2018年8月10日金曜日

フェスタサマーミューザ2018 東京ニューシティ管弦楽団 ≪センター争奪、灼熱のアリアバトル≫

2018-08-10 @ミューザ川崎シンフォニーホール


曽我大介:指揮
東京ニューシティ管弦楽団
司会:朝岡聡

ソプラノ:髙橋維
ソプラノ:土屋優子
メゾ・ソプラノ:野田千恵子
メゾ・ソプラノ:高野百合絵
テノール:芹澤佳通
バリトン:吉川健一

●ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
●プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から“誰も寝てはならぬ”(芹澤)
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から“今の歌声は”(高野)
●ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」から“祖国を裏切る者”(吉川)
●ロッシーニ:歌劇「タンクレーディ」から“この胸の高鳴りに”(野田)
●ヴェルディ:歌劇「椿姫」から“ああ、そはかの人か~花から花へ”(高橋)
●プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から“ある晴れた日に”(土屋)
-----休憩-----
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師 」からロジーナとフィガロの二重唱“それじゃ私だわ…嘘じゃないわね” (高野/吉川)
●プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」からロドルフォとミミの二重唱“おお麗しの乙女よ”(芹澤/土屋)
●マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
●プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」蝶々夫人とスズキの二重唱"桜の枝を揺さぶって"(土屋/野田)
●ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」からノリーナとドン・パスクワーレの二重唱 “お嬢様、そんなに急いでどこへ”(高橋/吉川)
●ヴェルディ:歌劇「リゴレット」序曲
●ヴェルディ:歌劇「リゴレット」第三幕四重唱”美しい恋の乙女よ” (高橋/野田/芹澤/吉川)
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アンコール
ヴェルディ:歌劇「椿姫」から”乾杯の歌”(全員)
アンドレア・ボチェッリ:”タイム・トゥ・セイ・グッバイ”(全員)



コンサートのキャッチコピーは「センター争奪、灼熱のアリアバトル」。
要はイタリア・オペラの有名アリアを女声4人(ソプラノ2人、メゾソプラノ2人)と男声2人(テノール、バリトン)が各1曲ずつ歌い(前半)、前半終了後の休憩中に観客に投票でラストステージのセンターを決めようというお遊び。

下手に進行すれば嫌味なコンサートになるが、指揮者も、歌手たちも、何よりMCを務めた朝岡聡(元テレ朝)の軽いノリで穏やかに、楽しむことができた。

投票率は85.6%と驚異的だったのも、客席が楽しめたからだ。

で、みんな何を基準に投票したのか?

結局は歌唱力というより、歌手というより<何を歌ったか>で決めたのだろうな。

イタリア・オペラからアリアを選ぶなら、断然プッチーニが、それもテノールかソプラノが有利だ。ここ一番の名曲が割り当てられているから。

僕の好みで言えば、最初に歌った、プッチーニ「トゥーランドット」からテノールの「誰も寝てはならぬ」が良かったが、最後に登場した、やはりプッチーニの「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」のソプラノの名曲にやられてしまい、ほとんどの票がこの歌に浚われたのではないか。

休憩後の後半は、二重唱〜四重唱。おまけは六重唱に指揮者も飛び入りして(結構巧い!)七重唱で盛り上がった。

東京ニューシティ管弦楽団は、最近になってフェスタサマーミューザに登場するようになったが、在京オケの中では気の毒なくらいマイナーな存在だ。お客もあまり入らないだろうという観測からか、舞台周りの後方・側方の席は売らなかったらしく誰も座っていなかった。

オケもこじんまり(12型)していたが、歌伴だけでなく序曲や間奏曲などでオケの実力を聴かせたが、なかなかのものだ。

ベートーベンやブラームスといった正統派企画ならお客の入りは厳しいかもしれないけど、今日の<歌合戦>みたいなユニークな企画で是非とも来年以降もフェスタサマーミューザに参戦してほしいものだ。

♪2018-098/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14