2015-04-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール
飯森範親:指揮
ニコライ・ホジャイノフ:ピアノ
青木篤子:ビオラ(東京交響楽団首席奏者)
東京交響楽団
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21
カンチェリ:ステュクス ~ビオラ、混声合唱と管弦楽のための
ドビュッシー:海 ~管弦楽のための3つの交響的素描
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アンコール
ショパン:ワルツ第14番「遺作」
ドビュッシー:ベルガマスク組曲第3曲「月の光」
ショパンのピアノ協奏曲は第1番がダントツに有名で、第2番は多分、ナマで聴いたことがなかったように思う。
それで、という訳でもないけど、予習のために家ではCDでさんざん第2番を聴きまくって、相当耳に馴染ませてから臨んだのだけど、不思議なことに演奏が始まった途端、違う曲かと思った。
僕が家で予習していた曲は別の曲を間違って聴いていたのだろうか、と焦った。
やはり、ナマではあらゆる楽器の音が明瞭この上ないので、聴き慣れたCDとは一瞬別の曲かと思ったのだ。
でも、しばらくしたら、聴き覚えのある、いかにもショパンです!という旋律がそこここに顔を出したので、安心した。
第2番には、彼の夜想曲第20番嬰ハ短調遺作のメロディが第1楽章と第3楽章で表れる。先取りした訳ではなく、夜想曲のほうが後年に作られている。
また、ピアノ協奏曲第1番にみられる音形も顔を出すように思うのだけど、気のせいかも。
ニコライ・ホジャイノフはまだ22歳でモスクワ音楽院の学生だそうだ。こんなに若くても日本のオケと共演するというのは、数々の国際コンクールで優勝したりファイナリストに残っているという実力が故だろう。
当然、苦もなく弾きこなしていたが、驚くほど、無表情で、淡々と弾いていたけど、だからといって音楽的表情に乏しいという訳ではない。何人かの女流ピアニストの顔の表情にも腕や身体の使い方にも感情丸出しの様子を思わず思い浮かべた。
これって、性差なのだろうか、それとも個体差なのだろうか。
感情丸出しの方が、聴き手というか観ている側にはその音楽がよく伝わるのでそれも表現の1つかなとも思うが、時に、悩ましいのもあって、それも楽しみだったり…。
カンチェリという作曲家は、ジョージア(2015-04-22から。旧国名グルジア)の人で1935年生まれの現役だ。同国人で同年生まれのアルヴォ・ペルトはよく知っているし、とても好きだけど、カンチェリは初耳だった。
演奏された「ステュクス ~ビオラ、混声合唱と管弦楽のための」ももちろん初めて聴く音楽だ。
大規模弦楽構成に多彩な管打楽器が加わって、100名を超える規模だったと思う。
完全に現代音楽で、演奏時間約36分の全篇が刺激に満ちていた。
オーケストラの最強音の大打撃から始まり、最弱音、はたまた最強音とえらくダイナミックレンジの広いさ音楽で、ぼんやりとは聴いておれない。
ハイドンがこれを先に聴いていたら、彼は交響曲第94番「驚愕」を作ることはしなかったろう。
♪2015-32/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06