2016-04-12 @東京文化会館
フランソワ=グザヴィエ・ロト:指揮
東京都交響楽団
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《ペトルーシカ》(1911年版)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》(1910年版)
舌を噛みそうな名前の指揮者、フランソワ=グザヴィエ・ロトも都響のB定期に続いて今月2度めだったので、ようやく名前を覚えて発音できるようになった。
この人は、2003年「レ・シエクル」というオーケストラを創設して、モダン楽器と古楽器を一つのコンサートで使い分けているそうだ。
そのコンビで、古楽器を使って原典版の楽譜で録音した「ペトルーシカ」と「春の祭典」は第52回レコードアカデミー賞大賞を受賞しているそうだ。
いわば得意のストラヴィンスキーという訳だ。
古楽器と初演版へのこだわりから生まれる響や音楽がどんなものなのか興味深い。
今日は、モダン楽器ではあるけど、2曲とも原典版(初演版)での演奏だった。
手元にあるCDは放送などでもよく聴く改訂版(「ペト~」は1947年版、「火の鳥」は1945年版が多いようだ。)と同じで、おそらく原典版を聴くのは放送、ビデオ、CDを含めて初めてだったと思う。そのせいか、特に「火の鳥」に馴染みのない音楽が垣間聴こえたが、それが原典版故なのかどうかは自信がないのだけど。
両者の原典版は改訂版に比べて、とりわけオーケストラの編成が大きいようだ。
弦5部の編成も大きいが、管楽器も、多種多様な打楽器や鍵盤楽器も加わって、その音色の派手なこと。
こういうモダンな音楽(とはいえ、もはや古楽器で演奏されるというのだから、モダンとも言えないのかもしれないが)は、文化会館のような(ミューザ・サントリー・みなとみらいホールなどに比べて)残響の短いホールでは、音のキレが良くて向いていると思った。
フランソワ=グザヴィエ・ロトがB定期(サントリー・ホール)ではベートーベン「英雄」ほかを演奏し、A定期(文化会館)ではストラヴィンスキーを選んだのはその辺りも考慮したのかもしれないな。
♪2016-043/♪東京文化会館-06