2015年12月19日土曜日

横浜交響楽団第667回定期演奏会

2015-12-19 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮

独唱: 
ソプラノ⇒村元彩夏
アルト⇒秋本悠希
テナー⇒土崎譲
バリトン⇒小林大祐
合唱:
横響合唱団
横響と「第九」を歌う会合唱団

横浜交響楽団

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


横響恒例の「第九」だ。
この日は、単なる定期演奏会とは様子が違って、演奏する側も聴衆の側もテンションが高まっている。

横響自体、歴史のあるオーケストラで、1932年の創立(第1回演奏会は翌年)だが、「第九」演奏会は1950年が最初だそうな。
今日は第667回の定期演奏会だが「第九」演奏会としては66回目になる訳だ。こんな長い歴史を持ったアマチュアオケが他にあるだろうか。

アマオケが年8回も定期演奏会を開いているのもすごいことだが、おり、通常、会場は県立音楽堂だが「第九」だけはキャパ2,500人の県民センターに移す。
この大きなホールが、ざっと見回して満席になる。
県民ホールで開かれるプロ・アマの「第九」演奏会の中で最大集客演奏会らしい。

合唱団もアマチュアで総数600人と聞いた。
ふだんクラシックコンサートに縁の遠い人でも、これだけの合唱団が参加するとなると、その家族や友達が数人ずつ客席に付けばそれだけで満席になるのかもしれない。

そのせいもあって、会場は一種のお祭りのような雰囲気がある。
このテンションの高さがいい。

客席の熱い期待に応えて、横響と声楽ソリスト、合唱団も大いに気合が入っていた。

横響について言えば、前回の定期演奏会で急に腕を上げたという印象を受けたが、今回も見事だった。
ミスの目立ちやすい管楽器もほとんど問題なし。
プロでも時々は変な音を出すホルンは特に第3楽章に聴かせどころがあるが、これがもう完璧。下手なプロよりうまい。

弦もピッチが合うようになってきたみたいだ。今日はほとんど干渉波を感じなかった。
難点は、音の出だしが揃わない。メンバーの中には気持ちが遅れている人がいる。これは僕もアマオケ経験者としてよく分かる。自分だけ飛び出したくないし、つい周りの音を聴きながら弾き始めるので、ナノセコンドの単位かもしれないが、ピシっとは決まらない。

バイオリンパートの相対的音量不足も感じた。

第4楽章の低弦のレシタティーヴォは、ここも呼吸合わせが難しいところだけど、まずは破綻なかった。もう少し力強く、息を合わせて、ガリッと脂を飛ばしてほしいところだが。

まあ、全体としては非常に良い出来。近年にない優れた演奏だったように思う。


終曲後は、これも横響恒例のオケとソリストと大合唱団が「蛍の光」を演奏してくれるのだが、それを聴きながら観客は大いなる満足感で胸をホクホクして帰路につくのだ。

この冬(夏にも聴いたが)、「第九」はあと4回聴くことになっている。
今日はその第1回目。
とても良い出だしだった。
明日も同じ県民ホールで神奈川フィルの「第九」だ。
プロの技を聴かせてほしいものだ。


♪2015-128/♪県民ホール-04