2020年2月8日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第356回

2020-02-08 @みなとみらいホール


井上道義:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ザリーナ・アバーエワ:ソプラノ
エフゲニー・スタヴィンスキー:バス

ビゼー(シチェドリン編):カルメン組曲 
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番ト短調Op.135

ビゼー(シチェドリン編)「カルメン組曲」抜粋もショスタコーヴィチ交響曲第14番も初聴き。

後者はCDを持っていながら聴いたことがなかった。
ともかく、何の予備知識もなく臨んだので大いに吃驚した。

2曲とも「管弦楽」ならぬ「弦打楽」!作品だ。
管が1本も出てこない。

故に楽器配置は打が舞台前方の上手と下手の2群に分かれて位置した。弦は舞台中央から後ろに全員客席に向かって並んだ。

「カルメン」は弦が12型。
広い舞台はスカスカで指揮者の周りは広いスペース。ここで井上道義が踊るのかと思ったが、そうでもなかった。

ショスタコ14番は、弦がVn1から6-4-4-4-4。
これほどの小編成は滅多にお目にかからない。
加えてここではティンパニも入らない。

肝心の音楽。

カルメン組曲は全13曲らしいが、第3、4、10、12曲がカット。第5、6、11曲は部分カットだそうだ。原曲をかなり換骨奪胎。処々原曲が顔を出して「カルメン」を思い出す。これはこれで面白かったので、原曲どおりの構成で聴きたかった。

ショスタコは全11楽章構成だが、全編アタッカ?で繋がっており、どこが区切りか本来は難しいところ、今回は字幕が投影され、しかも楽章表題、歌による状況説明、心情吐露の区別がフォントの変化で分かるという画期的サービス。

ここまで手間かけて観客の理解を助ける井上+神奈川フィルの情熱にほだされて寝ているどころではない。
本来、無調傾向の強い音楽は好きじゃないけど、今回は全編刮目して楽しんだ。また、弦楽器群の透明な響きも見事なもので、最近の井上道義も神フィルもハズレなし!

♪2020-017/♪みなとみらいホール-04