ワーグナー:楽劇《ニーベルングの指環》
序夜「ラインの黄金」(演奏会形式/字幕つき)
ピエタリ・インキネン:指揮[首席指揮者]
演出:佐藤美晴
日本フィルハーモニー交響楽団
ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
フリッカ:リリ・パーシキヴィ
ローゲ:ウィル・ハルトマン⇒西村悟
アルベリヒ:ワーウィック・ファイフェ
フライア:安藤赴美子
ドンナー:畠山茂
フロー:片寄純也
エルダ:池田香織
ヴォークリンデ:林正子
ヴェルクンデ:平井香織
フロスヒルデ:清水華澄
ミーメ:高橋淳⇒与儀巧
ファーゾルト:斉木健詞
ファフナー:山下浩司
サントリーが使えない間放浪している日フィル東京定期。今回は文化会館で演奏会形式「ラインの黄金」。ピットではなく舞台上に特大オケが所狭しと並んでいるのを見ると、サントリーじゃこれだけ並ばなかったのではないか。
4月に同じ場所で聴いたN響の「神々の黄昏」は素晴らしかったが、「黄昏」ではこんなにもオケの編成が大きかったろうか。また15年秋に新国立で「黄金」を聴いた時、ピットの中にはかくも大勢が収まっていたのだろうか。
何よりも、舞台上のオケの編成の大きさに目を奪われ、これから大変なものが始まるという高揚感で開幕を待った。
指揮は首席のP・インキネン。若いけど正統な熟練を感じさせて好感度大。聴いたのは初日。ローゲとミーメ役が体調不良で急遽交代した。
演奏会形式だから歌手がそれらしい衣裳を着用しているだけで舞台装置はない。しかし、今回は照明がとても凝っていて素晴らしく、各情景が照明だけでも十分想像できるのだ。それを踏まえた演出も良かった。
オケも音が明瞭にして繊細、時に爆音。
舞台のオケは演出効果のため終始暗かったが、そんな中で大編成のオケを仕切りまとめワーグナーの真骨頂を聴かせてくれたインキネンも日フィルも凄い。かつてメンデルスゾーンの「エリア」を演奏した日フィルが最高だと思っていたが、記録更新した。
事前のアナウンスは2時間半、休憩なし。実際はカーテンコールも含め2時間50分は座り続けたよ。そんなに長く耐えられるかという不安もあったが、なんて事もなく至福の2時間50分だった。
♪2017-092/♪東京文化会館-09