2016-04-14 @みなとみらいホール
フランツ・バルトロメイ:チェロ*
後藤泉:ピアノ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009*
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
シューマン:幻想小曲集 作品73(全3曲)
ベートーベン:魔笛「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲
サン=サーンス:「動物の謝肉祭」から「白鳥」
J.シュトラウスⅡ:ロマンス第1番ニ短調作品243/同第2番ト短調作品255
クライスラー:美しきロスマリン/愛の悲しみ
ルドルフ・ジーツィンスキー:ウィーン、我が夢の街
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アンコール
カザルス編:「鳥の歌」
*のみチェロ独奏
フランツ・バルトロメイというチェリストの存在は知らなかった。
今期から始まったみなとみらいホール主催の「アフタヌーンコンサート2016」の第1回目に取り上げられたので聴きに行った。いわば、お仕着せだ。
フランツ・バルトロメイは数年前までウィーン・フィルの首席チェリストだったそうだ。
たまたま、このコンサートの後、自宅で数日前のNHKBS「クラシック音楽館」で放映されたニコラウス・アーノンクールの追悼番組の録画を観ていたら、2006年のウィーン・フィルを率いての日本公演で、フランツ・バルトロメイは確かに首席に座っていた。
随分盛りだくさんの内容で、本篇最後のルドルフ・ジーツィンスキーの作品は初聴きだった(そもそもこういう作曲家がいたことを知らなかった。)が、それ以外は耳に馴染んだものばかりでいずれも楽しめた。
ただ、数日前にベルリン・フィルのメンバーによる室内楽を聴いた際に(東京文化会館小ホール)彼らの豊かな音色と音量と明瞭な音楽が素晴らしかったので、つい比較して、やや物足りなさを感じてしまったが、これは大ホールでのチェロ(とピアノ)の演奏であるから、本来は比較するのは適切ではないのだろう。
物足りなさは、あまりに優しい音色と表現で、例えば、チェロの低弦がガリッと脂を飛ばすような凄み(が魅力的だ)が全く無く、ひたすら穏やかに美しい。もう少し、ケレン味のある弾き方をしても良かったのではないかと思った。
が、最後にアンコールで「鳥の歌」を聴いた時、その穏やかさが見事にピッタリとハマって素晴らしい演奏だった。
こういう弾き方は彼のスタイルなのだ、と思ったら、ストンと腑に落ちた。
♪2016-044/♪みなとみらいホール-13