2017-05-25 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ウラディーミル・フェドセーエフ:指揮
NHK交響楽団
ボリス・ベレゾフスキー:ピアノ*
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
チャイコフスキー:幻想曲「フランンチェスカ・ダ・リミニ」作品32
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アンコール
ハチャトゥリアン:バレエ組曲「ガイーヌ」から「レズギンカ舞曲」
指揮フェドセーエフ、Pf独奏ベレゾフスキーというロシア人コンビで全4曲ロシアもの。なら、チャイコ2曲ではなくてボロディンなどに入れ替えて4人4曲の方が良かったかなと思ったり…。
4月の出来がぴりっとしなかったので不安な船出。
ところがどっこい。先月のN響はN響ではなかったのかと思うくらい格段に違う。ショスタコ、チャイコ、コルサコフ、いずれも大規模で派手な管弦楽技法。ロシアの哀愁。加えてフェドセーエフのカリスマがN響のやる気と巧さを引き出した。
唯一初聴きの「フランチェスカ〜」の冒頭には驚いた。地獄の様を描いたそうだが正に不気味さ甚だしい強烈な音響はかつて耳にしたことがない。管・弦の低域が銅鑼も加わって唸るように響いたのはどうやら減七和音らしい。生でこそ聴ける音だ。
ベレゾフスキーの貫禄十分なPf協奏曲も楽しめた。ピアノのテンポが良すぎてオケの先を走るんじゃないかと心配したが、フレーズの頭ではきちんと揃う。そのうち、指揮者ともども三者が一体となってオケとのやり取りも自然に。豪快な演奏也。
本篇だけでも満足したが、万雷の拍手歓声に応えたアンコールがやはりロシアのハチャトゥリアン:レズギンカ舞曲。この調子の良い音楽に会場全体が気持ち良く乗せられた。この場限りではあっても全ての憂さを吹き飛ばずフェドセーエフの魔法。
♪2017-090/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09