2018年8月10日金曜日

フェスタサマーミューザ2018 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪音の風景〜北欧・ロシア巡り≫

2018-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

反田恭平:ピアノ*

ラフマニノフ(ヴァレンベルク編):ピアノ協奏曲第5番 ホ短調
(交響曲第2番ホ短調の編曲版)-日本初演*
シベリウス:交響曲第1番ホ短調 作品39
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アンコール
E.エルガー:夕べの歌

ラフマニノフのピアノ協奏曲<第5番>は気鋭の若手、反田恭平による”日本初演”だった。

正確にはラフマニノフの交響曲第2番をヴェレンベルクという人が換骨奪胎してピアノ協奏曲に編曲したものだ。
ラフマニノフはピアノ協奏曲を4番まで作曲しているので、このマガイモノは<第5番>という訳だ。

元の交響曲全4楽章を協奏曲らしく3楽章に仕立て直すために小節数で4割カットしたという。それでも演奏時間は40分となかなかの大作で、有名な第3番についで演奏時間が長い。

交響曲の主要な旋律はだいぶ残っているようで、有名な3楽章のきれいな旋律も残されている。
それだけに聴いていて妙な気分だ。ま、邪道でしょう。

メインは、シベリウスの交響曲第1番。
超有名な第2番の陰に隠れて目立たないが、全7曲あるシベリウスの交響曲の中では第2番についで聴く機会が多い。この第1番の中には、後の第2番やバイオリン協奏曲等で特徴的なシベリウス印の素がそこここに散見(散聴?)されるので、知らずに途中から聴いてもシベリウスの作品だということは多くの人が分かるのではないか。クラシック音楽というより、娯楽音楽のような気楽に楽しめる音楽だ。
もう少し演奏機会が増えるといいが。でないと、シベリウスは第2番だけの作曲家みたいだ。

前半のピアノ協奏曲<第5番>は、当然、ピアノが大活躍なので(反田恭平はこの曲を5年前から弾きたくて機会を求めていたそうだが、それにしては楽譜が頭に入っていなくて、譜面を見ながら弾いた。協奏曲で独奏者が譜面を見るというのは非常に稀な例だ。)、弦の響があまり効果的に発揮されなかったが、シベリウスではアンサンブルの心地よさが目立った。


♪2018-097/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-13