2016年4月24日日曜日

横浜交響楽団第670回定期演奏会

2016-04-24 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
岩下晶子:ソプラノ
相田麻純:アルト
土崎譲:テノール
大沼徹:バス:
横浜交響楽団
横響合唱団

ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」
モーツァルト:レクイエムニ短調

前半のハイドンは率直に言ってダメだったな。
今日は、曲目に合わせて小編成なので、弦の不揃いがはっきりし、管楽器の頼りなさももろに聴こえてしまう。

最近、横響は腕を上げたと思っていたのに、どうしたことか。

しかし、後半のメインプログラムでは息を吹き返した。というか、オケに数倍する合唱団の迫力の陰で、少々の不揃いが目立たなかったということかもしれない。

声楽ソロは流石にプロだ。きれいな声がよく響き渡る。
横響合唱団もこの曲は歌い慣れているのだろう。全然危なげなかった。
欲を言えば、「トゥバ・ミルム」のトロンボーンソロをもう少しなめらかに決めて欲しかった。

(昨秋の都響とスウェーデン放送合唱団のレクイエムはとにかく素晴らしかったが、その時の「トゥバ・ミルム」のトロンボーンの見事さには大いに驚いたものだ。それを思い出したので、比較してはいけないけど、つい辛い評価になってしまう。)

全体として、ハイドンとはうって変わって良い出来だった。
「レクイエム」は名曲ばかりだけど、やはりモーツァルト絶筆となった「ラクリモーサ」(涙の日)が、<歌曲>としては一番心に染みる。

今日は、開演冒頭に横響理事長のあいさつで、いつもどおり「東北震災復興祈念」と冠しているが、今日のコンサートは併せて、いやそれ以上に熊本の被災者に心を寄せて演奏したい、という趣旨のことを述べていたが、舞台のみならず観客も、その点で一つにつながったのではないか。
今日の演目は半年以上前に発表されていたものだが、この時期に大きな震災が起こるとは悲しい暗合だ。

個人的には、今月16日にはヴェルディの、昨日はブラームスのレクイエムを聴き、今日はモーツァルトのレクイエムが続くとはまことに不思議な偶然だ。


♪2016-049/♪県立音楽堂-03