的だ。ブラームスの指導を得てからは、かなり、独墺的な抑制と構築性を獲得したようだが、やはり、(好みだけど)民族色が強く残っている。もっとも、だからこそ、広く好まれるのだろうけど。


このコテコテの情緒性に挟まって、モーツァルトのバイオリン協奏曲第4番は、なんと軽やかで透明感があって、可愛らしいことか。

このソロを弾いたのが、この4月から若干26歳(27歳?)で神奈川フィルの第一コンサートマスターに就任した﨑谷(さきや)直人で、当然、腕前に不安はないが、弾き終えてから仲間からの祝福を受けて相当照れていた。

<直江智沙子(第2バイオリン首席)>

何度かのカーテンコールの後に楽譜を持ってアンコールに応えるべく登場した。
曲はソロバイオリニストのアンコールにつきものの無伴奏作品ではなく、オーケストラの仲間から残る第2バイオリン、ビオラ、チェロの各首席奏者が一緒になってハイドンの弦楽四重奏曲の緩徐楽章を弾いた。
これもきれいな曲だ。



神奈川フィルはお客様を大切にしている。終演後は1階ロビーで、全員ではないが、楽団員が楽器を片手に(持たない・持てないパートもあるが)整列して、ありがとうございましたと声をかけてくれる。その砲列の中を歩くのはとても恥ずかしい。

♪2014-55/♪みなとみらいホール-23