2015-12-15 @サントリーホール
マルク・ミンコフスキ:指揮
東京都交響楽団
ルーセル:バレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》 op.43 - 第1組曲&第2組曲
ブルックナー:交響曲第0番 ニ短調 WAB100
アルベール・ルーセル(1869~1937)。
フランスの現代作曲家、という程度の知識しかなかった。
ドビュッシー、ラヴェルなどとほぼ同時代を生きている。
バレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》はもちろん初めての曲だ。
2幕もののバレエ用音楽を2つの組曲に作り変えたらしいが、音楽には一切手を入れず単に組曲という形で演奏会用に称しているだけではないのかと思うが、詳しいことは分からない。
初めて聴く音楽にはいつも不安が伴う。楽しめるだろうか?
どっこい、これは存外気楽な音楽だった。
全篇、深刻さはまるでなく、陽気でリズミカルでまるで映画音楽を聴いているような感じだった。
ルーセルというほとんど未知の作曲家の音楽を是非聴きたいと思っていた訳ではないし、今回の作品を聴いて、今後も機会があれば是非聴きたいと思った訳でもないけど、定期演奏会というのはすべてお仕着せなのが面白いとも言える。でなきゃ、よく耳に馴染んだものばかり聴いて鑑賞の幅が広がらないもの。
ブルックナーの0番という不思議な番号。
作曲順だと第2番に当たるのだそうだ。
なぜ0番なのか。
ブルックナーはこの作品に全く自信が持てなかったが、さりとて破棄するには愛着がある。それで、晩年に自作を整理した際、この作品を第0番として残し、遺言で博物館に寄贈することとしたらしい。この場合の0(zero)は1の前の0ではなく、null(無効・無価値・空)の意味だそうだ。そんなに自信がないなら破棄すれば良かったのにと思うが、しかし、捨てられない気持ちも分からくはない。
そもそもブルックナーのどの交響曲も長すぎる。CDで聴くのは結構苦行だ。この0番も例外ではないし、作曲家自身が自信が持てなかったという話を知ってから聴くと余計に、野暮な作りの部分が耳に付き鼻に付く。
とはいえ、派手で情緒を刺激する音楽は大規模な管弦楽と相まって、ナマで聴くと有無を言わさないところがあって、まあ、これもよしか、と納得してしまう。
今日も都響のアンサンブルは重厚だった。
あと一息、ピアニシモの弦が1本の糸のように聴こえると素晴らしいのだけど。
♪2015-126/♪サントリーホール-08