2015-12-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール
マルク・ゴレンシュテイン:指揮
セルゲイ・カスプロフ:ピアノ*
東京交響楽団
ムソルグスキー(R=コルサコフ編):交響詩「禿山の一夜」
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
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アンコール
ヴィラ・ロヴォス:赤ちゃんの一族第一組曲「お人形たち」~7 道化人形
客演指揮のマルク・ゴレンシュテインもピアノのセルゲイ・カスプロフも、ついでに東響の第一コンマスのグレブ・ニキティンも全員ロシア人で、演奏された作品も本篇3曲ともロシアのものだ。
いっそ、アンコールもチャイコフスキーの小品でも弾いてくれたら良かったが。
こういうメンバーなので、だからロシア的かどうかは分からないけど、指揮者のマルク・ゴレンシュテインって、数年前までロシア交響楽団の首席指揮者を務めていたくらいだから、かなりの大物なのだろう(大物過ぎて解雇されたとか…。音楽性が問題になった訳じゃないけど。)。
「禿山の一夜」はディズニーの「ファンタジア」が初めてだったかもしれないが、実によく耳にする音楽だ。しかし、ナマのオーケストラで聴くのは初めて(と思う。)。
冒頭の弦の中低域がなかなかきれいだ。
最近、どのオケを聴いても弦のなり具合が気になって、少し神経質になっている。これでは音楽になかなか入って行けない。
でも、今日の東響は、これはホールのせいもあるだろうけど、まず、問題のない出だしだった。
続く「パガニーニの主題による狂詩曲」もセルゲイ・カスプロフにとっては自家薬籠中の物と言った感じで弾きまくっていたなあ。
これまでにもナマでもCDなどでも何度か聴いているのに、今回は重大な発見をした。変奏曲は通常、冒頭に主題が演奏され、続いて第一変奏、第二変奏~と続くが、この曲は最初にほんの10秒程度の短い序奏があり、次いで短い第1変奏があり、第3曲目に主題が登場する。意表を突くやり方だけど、これは、主題が作曲者自身のオリジナルではなく、既に有名になっていたパガニーニのメロディーを借用したからこういうことが可能なのだろう。
このテーマは非常に有名だけど、第18変奏も、全24変奏の中では飛び抜けて有名だ。この曲がどうしてパガニーニ-のテーマの変奏なのか分からない。コード進行が同じなのだろうか。とても原曲とは似つかないロマンチックなメロディーで、まあ、この辺がラフマニノフの本領とも言えるけど。
チャイコの5番は、今年はやたら聴くことが多く、これで6回目だった。もちろん、これで今年は打ち止めだけど、出来が良かったかというとそうでもないな。
いつも、そしてこの日もラフマニノフまでは気にならなかった弦の響にやや濁りを感じてしまった。
hr交響楽団のみごとな響を聴いたことで、僕の耳のハードルを上げてしまったのは不幸なことでもあったなあ。
♪2015-124/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-25