2022-11-02 @国立劇場大劇場
●落語 春風亭小朝
一 殿中でござる(でんちゅうでござる)
-太神楽-曲芸 翁家社中
二 中村仲蔵(なかむらなかぞう)
●歌舞伎 仮名手本忠臣蔵 二幕三場
(かなでほんちゅうしんぐら)
竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
国立劇場美術係=美術
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
小朝と芝翫の組合せを繋ぐのは「忠臣蔵」。
企画は良かったが、イマイチの出来。
現存真打の中でも最高ランクの小朝にしては、大劇場の空気を掴み取れなかったか。そもそも寄席の芸を披露する場ではなかったか。
「殿中でござる」は新作だが、忠臣蔵の一つの見方の解説止まり。
1番の楽しみ「中村仲蔵」は志ん朝を愛聴している為にどうしても比較してしまう。小朝も悪か無いけど、気持ちが入っていかん。
音楽でもそうだが、過去に優れたものに接していると、それを超えるもので無い限り、なかなか感動は得られない。寄席で聴けばまた違った味わいがあったかも。残念。
芝翫の早野勘平。これもイケメン過ぎたか。
好感したのは、斧定九郎を演じた歌六だ。
この芝居こそ、中村仲蔵の工夫が今に受け継がれている。
黒の着付けに蛇の目傘。朱鞘の大小。鉄砲に撃たれて着物からはみ出た白塗りの脚に垂れる鮮血。
定九郎の台詞はたった一つ「五十両」だけだが、見事にこの場を引き締めて「千両」役者。