2022年11月23日水曜日

第1970回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2022-11-23 @サントリーホール


レナード・スラットキン:指揮
NHK交響楽団
レイ・チェン:バイオリン*

<ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年>
ヴォーン・ウィリアムズ:「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番ニ長調
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パガニーニ:24の奇想曲 作品1-第21曲イ長調*


スラットキンは公演中止の年もあってか6年ぶりだ。
ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年と謳った割には中途半端な構成だが、個人的には良かった。

1曲目は弦楽合奏にハープ2台による英国民謡の主題と変奏らしい。彼の地の音楽らしい旋律が聴こえてくるが、弦16型は大き過ぎてハープとのバランスが悪るかった。

2曲目がなぜかメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲(メンコン)。バイオリンはレイ・チェン。
彼の演奏は、2018年に都響でブラームスのバイオリン協奏曲を聴いたが、16型(が大好きな)の都響にも埋没しない強力な演奏だった。

今日のN響はなんと10型で臨んだ。

これはとてもいい。ブラームスの協奏曲と比較はできないにせよ、やはりバイオリン協奏曲のオケは小振りに限る。

それに剛腕?レイ・チェンのバイオリンの明瞭なこと。
楽器も4年前とは異なり、今は有名な「ドルフィン」が貸与されているという。そのせいもあるのだろう、実に音圧が高く、滑舌が良く、明瞭だ。

9月に周防亮介でチャイコンを聴いた際に、PAを使っているのではないかと思う程明瞭だったが、今回も生楽器の音とは思えないほどの鮮やかさにびっくりした。

やや、独自な節回しも感じたが、何よりご本人が実に楽しそうに弾いているのがいい。音楽がそこにあるという感じだ。
メンコンでは今も辻彩奈@都響が忘れられないが、レイ・チェンの演奏も暫くは記憶に残るだろう。
Encのパガニーニも神技級!

メインのヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番は初聴きだったが、彼の作品は初めてであれ、処々に英国民謡風な旋律が織り込まれ、どこか懐かしさを含んでいて心地よい。
時にハッとするような美しい光景に出会うような音楽であった。

♪2022-176/♪サントリーホール-20