2016年4月16日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第316回横浜定期演奏会

2016-04-16 @みなとみらいホール


ピエタリ・インキネン:指揮

ソプラノ:安藤赴美子(大隅智佳子から変更)
メゾソプラノ:池田香織
テノール:錦織健
バス:妻屋秀和
合唱:晋友会合唱団
日本フィルハーモニー交響楽団

ヴェルディ:レクイエム

ヴェルディの「レクイエム」は、モーツァルト、フォーレと並んで三大レクイエムと呼ばれているが、フォーレはともかく、モーツァルトと並ぶ作品だろうか?三つ選ぶならブラームスの「ドイツ・レクイエム」がなぜ入らないのだろう、という疑問を持っていた。

よく言われているようにこの作品はオペラ作家らしくとても劇的な音楽だ。それで、宗教性や精神性が低いとみる向きもある。
これまでビデオやCDでしか聴いたことがなかったが、今回、じっくりと集中して聴いたので、なるほど、まるでオペラのような部分もあるし、有名な「怒りの日」の主題(はその後もクイド・スム・ミゼルの前、ラクリモサの前、リベラ・メの後でも再現される)など、ここまで激しい表現がレクイエムに必要なのか、とも思うが、一方で、ヴェルディの本作の作曲動機(敬愛するイタリア文学者マンゾーニの死去に対する弔意)を知るとこれらの劇的表現も納得できる。


ま、ともかく、約80分間、喜怒哀楽の激情の音楽に晒されていると徐々にアドレナリンが噴出してきて体内を駆け巡り、否応なく興奮してくる。
宗教性だの精神性だのは超越して、この巨大な音楽に圧倒されてしまうのだ。

大規模管弦楽に大規模合唱団と声楽独唱4人を加えて240人位はいたように思う。
音楽を聴いた、というより体験した、という感じだ。

で、やはり3大レクイエムなのだろうか…という疑問は残ったままだ。ヴェルディの大作を聴き終えてもやはり、個人的にはヴェルディを外してブラームスを入れたい。

♪2016-045/♪みなとみらいホール-14