2022年11月27日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第89回

2022-11-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
アンティエ・ヴァイトハース:バイオリン*

シューマン:「マンフレッド」序曲 作品115
シューマン:バイオリン協奏曲 二短調 WoO23*
ベートーべン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第2番から「サラバンド」*



1曲目目開始直前の客席トラブル(何かを床に落としたらしい音あり。指揮台のノットは一度客席を振り返った。)で指揮者とオケが共有していた気脈が一旦断たれたように思った。そうでなくとも休符から始まる「マンフレッド序曲」の音の流れが受け止めづらく、過去に東響を含めいろんなオケで聴いているが、今回も入口で躓いた感。

バイオリンのA.ヴァイトハースは初聴き。
使用楽器が2001年製の某というので興味深く聴いたが、なかなか明瞭な音で、高域は鋭く中低域は豊かに鳴る感じ。アンコールの無伴奏で特に楽器としての真価を発揮したように思う。

シューマンの協奏曲は大変な難曲らしく、過去に生で聴いたのは1回(郷古廉)のみ。

まあ、素人にはメンデルスゾーンであれチャイコフスキーであれ、同じように難しそうに聴こえるから、このシューマンの遺作が1980年代までシューマンが書いたオリジナルどおりには演奏されなかったと読んで驚いた。


メインがベートーベン交響曲第2番。
これが実に良かった。
この頃、ミューザも少し響が硬い。冬の音だろう。
それがこの音楽にはお似合いだった。

ノットのナヨナヨした指揮ぶりに似合わず、音楽の方は、シューマンの難解なオーケストレーションの霧を晴らしてシャキシャキとして、気持ちが良い。そして、やはりベートーべンの音楽の力強さに改めて思い至った。

終演後、コンマスのG.ニキティンの表情に(2/24以後消えてしまった)笑みが少し戻ったのはまさしくベートーべンの音楽の力だろう。

♪2022-180/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-43