2015-04-05 @みなとみらいホール
シルヴァン・カンブルラン:指揮
読売日本交響楽団
グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から
“序曲” “精霊の踊り” “復讐の女神たちの踊り”
ハイドン:交響曲 第94番 ト長調 「驚愕」
バルトーク:「管弦楽のための協奏曲」
3月はオーケストラによってはシーズンの切り替わり時期で、定期演奏会が通常月より少なかったし、それも月の前半に集中していたので、20日ぶりのオーケストラだった。
渇望?していたせいもあったのか、もう、冒頭の響で気持ちが吸い寄せられた。弦と木管のアンサンブルが非常にきれいだ。
ああ、これだ!管弦楽の魅力ってこの音だ!と思った。
ほかのオケと比べてどうこう言えるような立派な耳を持っているわけではないけど、N響と読響には総じて安心感を持っている。そして満足できる。
グルックの作品といえば、「精霊の踊り」しか知らないし、それも手持ちCDではバイオリン小品集のなかの1曲だったので、今日はじめて原曲を聴いて、オペラの間奏曲であり、管弦楽曲だということを知った。
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」からは3曲演奏されたけど、耳に覚えのあるものはやはり「精霊の踊り」だけだったが、軽快な序曲に続くコントラストの妙もあってなんとも美しい。
グルックはハイドンより18歳年長なので、音楽史的には前古典派ないし古典派の走りだけど、まるで1世紀後のロマン派のような甘くて切ない旋律だ。
続くハイドン。
有名な「驚愕」だ。まあ、ハイドンの昔と違って、大編成のオーケストラに慣れているので、この程度のダイナミックレンジで驚いたりはしないのだけど、ハイドンのユーモラスな面が表れて楽しい曲だ。
クラッシックなのが2作品(4曲と数える?)続いた後は、バルトークの作品。
バルトークは19世紀末に生まれ20世に前半に活躍した、いわば現代の人だ。
調性の怪しくなった現代の作品は、時に面白いと思うものもあるけど、積極的に楽しみたいとは思わない。ロマン派以前に宝物はいくらでもあるのだから。
そんな次第で、バルトークの作品といえば、民族音楽の研究家でもあった彼がハンガリーやルーマニアなどの民謡を基にして作曲した小品を除けば積極的に聴くことはなかった。
ただ、「管弦楽のための協奏曲」は2月の東響の定期でも聴いたばかりだし、多少は記憶に残っていた。
そもそも、あまり小難しい音楽ではない。現代性も感ずるけど、ところどころにハンガリー?民謡ふうなメロディーも紛れ込んでいて興味深い。
管弦楽のための<協奏曲>という名前が示すように各パートに聴かせどころが用意してあって、大編成の管弦楽をじっくり楽しむことができた。
♪2015-27/♪みなとみらいホール-12